愛岐トンネル群 秋の漫歩 2017年12月2日
今回は整備が完了している3、4、5、6号のの4基のトンネルと、紅葉を見ることが出ます。
NPOから、2017年の報告が上がっていました。引用させて頂くと、
「2017年 秋の特別公開」が終わりました お礼
11月25日から12月3日までの9日間、愛岐トンネル群秋の特別公開を開催いたしました。公開を実施して10年。春秋あわせて20回目 というメモリアルな開催を迎えることができました。今回の公開では、期間中なんと過去最高の 25,263人という入場者にお越しいただき ました。また最終日の3日には入口から定光寺駅まで300mにも及ぶ長蛇の行列ができてしまい、入場まで30分近くお待ちいただいたことに 深くお詫びいたします。
東海地方で秋の季節最後に紅葉をめでることができるところとして新たな評価をいただき報道いただいた新聞・テレビや雑誌社など多くの マスコミ各社、また快速電車を臨時停車して乗客の利便を図っていただいたJR東海、また共催いただいた地元商工会議所や観光協会の方々に 心より厚くお礼申しあげます。
最後に、10年・20回を迎え、累計200,987人もの全国各地よりご来場いただいた多くの市民の皆さまに深謝申し上げます。皆さま方の 温かい無言のご支援を深く心に刻み、会員一同、この地域の宝をさらに磨き上げるべく、ますます精進させていただくことを 誓わせていただきます。
愛岐トンネル群保存再生委員会 理事長 村上 真善 会員一同」
何と今年だけで2万5千人も見学に来たんだ。
定光寺の駅に着きました。片側は山で、反対側は土岐川の渓谷が望めます。名古屋の街から30分位の処なのに、急峻なすごい山間に来た感じです。
愛岐トンネル群 定光寺駅 いつもは無人駅 2017年12月2日
愛岐トンネル群 定光寺駅全景 2017年12月2日
駅の降り口は、ホームの真ん中にある下り階段を下りていきます。まるで、黒部渓谷の駅のようです。
今日は、愛岐トンネル群の見学者が来るので、臨時の駅員さんが来ています。
愛岐トンネル群 山間部とあって駅の出口まではトンネル 2017年12月2日
愛岐トンネル群 この日は特別に臨時駅員さんがいます 2017年12月2日
一般道に繋がる階段が高いなあ。
愛岐トンネル群 トンネル群に向かう線路沿いの道 2017年12月2日
愛岐トンネル群 駅ホームに登る階段 急です 2017年12月2日
愛岐トンネル群 駅全景 2017年12月2日
愛岐トンネル群 紅葉は今が盛りです 2017年12月2日
caccoが行きたがっていた「喫茶玉川屋」に向かいます。まず、一息入れてからと言うことで。
土岐川の水を取水した用水路の上に、お店はありました。喫茶と珍しい石を売っています。5人も入るといっぱい、いっぱいのお店で、若い娘さんがお店を守っています。
この娘さんが大変面白い人で、お父さんの石の趣味に合わせて、自分も陶器やアクセサリーを作っていて販売しています。
三葉虫の化石や砂漠の薔薇石、紋石、珪化木を販売しており、鮫の砂糖入れが可愛いと褒めましたら自分の作だと嬉しそうでした。
色々、このあたりの情報を聞きこみます。「千歳楼」は大きなホテルだったが、ある日社長が夜逃げをし、何も知らない従業員が出勤して吃驚した話や、向こう岸に渡るアーチ橋「城嶺橋」の電球が誰かに盗まれた話など、娘さんの丁寧な口調の会話の中で繰り広げられ、何か不思議な雰囲気を醸し出していました。
この玉川屋さんは、大正時代におばあちゃんが創めたものだそうで、思ったより年代の入ったものでした。確かに歴史を感じさせます。
喫茶玉川屋
愛岐トンネル群 喫茶玉川屋 2017年12月2日
愛岐トンネル群 玉川屋店内 不思議な看板娘さん 2017年12月2日
愛岐トンネル群 店内の石の売り物 三葉虫? 2017年12月2日
愛岐トンネル群 娘さんの作った鮫 砂糖を咥えている 2017年12月2日
愛岐トンネル群 娘さんがケサランパサランと教えてくれた 2017年12月2日
愛岐トンネル群 お店の前のこけし? 2017年12月2日
愛岐トンネル群 NPO事務所の前の機関車のレリーフ 2017年12月2日
ホテル千歳楼
千歳楼は確かに廃墟でした。耐圧ガラスが投石によって破られています。ここは心霊スポットにもなっているとの話ですがさもありなん。川に面した窓もことごとく破られているし、露天風呂であったろう処も崩れ落ちています。
