鶴岡市加茂港北防波堤燈台
日本土木工業会の「長井ダム※
015長井ダム見学
」に参加した時のこと、せっかく山形まで行ったのだから、ついでに鶴岡まで行ってみようということで、かの地を訪れました。
うさおは、藤沢周平の世界を見に行き、caccoはかの地にあるミスチル御殿とアルバムの撮影地である加茂港の燈台を見に行くことにしました。※
016山形鶴岡
ミスチルの撮影場所となったのは、「加茂港北防波堤燈台」と呼ばれる小さな地味な灯台です。近くに、「荒埼灯台」という本格的な灯台や趣のある「加茂港西防波堤燈台」があるのに、ミスチルはなぜこれを選んだのでしょう。
地味なバンドですね。
加茂港は鶴岡の湯野浜の南西側にある岬のところにあります。小さな漁港で車なら見逃すと直ぐ通り越してしまいます。この港は江戸時代には、庄内藩の鶴岡外港として繁栄したのだそうです。
しかし、明治になり地方に鉄道網が発達すると、その存在意義がなくなりさびれてしまいました。ここには、クラゲが鑑賞できる鶴岡市立加茂水族館があるので、見落とすことはないでしょうが。
昭和五年に湯野浜温泉まで庄内交通湯野浜線が開通されると、漁業組合は加茂港に水族館を建てて客を誘致しようとします。しかし、大東亜戦争の時には兵士の鍛錬場になり中断、戦後も学校の校舎に使われるなど紆余曲折はありましたが、市民の要望が多くめでたく鶴岡市の施設になりました。私たちは燈台に行くのに目が行っていて、水族館なんてと見に行きませんでした。
2008年に下村脩さんがノーベル化学賞を受賞し、その研究対象となった「オワンクラゲ」を展示出来たのは、この水族館しかなかったので、一躍脚光を浴びることになったのです。
でもね、うさお達が出かけたのは2003年のことで、脚光を浴びる5年も前の話なので、さびれても致しスルーしても仕方なかったよね。(先見の明がない人たちだなあ)
さて、加茂港北防波堤燈台の諸元は以下の通りです。
位置 北緯 38度46分00秒
東経 139度43分08秒
塗色構造 白塔形
光り方 等明暗緑光
明3秒暗3秒
光の届く距離 8海里
高さ 地上から灯台頂部 10メートル
水面から灯火 約13メートル
初点灯 昭和39年10月
加茂港北燈台 防波堤より国道112号を望む 2003年6月22日
加茂港北燈台 突堤を望む 2003年6月22日
加茂港北燈台 至ってシンプルな形状 2003年6月22日
この燈台の形は見たことがあるぞ。そうだ、剱埼燈台の近くにあった間口港灯台にそっくりだ。
剱崎燈台 間口港燈台 2004年6月27日
剱崎燈台 間口港燈台 2004年6月27日
気を取り直して、灯台の周辺を見てみましょう。
加茂港北燈台 造りたてのテトラポッド 2003年6月22日
加茂港北燈台 岸壁より燈台を望む 2003年6月22日
加茂港北燈台 何だかこれはこれで絵になる 2003年6月22日
ここには、役目を終えた燈台も港内にありました。赤い色塗られた加茂港西防波堤燈台です。この燈台の方が趣があるので、廃墟マニアの桜井君はこっちの方がお好みだと思うぞ。
遠景ですが、クレーンの右の突堤に赤い燈台があるのはお気づきでしょうか。
加茂港西防波堤燈台の諸元は以下の通りです。
位置 北緯 38度45分08秒
東経 139度44分00秒
塗色構造 赤塔形
光り方 連成不動群閃赤光
毎8秒に2閃光
光の届く距離 7海里
高さ 地上から灯台頂部 8.6メートル
水面から灯火 約11メートル
初点灯 昭和37年10月
加茂港西燈台 2003年6月22日
加茂港
西
燈台 加茂漁港 2003年6月22日
加茂港
西
燈台 使われていない燈台です 2003年6月22日
加茂港
西
燈台 少し寸が足りない? 2003年6月22日
加茂港
西
燈台 海が湖のようだと情感がある 2003年6月22日
岬の先端に立つのは、光量が大きい本格的な海の安全を守る燈台ですが、残念ながら心、思い致さず1枚の写真しか残っていません。残念です。形は防波堤にあるものとさほど変わってはいません。それもその筈で、明治に建てられたものは「燈柱」だったので、昭和28年に現在のものに改築されています。
荒埼燈台 配置図 googleより
荒埼燈台の諸元は以下の通りです。
位置 北緯 38度45分08秒
東経 139度43分04秒
塗色構造 白塔形
光り方 単閃白光
毎5秒に1閃光
光度 5,600カンデラ
光の届く距離 12海里
高さ 地上から灯台頂部 12.0メートル
水面から灯火 約33メートル
初点灯 明治36年1月
荒埼
燈台 山の上の燈台がそれです 2003年6月22日
加茂水族館 正面 2003年6月22日
加茂港北燈台 駐車場はガラガラ 2003年6月22日
加茂港の脇を通る国道112号線に、奇妙な洞窟があります。今も使っているようですが、天然の洞窟のようで、地層に沿って穴が開いており、物置に使われているようです。突き出た山を穿ち、国道を繋いでいます。戦時中に防空壕として使われていたのかも知れません。
加茂港の洞窟 何やら穴が開いている 2003年6月22日
加茂港の洞窟 手前に車の轍がある 2003年6月22日
加茂港の洞窟 人口のものではなさそうだが 2003年6月22日