鳩山会館の小川三知　　2022年5月31日　

　2022年5月31日に「クラブツーリズム」の「稀代の芸術家・小川三知の東京ステンドグラス探訪」に参加しました。。
　小川三知のステンドグラスの代表作と言えば、この鳩山会館があげられます。当時の小川三知の世間的な評価は知りませんが、著名な工房「小川スツヂオ」の代表工藝人として知られていたと思います。今ではそのステンドグラスの価値はいくらになるかは見当もつきません。数億になるの数十億になるのか、途轍もない額でしょう。

　さて、鳩山会館なのですがどんな謂れのある建物なのでしょう。当会館のパンフレットには、
「鳩山和夫が音羽に居を構えたのが明治24（1891）年でした。鳩山一郎により洋館が完成したのは大正13（1924）年。そして平成7（1995）年、現代の最新技術を駆使して大改修を行い、建設当時の面影を忠実に再現し、歴代の実績を紹介する記念館機能と集会機能を兼ね備えた会館として生まれ変わりました。」とあります。鳩山一族の私邸であり、2000坪の敷地に建つ洋館は、音羽御殿と呼ばれました。

小川三知鳩山会館　門南側　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　門北側　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　会館の由来　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　会館の由来　2022年5月31日

鳩山家の建物
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　東京大学教授（近代建築史）　藤森照信　
　文京区の音羽の丘に鳩山邸の美しい洋館が姿を現したのは、関東大震災の翌大正13年である。
　鳩山家は、衆議院議長の和夫（1856～1911）、総理大臣になった一郎（1883～1959）、外務大臣をつとめた威一郎（1918～1993）、さらに衆議院議員の由紀夫（1947生）、邦夫（1948生）、と四代にわたり指導的な政治家を生み育てた。
　この洋館を建てたのは一郎で、ここを舞台に、戦後政治の画期となった自由党（現・自由民主党）の創設が計られ、また首相として決断した日ソ国交回復の下準備も行われている。　
　設計を手がけたのは一郎の友人の岡田信一郎（1883～1932）で、大正・昭和初期を代表する建築家として知られる。
　一郎の没後、傷みがひどくなったけれど、このたび大修復を加え、往年の輝きを回復した。修復に当たり、一郎、その夫人で教育者の薫、威一郎を記念する部屋を設け、公開されることとなった。バラの庭を前に建つイギリス風の外観、鳩をモチーフとするステンドグラス、アダムスタイルの応接室、朝倉文雄作の和夫、春子夫妻像、などなど見るべきものは多い。

　鳩山会館には、多くの動物のオーナメントが存在するようです。どなたかが大変動物好きだったのでしょう。

小川三知鳩山会館　門扉のオーナメントは鳩３羽　2022年5月31日

　鳩山会館の玄関までの径が、結構な急坂なのだ。ツアーに参加の皆さんはすたこらさっさと軽快に登っていくが、うさおとＭ上さんは見事に出遅れている。
　参加者20名のうち、男性はうさおとＭ上さんともう一人の３人で、後は全部女性でした。またその女性陣の小川三知に関する知識は深く、会話の端々から小川三知のゆかりの場所に赴くのも、今回が初めてではないようです。
　いっとき、見学ツアーの女性が一眼レフカメラをお持ちの姿をよく見かけましたが、最近は携帯電話か小型カメラになりましたね。スマホの性能が上がりましたからね。

小川三知鳩山会館　出足が遅れます　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　辿り着いた玄関　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　建物全景　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　結構大きな英国風建物です　2022年5月31日

　パッと目に気付いたオーナメントは、鳩と鹿と梟ですね。

小川三知鳩山会館　鹿です　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　鳩です　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　梟です　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　これは・・・違うでしょうね　2022年5月31日

　小川三知の世界は、このエントランスホールから始まります。このボールト様式の天井から雰囲気を醸し出します。赤いカーペットを昇り詰めると、ロビーになります。アーチ型の玄関扉の上には、ハトのステンドグラスが出迎えてくれますね。
　うさおは出遅れたために、説明を聴いていませんでしたが、玄関扉にはいかにも英国風の格子が嵌め込まれています。

小川三知鳩山会館　玄関燈　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　レッドカーペット　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　ここにステンドグラス　2022年5月31日

　ギリシャ風円柱と鳩が沢山います。作風が小川三知より明るいなと思ったら、大村友雄のデザインでした。19羽のハトがいます。玄関の扉の格子には、バラのレリーフがステンドグラスっぽく付いています。

小川三知鳩山会館　ハトが山のようにいます　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　玄関扉のバラのレリーフ　2022年5月31日

　本日の説明は支配人さんにしていただきました。ここの照明も凝っています。

小川三知鳩山会館　ロビー燈　2022年5月31日

　第一応接室は見学者のための紹介ビデオが流れています。第二応接室とは扉一枚で隔てていますが、音は聞こえてしまいますね。ここは普段は応接間として使われていたそうです。
　西側の窓の左側のステンドグラスは、補修の際に小川三知でも大村友雄でもないイニシャルが焼きづけられています。※「小川三知の世界」に記述

小川三知鳩山会館　応接室　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　応接室のシャンデリア　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　西側壁面右側　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　西側壁面左側　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　別人のサイン　2022年5月31日

　第二応接室は居間として使われていました。ここの欄間に花のデザインのステンドグラスがあります。右側の端は花、次は花に鳥(鶺鴒？)、次は花、左端も花です。何の花だろう？

小川三知鳩山会館　居間のステンドグラスとシャンデリア　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　居間のステンドグラス　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　居間のステンドグラス　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　居間のステンドグラス　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　居間のステンドグラス　2022年5月31日

　三間続いた部屋の折り戸を開けると、大きな続き部屋になります。ここは食堂で、ここにも三知の作になる欄間が施されています。題材はライチだそうですが、手が込んでいますね。

小川三知鳩山会館　食堂　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　食堂の欄間　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　食堂の欄間　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　食堂の欄間　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　食堂の欄間　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　食堂の欄間　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　食堂の飾り棚　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　食堂のテーブル　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　食堂のスチームとテレビ　2022年5月31日

　内玄関の上に位置する階段の踊場に五重塔のステンドグラスがあります。これは一番大作で重要な作品です。五重塔が立体的に見えるのは、2枚のステンドグラスを重ねて奥行を出すという工夫をしています。小川三知のほかの作品にも同じ技法が使われていますが、これが一番力作ではないでしょうか。

小川三知鳩山会館　ロビーの照明　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　五重塔　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　五重塔　２枚の色硝子　2022年5月31日

小川三知鳩山会館　外に飾られていた鹿の原型　2022年5月31日

　２階にあった三つの寝室を、一つにして大広間を造りました。天井が高いので圧迫感はあまり感じません。この部屋の窓から大きな庭が良く見渡せます。
　鳩山会館はバラが有名ですが、この時には躑躅か満天星が咲いていました。鳩山一郎氏と鳩山和夫・春子夫人の像が飾られています。