愛岐トンネル群 千歳楼と看板 2017年12月2日
愛岐トンネル群 ホテルの側面 割れたガラス 2017年12月2日
愛岐トンネル群 ホテルに捨てられた廃車? 2017年12月2日
愛岐トンネル群 いかにも怪しい千歳楼 2017年12月2日
愛岐トンネル群 土岐川からホテルを望む 2017年12月2日
愛岐トンネル群 この露天風呂の廃屋感が堪りません 2017年12月2日
東海自然道
更に奥に進んでみると、東海自然道、愛知高原国立公園の入り口に出ました。鉄道の難工事で亡くなった方を慰霊する「死有餘栄」の碑が建っています。
この小径の奥に、ものすごく赤く色づいた紅葉の木がありました。周りが薄暗いので、その色が際立って鮮やかです。すごい雰囲気のある場所でした。私たちの脇を通って、この遊歩道に一人行く中年男性が居ました。孤高の人のように厳しい顔つきでした。
愛岐トンネル群 遊歩道の先は御岳神社に繋がるようだ 2017年12月2日
愛岐トンネル群
玉野用水路改修記念碑 2017年12月2日
愛岐トンネル群 記念碑建立時 玉野の昔と今より 2017年12月2日
愛岐トンネル群 ここは国定公園です 2017年12月2日
愛岐トンネル群 ここにだけ一木、紅葉が 2017年12月2日
愛岐トンネル群 中央本線が通っています 2017年12月2日
愛岐トンネル群 旧鉄道橋 見事な煉瓦橋台です 2017年12月2日
愛岐トンネル群 「死有餘栄」の碑 2017年12月2日
城嶺橋
「城嶺橋」も大変素敵です。土岐川は岩石が連なる渓谷の感があります。
愛岐トンネル群 城嶺橋 上から 2017年12月2日
愛岐トンネル群 城嶺橋 道標 2017年12月2日
愛岐トンネル群 城嶺橋 2017年12月2日
愛岐トンネル群 城嶺橋 見事なアーチ橋 2017年12月2日
愛岐トンネル群 城嶺橋 県道の沢にもアーチ橋 2017年12月2日
愛岐トンネル群 定光寺駅を望む 2017年12月2日
愛岐トンネル群 城嶺橋 失われた橋燈 2017年12月2日
愛岐トンネル群 橋燈の元の形は多分これ! 2017年12月2日
愛岐トンネル群 城嶺橋 親柱 2017年12月2日
愛岐トンネル群 玉野の今と昔より 2017年12月2日
トンネル群へ3号トンネル
ようやく、愛岐トンネルに向かいます。急な階段を昇り、入場料100円を払えば後は自由行動です。これはなかなか良い制度です。やあ、それにしても人が多いなあ。
caccoが手漕ぎの井戸を見つけます。えっ、見ていない!、そんなのあったんだ。
3号トンネルに目を奪われていて、気が付きませんでした。
NPOの方が実物大の蒸気機関車の垂れ幕を、トンネルに掲げています。こんな感じで走っていたと云う風に、なかなかインパクトがあり圧巻でした。
更にトンネル内からこの幕を通して、外のもみじの景色を見ると、なかなか素晴らしい雰囲気です。
ここでもう一度、パンフレットからトンネルのみの地図を抜き出して、見たところを再確認しましょう。3号トンネルは、駅からほんの僅か歩いたところで全体の1/5にも満ちません。
愛岐トンネル群 路線地図のみ 当日のパンフレットより 2017年12月2日
愛岐トンネル群 トンネルの階段際にある煉瓦の破片 2017年12月2日
愛岐トンネル群 普段は閉ざされている急な階段を上ります 2017年12月2日
愛岐トンネル群 工事の時に使った井戸 枠は煉瓦組みです 2017年12月2日
愛岐トンネル群 3号トンネル入り口 2017年12月2日
愛岐トンネル群 実物大の機関車の垂れ幕 2017年12月2日
愛岐トンネル群 中から見ると紗が透けて紅葉が綺麗です 2017年12月2日
愛岐トンネル群 3号トンネル内 2017年12月2日
愛岐トンネル群 中に模型が展示してある 2017年12月2日
愛岐トンネル群 見事な造りの坑門煉瓦積み 2017年12月2日
愛岐トンネル群 落石か落雪の防護工 2017年12月2日
廃レールの刻印 八幡製鉄 75ポンド 第1種 1911年12月のもの 2017年12月2日
愛岐トンネル群 古レールの刻印の見方 2017年12月2日
愛岐トンネル群 廃線の残存物1 2017年12月2日
