泣きたい夜の甘味処
       中山有香里 読後感 
 

                            うさお

 MIlkyさんから三冊の本をお借りしました。そのうちの一つがこの本です。
 奥付きを見ると、作者の中山有香里さんは奈良在住の看護師兼イラストレーターで、大谷さん並みの二刀流の人らしい。
 レシピの制作は別の人で、中村りえさんです。管理栄養士、米粉料理家で講師やコラム執筆など多岐の才能のある人です。

 Caccoと「最近の若い人はみんな綺麗ね」とよく話していますが、お二人とも若くて才能溢れる方です。羨ましい。

 さて、漫画は熊と鮭が経営する甘いもの屋さんです。夜しか開いていないお店は珈琲と甘いもの一品を出します。

 読む人はつい泣いてしまいます。そういうところが仕掛けられているみたいでとは、MIlkyさんの弁。いいじゃないですか。乗ってあげましょうよ。泣いちゃいましょう。

 でも最近の人は自分の本筋はきっちり抑えながら、趣味は趣味で生かすのが上手いなあ。

表紙

中山有香里さん
  近頃、自分も入院することがあって、看護されて初めて看護する人の苦労が判りました。夜中でも見守ってくれるのね。事柄は理解していますが体験してみると、その有難さが分かります。

 歳をとると食べるものにあまり興味を失っている自分がいます。でも、温かいものを飲んで、甘いものを食べると何かほろっとするものがあるのかも知れない。

 食べるものにもっと興味を持たなくちゃなあ。



中村りえさん


 目次を見てみると、エピソードの隣に薄緑色のマーカーが付いているところがあります。この部分がレシピ付きのところです。

 レシピとエピソードをどのようにして組み合わせているのか興味のある所です。お菓子好きな人はレシピ通りに作れるのかも知りたいところでしょう。

 例に「会社を辞めたOLさんといちご大福」の項と「さつま芋とミルクアイスのパフェ」のレシピをとってみましょう。












目次

  絵はどちらかというと「ほんのり」系の絵です。背景もしっかり書き込むタイプではないようです。確かにこの絵でしっかり背景を描かれると、この「のほっ」とした味わいが損なわれそうです。

 最近各地で熊被害が話題になっていますが、この店長の熊さんは従業員の鮭さんを食べたりしなさそうです。分からないけど。
 棚の上の皿、壺、土瓶が、この店が和喫茶(または甘いもの屋さん)であることを匂わせています。それゆえ、出てくる甘いものは「和のテイスト」が感じられる一品(ここではいちご大福のようなもの)が出てきます。


店内

 「さつま芋とミルクアイスのパフェ」のレシピを見ると、大学芋、干しあんず、黒糖わらび餅、みたらしソースと和の食材が満載なのだ。大学芋の乗ったパフェがどんなものなのか食べてみたい気はするけれども、今のところ、お医者様から自粛を促されている食べ物です。後一カ月も我慢すれば食べられるようになると思うので、じっと我慢の子です。


レシピ

 ともかくも一家に一冊あって良いかなと思わせる本ですね。

中村りえさんの写真
https://komeko-oyatsulabo.com/profile/
中山由香里さんの写真
https://book.asahi.com/article/15005483