81号の書感(うさお)
表紙
Caccoと友人が日本橋の三越に行きました。ここには大きなアトリウムが存在します。古色蒼然とした装飾が大正・昭和の古き良き時代を彷彿とさせます。嫌いじゃないですね。昔の人は建築も土木も遊び心があったのか、色々な意匠を仕掛けています。
今の時代のように、経済性を重んじてぎりぎりの限界設計を推進していると、このようなお遊びは出来ません。
例えば土木で見ると、新橋から神田・お茶の水に至る煉瓦高架橋に、装飾のメダリオンが付いています。
煉瓦架道橋 2015年7月4日
煉瓦架道橋 有楽町中央口架道橋 メダリオン 2015年7月4日
建築では東京駅の丸の内口のドームには創成時のレリ-フがそれにあたりますね。
東京駅丸の内口ドーム 八匹の動物のレリーフがある 2015年7月4日
スタンダードな日常から⑬
Tomy jr.さんの趣味の一つ、プラモ作りの工夫を述べられています。氏のブログを見るとお城のプラモも作っているようです。今回はわたしたちが大好きなゴジラ-1.0から題材をとって、戦後の駆逐艦雪風を忠実に作っています。いやあ、嬉しくて涙が出るなあ。船側鈑のベコベコになっているところも忠実に表現されています。ここまで拘ると何か清々しい。そう言えば氏のプラモのお師匠さんは、若い美人さんなので、これはうさおが弟子でも授業に力が入るなあ。
駆逐艦 雪風
Tomy jr.さんに倣って駆逐艦雪風が、今の自衛艦ならどれに相当するか検証してみました。横須賀軍港の見学と、観艦式の時の写真をベースに判る範囲でこじつけて見ました。もちろん、搭載されている兵器の性能は格段の差がありますが、戦艦の形状は(特にシルエットは)意外に変わっていません。当たり前か。
映画評 フェラーリ
自動車は好きでしたが、金銭上の理由で外車に乗ったことはありません。ましてやフェラーリなんて夢のまた夢です。大学時代にはイタリア車が持て囃される風潮がありました。そのせいか「日産ブルーバード」や「いすず117クーペ」は、イタリアのカロッツェリアにデザインを発注していました。イタリア車はエンジン音が乾いた音を立てていたので、うさおはあまり好きではありませんでした。だからお金が無くて買えなかったんだってばっ。
点景⑧ 蓼科のマス
蓼科東急リゾートは勤めていた会社の保養施設として、一室を借り上げられていた時に行ったことがあります。ここを建設している最中にも室間の遮音確保の施工管理で泊まり込んでいた時もあります。今ほど熊や猪の獣害に会わない時代でしたので、辺りの森に入り込んでお金持ちの気分を味わっていました。
ビーズな毎日 改め 千の織り③
和と題するビーズの数々を展示しています。和テイストというと歌舞伎からの題材が多いのか、暫や阿古屋をモチーフにしています。阿古屋とは壇ノ浦の合戦の時の遊女の名前です。なので、ビーズ織の阿古屋のような入山形に二つ星、みたいな吉原遊廓の花魁装束はしていません。歌舞伎の世界では馴染みのある花魁を真似て観客に見せたのでしょう。この当時の遊女は白拍子と呼ばれ、太刀を佩いた男装の麗人ですので、髷も大垂髪(おおすべらかし)で後ろに垂らしています。恋人の悪七兵衛景清の行方を問われ、琴、三味線、胡弓を弾く責めを受けます。楽器を弾くことが拷問なのかな?