愛岐トンネル群 廃線の残存物2 2017年12月2日
愛岐トンネル群 竹林広場に出ます 2017年12月2日
そこには東屋があって横笛の演奏が行われています 2017年12月2日
愛岐トンネル群 ここも紅葉が綺麗です 2017年12月2日
4号トンネル
4号トンネルはほぼ3号トンネルと同じ長さで、造りはそっくりです。愛岐トンネルは、煉瓦積みのアーチトンネルなのに、どのトンネルも土被りが浅いように思えます。アーチ構造を成り立たせるには、土圧が均等に掛かることが必要ですが、坑口付近では何だか危うく見えるのですが、建設年度の古い煉瓦積みアーチトンネルが,このように保存されているのは珍しいケースなんだそうです。
4号トンネルを過ぎると、大もみじ広場に出て、滝や水車小屋、ゴリラの横顔の岩を眺めながら散策すると、マルシェ広場に着きます。
皆さんここで、お弁当を買って食べたり、お土産を買って一休みです。
「暗渠」という看板が出ていたのに、つい目の前の堰を軌道敷の盛土と思ってしまい、そこにある導水路を暗渠だと思ってしまいました。そこに煉瓦積みの暗渠の看板が出ているのにです。
今度、春の桜の時期にもう一度訪れてみたいな。
愛岐トンネル群 4号トンネルに向かいます 2017年12月2日
愛岐トンネル群 煉瓦が放射状に見えます 2017年12月2日
愛岐トンネル群 「ねじりまんぽ」は無いなあ 2017年12月2日
愛岐トンネル群 別世界への抜け道のようだ 2017年12月2日
愛岐トンネル群 4号トンネル出口 2017年12月2日
愛岐トンネル群 水の流れを利用した鹿威しが作られている 2017年12月2日
愛岐トンネル群 マルシェ広場 2017年12月2日
愛岐トンネル群 紅葉群 2017年12月2日
愛岐トンネル群 水車 2017年12月2日
愛岐トンネル群 希望の鐘を敲く少年 2017年12月2日
愛岐トンネル群 東山動物園のゴリラのシャバニー君の横顔 2017年12月2日
愛岐トンネル群 信号機、台座跡 2017年12月2日
愛岐トンネル群 木で作った動物たち 2017年12月2日
愛岐トンネル群 みんな一憩み 2017年12月2日
愛岐トンネル群 地ビールも飲めます この擁壁は堰でした 2017年12月2日
暗渠はなんで煉瓦積みではなくコンクリートなのだろうと、ずっと考えていました。これは暗渠ではなく、導水路、河原まで下りて見れば、すぐに本物の暗渠が見つけられたんですね。
愛岐トンネル群 暗渠と誤解した導水路 2017年12月2日
愛岐トンネル群 導水路の落とし口 底の脇に暗渠があります 2017年12月2日
5号トンネル
5号トンネルを過ぎると、煉瓦広場になります。ここは土日しか公開していません。今日は演奏会があり、多分「フィールド・オブ・フロンティアズ」の出演だと思います。caccoは男性ボーカルが好みだと言っていました。
この広場に大きな機関車の動輪が飾ってあります。脇の自転車のチェーンが動輪に直結しており、自転車を漕ぐとゆっくり動輪が回ります。子供たちに大人気で、並んで待っています。
5号トンネル内の退避壕に落ちている煉瓦にも、形が鮮やかな刻印が押してあります。6号トンネルの坑口近くのモミジ山の麓に、ここで使われていた煉瓦の刻印の一覧を展示していました。
最も興味があるところです。
愛岐トンネル群 5号トンネル入り口 2017年12月2日
護り稚児地蔵 地中から少女のレリーフが発見されお祀りしました 2017年12月2日
愛岐トンネル群 99mで少し曲がっている 2017年12月2日
愛岐トンネル群 退避壕 2017年12月2日
愛岐トンネル群 退避壕に落ちていた刻印煉瓦 2017年12月2日
愛岐トンネル群 5号トンネル出口 2017年12月2日
愛岐トンネル群 大きな動輪 2017年12月2日
愛岐トンネル群 この自転車で動輪を回します 2017年12月2日
愛岐トンネル群 演奏会が開かれていた 2017年12月2日
愛岐トンネル群 都合、4グループが一日中出演します 2017年12月2日
愛岐トンネル群 老若男女が集まって聞き入ります 2017年12月2日
愛岐トンネル群 刻印のある煉瓦の展示棚 2017年12月2日
愛岐トンネル群 あるある刻印が・・・ 2017年12月2日
