深川界隈  2013年5月5日


 深川江戸資料館は、江戸時代、深川佐賀町の町並みを再現した展示室があります。建物の中に江戸の町がジオラマで造り上げられています。
 これが結構楽しめました。
 うさおは古典落語を良く聞いていたから、江戸の文化の事も何となく理解している積り、それよりも子供の時に見た大川橋蔵や、中村錦之助、市川雷蔵らの映画の方が記憶に残っているんだろうな。
 池波正太郎の小説には「江戸の小ネタ」が沢山出てくるので、江戸文化を踏まえていないと、理解しにくいぞ。


深川界隈 資料館の前は普通の町並 2013年5月5日

深川界隈 資料館入口 2013年5月5日

深川界隈 ワンコがお出迎え 2013年5月5日

深川界隈 内部のジオラマ 2013年5月5日

 確かに江戸時代の家並みはごみごみしていたけど、仕舞屋(しもたや)の間に商店が挟まっているような雰囲気なので、こんなにはせまっ苦しくはなかったと思うなあ。入って直ぐに八百屋さんです。


深川界隈 江戸の町 2013年5月5日

深川界隈 八百屋さん 屋根の杮葺きに草 2013年5月5日

深川界隈 八百屋の店先 2013年5月5日

深川界隈 奥には漬物樽がならんでます 2013年5月5日

深川界隈 この鶏は何だろう? 2013年5月5日

 足で搗く杵と臼があるので、ここはお米屋さんなのでしょう。籾米を搗いて七分搗きだの白米にするのは結構時間が掛かるものらしく、ご近所には振動障害を与えていたらしい。落語の中にも、死んだ女房の後添えに仲の良かった妻の妹を娶ったが、程なくこの妹も他界をしてしまいます。
 仏壇に姉妹の位牌を並べてお祀りをして置くと、朝には仲違いをするように背を向けてしまいます、何度正面に向けても朝には背中合わせが続き、亭主は困惑してしまいます。この原因は、お察しの通り、米屋の搗く足踏み杵が問題でした。棟割長屋なので、お隣さんとは構造体が共通しているので、振動が伝わり易かったのです。


深川界隈 米搗き器 手摺につかまって足踏みをする 2013年5月5日

深川界隈 煮炊き用の竃(へっつい)ですね 2013年5月5日

深川界隈 お米屋さんらしく俵が積んであります 2013年5月5日

 深川と言えば近くに小名木川などの運河が通っており、深川芸者がいる花街があって、当時の交通手段として猪牙船や屋形船が主流でした。船は船宿が船頭さんとともに所有しており、二階や小上がりの座敷に芸者を呼ぶことも、飲食も出来ました。川遊びや遊里への送り迎えに重宝されたようです。料理の腕が自慢の船宿も存在したくらいです。


深川界隈 船着き場 2013年5月5日

深川界隈 船宿相模屋さん 2013年5月5日

深川界隈 船宿舛田屋さん 2013年5月5日

深川界隈 台所の火の要愼 荒神様の社 2013年5月5日

 ここは粋筋のお宅でしょうか、壁には三味線が掛かっており、明神に御神燈と注連縄、鳥居まで飾ってあります。十手でも置いてあれば、岡っ引きの家で、出かけるときはおかみさんが切り火をしてくれました。ですから、燧石と火打金は必須のものです。まあ、これが無いと、竈に火は入れられないし、煙草に火もつけられません。


深川界隈 神棚に御神燈、三味線 2013年5月5日

 職人や雇われ人などの間取りでしょうか。都都逸に「九尺二間に過ぎたるものは紅の付いたる火吹き竹」と言うのがあります。九尺二間とは、1.5間×2間で3坪(六畳一間)のこと。土間に商いの道具はありますが、寝泊まりはこの畳の部屋、一間です。
 障子一枚の建付けですから、隙間風は入り放題、寒かったでしょうね。昔は傷寒論と言う医学論があり、当時亡くなった人の大部分が、傷から入る破傷風と、寒さによったというものです。


深川界隈 長屋の一間 ぼて振りかも 2013年5月5日

深川界隈 一坪の庭があり、植木を植えた 2013年5月5日

深川界隈 枕屏風の陰に寝具などを隠した 2013年5月5日

深川界隈 通路の板はどぶの蓋で縦横に通っていた 2013年5月5日

深川界隈 声なんかは隣近所に筒抜けさ! 2013年5月5日

 江戸時代のものを幾つか撮ってきました。天水桶、これは江戸時代の防火用水です。長屋にあった井戸は、玉川上水から木筒管を土中に埋め込み、各井戸枠に繋げたもので、今の上水道に近いものです。だから長屋の前のどぶの水は、井戸には一応流れ込まない仕組みにはなっていましたが、疫病が流行ると、バッタバッタと倒れていきます。日本で初めて横浜に水道が出来てから、各地にも水道が普及し、疫病で死ぬ人が激減しました。


深川界隈 天水桶 2013年5月5日

深川界隈 屋台の天麩羅屋さん 2013年5月5日

深川界隈 葦簀掛けの茶屋で団子、茶を振舞った 2013年5月5日

 深川江戸資料館は、大変、面白うございました。町の通りにも、常夜燈がしつらえてあり「深川江戸資料館」のロゴがありました。


深川界隈  2013年5月5日


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