TICAさんからアマビエ様のチャームをコロナの時に戴いております。今でも神棚に供えています。いやっ、神様なんだから供えちゃダメでしょ。
点景⑨ 袖ヶ浜防風林
風光明媚な平塚にも開発の波は押し寄せ、歴史のあるプールや年代物の防砂林もバッサリ伐採されました。(「バッサリ伐採」って語感が良いですね、韻を踏んでいるみたいで)整地された土の上に残っているキャタピラ跡が何か惜感がありますね。
個展 深堀雄一
深堀雄一氏は馬場町の配水塔の画家、深堀富美子氏のご長男です。(ご次男が洋二氏です)母上の画才を受け継ぎ見事な絵を描かれています。父深堀佐市氏も雄一氏、洋二氏も東大を卒業されているご一家です。それでいて画才もあるのですから、文武両道、今で言う二刀流ですね。羨ましい限りですね。「終わりのはじまり・・・」でも判るとおり、氏は思想家であり、学者肌の人であっただろうと思われます。この文章はなかなか考えさせられる処が多く、短い文章ながら引き込まれます。
点景 一葉の葉書から
雅子さんは深堀雄一氏や洋二氏の妹さんです。お母様の絵の才能を一番色濃く受け継いだ方なのでしょう。ほんのスケッチの中にもやさしさと、類まれな感性を感じられます。
Caccoも感心していましたが、書簡や絵葉書の何気ない装飾にセンスの良さを感じられます。特に線描画が大変洒脱です。描けないなあ、うさおには、こんな風には、なかなか・・・。
カフェ タートル
家の近所にあるカフェですが、幟が立っているときにお店が開いています。土日はお休みですし、10時~16時までしか営業されていませんので、行くときには注意が必要です。障害者の方が接客をされているので、負担の無いように配慮されているんですね。基本ホットサンドがメインです。珈琲をつけても650円程度。コスパ良いと思います。お客さんは老年の夫婦か子供連れの奥様方が多いです。
入江ガーデン カフェ
横浜線は入江町のあたりで大きく地盤が下がるので、盛土軌道になっています。その横浜線と入江川にはさまれた処に喫茶店があります。普通の民家を改造してお店にしています。まさにアットホームという言葉通り。靴を脱いで家に上がるところが、友人のお宅にお邪魔したみたい。特に和室でお茶するときはまったり感満載だね。(くどいようですが「まったり感満載」って韻を踏んでいるみたい。)
鹿鳴館
ここの店主のおじさんの時代から通っています。大口商店街から一歩入った住宅街の中にあるので、場所が探しにくい店でもあります。それに店の前の樹木が鬱蒼として看板が見えないんですよ。これっ、伐った方が良いと思います。店内はマホガニー調の棚やカウンターで揃えられています。おじさんが亡くなってからは娘さんが跡を継いでいますが、年月が経っているので椅子の座や背の布が解れてきています。同じような柄、色調で張り替えたら莫大なお金が掛かりそうだなあ。この店は「横濱の喫茶店 ぴあMOOK」に載る名店です。
Vocaloidって何?
この間、NHKの新プロジェクトXを見たら、剣持秀紀さんが出演していました。その時に音源ソースを繫いだだけだと、音の識別がし辛いと述べていました。合成音の時系列波形に少しの間を入れると言葉が明瞭になることが判ったと述べていました。これは凄い発見だと思います。音の繋がりを滑らかにするなら言葉の干渉する部分も含めて合成するのがベターだと思っていました。違うんだぁ。この技術は駅のアナウンスや車中のメッセージも多様に使える技術だと思います。
宮越家のステンドグラス
いやあ、何時の頃からか小川三知が好きになって、彼の遺作のステンドグラスを見に行きました。行き始めると他の作品も見たくなり、ご近所の小川三知作品を調べ始めました。地方の小川三知作品は交通費や宿泊代も掛かるので、お安く行けるご近所が選択肢です。しかし、ついに最高傑作と言われる「宮越家」に行ってきました。研究者の田辺千代さん、絶賛の宮越家です。倅の嫁さんが青森の生まれなので、縁故を頼って行かせてもらいました。ワクワクしましたね。
宮越家の襖絵
