渋谷玄品(げんぴん)  2023年3月9日

 玄品に行ってきましたよ。このお店はM上さんが予約してくれました。ふぐのお店では前回思うところがあって、口直しが必要だとは二人の意見。前回はうさおが予約したので、ふぐの判らんやつに任せると当たりのお店には行けないことが分かりました。
 玄品(げんぴん)と読みますよ。久しぶりの渋谷はすっかり春めいていて、女の子はミニスカートかショートパンツが主流、半袖の娘もいたぞ。暖かくはなって来ていたが、おじいさんたちは寒いので冬の上着をしっかり着込んでいたぞ。
 玄品の住所を確認したけれど、首を傾げるほど馴染みがありません。でも、現地に行ったら昔の旭屋書店のビルでした。
 旭屋書店と言えば、渋谷には三省堂、紀伊国屋、大盛堂、ブックファースト、文教堂など書店が犇(ひし)めいていました。ほとんどが閉店したか、規模縮小になりました。若者の活字離れがここ10~20年の間に進んだという事でしょう。
 

渋谷玄品 入口 2023年3月9日

 M上さんを待つこと暫し、東横線の渋谷駅からここまで地下道を潜り、右往左往しながら、辿り着いたので足ががくがくしています。店の前に竹で編んだ腰掛があったので座らせてもらいます。


渋谷玄品 腰掛に座り店の看板を眺める 2023年3月9日

 「GUENPIN」だあ~、中国語みたいと感慨に耽り、奥を見ると暖簾にふぐが3尾描かれています。まったりとしていている処に「よう!」とM上さんが現れます。

 
渋谷玄品 ふぐの暖簾 2023年3月9日

 店内はしっとりと落ち着いた雰囲気ですが、所々にモダンのテイストが。渋谷だから若い人の感性なんだなと納得。平日でしたが人の出は多く、隣の「五右衛門」には若い女性が多数屯(たむろ)していましたが、玄品は少し年齢層が上がった女性客が入っていました。私たちは混み合うのが嫌いなので、平日に出かけていますが、少しお高いお店はほとんど女性客です。


渋谷玄品 何と読むのだろう? 2023年3月9日

渋谷玄品 シックでモダン 2023年3月9日

渋谷玄品 あっ、電話だととM上さん 2023年3月9日

 仲居さんが来ててきぱきと配膳してくれます。はじめは「てっさ」からです。この前のお店は、このふぐ刺しがありませんでした。玄品は虎河豚専門店ですので期待できます。うましっ、こうでなきゃ。


渋谷玄品 てっさと薬味がひとつ? 2023年3月9日

 別鉢で大量の薬味が来ました。「てっさ」についている分で十分なのですが?全部食べ終わってデザートが来た時に、この鉢を下げないので不思議に思い、箸で探ってみたら湯引きした河豚の皮が入っていました。言ってよ。


渋谷玄品 これはなんだ? 2023年3月9日

 「焼きふぐ」は身の大きさが格段に大きいです。虎ふぐなら結構なお値段がします。満足です。


渋谷玄品 身の大きな焼きふぐ 2023年3月9日

渋谷玄品 やはりこの位大きくなきゃあね! 2023年3月9日

 そしてお待ちかねの「てっちり」です。奉紙を折り畳んで鍋の形にし篭の上に載せてあります。どうやって加熱するのか見ていると、奉紙の下に円形の鉄板が敷いてありIHのスイッチを入れるのでした。
 具を入れる前に透き通ったプルプルのものを入れていたので、「何ですか?」と聞くとコラーゲンですと答えてくれました。こりゃ、女性に人気の出るお店だなと思った次第。底にふぐが入り、その上に白菜やらの野菜がふんだんに入ったので、見た目は野菜鍋です。


渋谷玄品 コラーゲンいりのてっちり 2023年3月9日

 〆は「ふぐ雑炊」でしょう。卵を注ぎ口が四つも付いた柄杓(ひしゃく)に入れ、掛け回すと見事にご飯に卵が筋状になってまとい付きます。技だねえ~。


渋谷玄品 ふぐ雑炊 2023年3月9日

 最後はナッツの入ったアイスクリームを食べて、「ふぐは季節ものだねえ」と分かったようなことを言い、美味しく帰りました。

※昔はふぐ毒が怖かったので、当たると死んじゃうと言う意味で「鉄砲」と言われていました。「てっぽうのさしみ」を「てっさ」と呼びました。松尾芭蕉の句の「あら何ともなや きのふは過ぎて ふくと汁」ってのは洒落が強すぎますね。


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