こういうのは何ていうのでしょう。「シンクロニティ?」というのでしょうか。行く予定の一カ月前に、朝日新聞や東奥日報で宮越家の襖絵を取り上げました。大英博物館やシアトル美術館に所蔵されている襖絵と対をなすものだという事が推測されたのです。この発見にも田辺千代さんが関わっています。いいなあ、研究者としては本望だなあ。
宮越家の庭園
現地の案内をしてくださったのが、倅の嫁さんのおじさん(?)です。お住まいは陸奥なので江戸時代なら南部藩です。宮越家は津軽中里・五所川原なので津軽藩です。昭和までお互いに何かと張り合っていたと聞いています。申し訳ありません、則雄さん。大石武学流庭園、枯山水庭園、池泉庭園の三つの庭園で構成されていますが、うさおは「大石武学流」というネーミングがごつくて気に入りました。こういう語感が好きです。うさおの家は真言宗なのですが、真言宗は智山派と豊山派に分かれます。このネーミングも好きです。
山百合
鶴見駅東口の一角にこの喫茶店はあります。この辺りは比較的猥雑だったところで、すぐ近くに三本立て映画館やストリップ劇場がありました。稲川会系や山口系暴力団同士の銃撃戦もうさおの若い時にはありました。今はそんなことがあったことなど微塵も気配がありません。山百合の近くに「グリーン○○」という有名な鉄道模型屋さんがありました。メルクリンの模型が当時、30万円近くもして吃驚しました。
点景 我孫子の友人
我孫子の友人は大学時代からヘビースモーカーで、唇の端に煙草を咥えて建築の意匠設計図を描いていました。卒業後は大手不動産会社の設計部に勤務し、如何にも建築家ですよという雰囲気を漂わせていました。胸を患ってから煙草は一切喫わなくなりました。東京に出るのも辛いという事で、我孫子に会いに行きました。本当は手賀沼まで歩いていき豊かな田園風毛を見せたかったようです。申し訳ない。うさおが遠くまで歩けないんです。
点景 ショッピングモール
ニシサンのお宅は駅の南側にあります。繁華街は北側です。閑静な住宅街にお住みなのですが、いかんせん、お買い物が不便です。それが目と鼻のところにしょっピン・モールが出来たんです。便利ですね。食料品から家電品まで全て手に入ります。ただ、自動車が周辺に滞留して駅の反対側に行く道路が混むんだろうな。
点景 COP29
うさおもCOP(気候変動枠組条約締約国会議)に出かけたことがあります。鉄道関係の建設コンサルに転職した直後です。あれから20年も経ったのに、未だCO2の削減は達成されていません。トランプ大統領のせいでこれからますます増加していくでしょう。あの当時も中東では戦争が続いており、欧米では自爆テロが頻発していました。トランプさんはロシア・ウクライナ戦争を停止させるといったが、今度はその仲介を辞めるといいだす始末、世界は大丈夫かな。
読書評 昭和16年夏の敗戦
「日本必敗」を導き出した総力戦研究所は当時の内閣に訴えるが、情勢は変わらず日本は戦争に突入してしまう。明治大学登戸キャンパスに帝国陸軍の登戸研究所があり、防諜・諜報・謀略(破壊・撹乱活動・暗殺)・宣伝(人心誘導)を研究していました。頭の良い人が多く働いたのだろうが、時流に流されていたんだろうな。戦争遺跡を見る度に、これらの攻撃力では勝てないだろうという想いが何時もします。うさおもよく色々な力に流されていましたので身に詰まされます。

明治大学 登戸研究所 風船爆弾 2014年8月14日
今夜はシングルモルトウィスキーで! 総集編
シングルモルトウィスキーだけでこれだけの長編を書きあげるのは大変なことです。執筆時間も5クールほど連載してるので1年を優に越しています。それにしてもウィスキーの種類が多いことと、日本のウィスキーのお値段が高いことには驚かされます。うさおは下戸なのでウィスキーの味は判りません。友人たちが香りを楽しみながらオンザロックを飲むのをぼんやり眺めていました。ただ粘度の違いで溶けた氷水に段層が出来るのを旨そうだなあと感じていました。
2025年3月発行 (多分ね)
発行人 読書を楽しむ会
表紙 cacco
製作 M“s factory