愛岐トンネル群 これだけの種類があるようです 2017年12月2日
愛岐トンネル群 煉瓦の刻印の豆知識 2017年12月2日
愛岐トンネル群 トンネル坑口の上の煉瓦雨水樋 2017年12月2日
愛岐トンネル群 6号トンネルの上のモミジ山 2017年12月2日
6号トンネル
6号トンネルの入り口の床を掘って、トンネルの梁盤(インバート)を現していました。トンネルはアーチに限らず、四周からの土の圧力を受けていますので、地山が動いたり大雨が発生した時に床の支えがないと側壁が崩壊し、強いてはトンネルそのものが爆ぜてしまいます。
煉瓦のインバートが見えており、地下部にもアーチが組まれているのが分かります。
6号トンネルは333mの長さで、丁度東京タワーと同じ長さです。
6号トンネルを過ぎると、目の前に深い谷が現れます。ここが県境です。この先が岐阜県です。
あいにく橋は亡失されており、どんな橋が架かっていたのかは不明です。今は仮設のケーブルでゴンドラを吊っていました。荷物の搬入などに用いているのでしょうか。
この橋の先に、多分埋まっている7号から14号のトンネルが隠れているのでしょう。
諏訪大橋の真っ赤なトラスド・ランガー橋が目に生えて、痛いくらいです。反対側の斜面に、人工のトンネル様のものが見えます。防空壕でしょうか?大変気になります。
愛岐トンネル群 6号トンネル入り口 2017年12月2日
愛岐トンネル群 掘り出した煉瓦インバート 2017年12月2日
愛岐トンネル群 退避壕にある照明 これが怖い 2017年12月2日
愛岐トンネル群 途中にあるインバートが作られた限界地点 2017年12月2日
愛岐トンネル群 333mの先の出口です 2017年12月2日
愛岐トンネル群 トンネル出口の木が飾りのよう 2017年12月2日
愛岐トンネル群 トンネル保存会の思いが籠っています 2017年12月2日
愛岐トンネル群 谷を渡るゴンドラ? 2017年12月2日
愛岐トンネル群 諏訪大橋 真っ赤なトラスド・ランガー橋 2017年12月2日
愛岐トンネル群 対岸の斜面の穴みたいなもの 2017年12月2日
玉野堰堤へ
玉野堰堤は、玉野水力発電所のために造られたものです。ここで取水された水は用水路を通り、あの玉川屋の床下を通り、1kmほど下流にある発電所に運ばれます。この発電所は見ていないので、今度行くことがあればぜひ見ておきたいものです。
この堰堤にも石造りのアーチが随所に使われています。
まずは玉野古道に降りて、川岸を歩いていきます。所々にに沢があり、小さな滝や煉瓦橋があります。デックガーダーのものや、アーチ橋など橋台や躯体にふんだんに煉瓦を用いています。紅葉時期には、煉瓦がよく合いますねえ。
堰提に行くのに玉野古道に降ります 途中の沢と言うか滝 2017年12月2日
愛岐トンネル群 綺麗なアーチ橋、上を鉄道が通っていました 2017年12月2日
愛岐トンネル群 デックガーダ橋の上が軌道敷きです 2017年12月2日
愛岐トンネル群 皆さんさんさんごうごう、降りてきます 2017年12月2日
愛岐トンネル群 玉野堰提の上流側 2017年12月2日
愛岐トンネル群 玉野堰提取水棟 2017年12月2日
愛岐トンネル群 取水口から用水に流れ出る水 2017年12月2日
愛岐トンネル群 玉野堰提全景 2017年12月2日
愛岐トンネル群 石積アーチ 2017年12月2日
愛岐トンネル群 河原に残っている何かの遺構 2017年12月2日
愛岐トンネル群 玉野堰提の取水棟と魚道と調整放水口 2017年12月2日
愛岐トンネル群 発電所に続く用水 2017年12月2日
2号トンネル
定光寺駅のホームから見ると、彼方にトンネルの跡が見えます。手前の大きなトンネルの脇に、2号トンネルと書かれているので、左が旧2号トンネル跡ですね。ホーム端から歩いて行けるので、行きたくなっちゃいますが電車が走っているので大変危険です。ちゃんと防護柵が出来たら、見せてくれるかもしれませんね。
うさおの得意な望遠レンズで撮ったと思ったのですが、歳のせいで目が悪くなったのか、綺麗に取れたものが無く、Caccoの撮った写真のほうが綺麗なのでそれを用いています。
愛岐トンネル群 新旧の2号トンネルが並んでいます 2017年12月2日
愛岐トンネル群 旧2号を拡大してみると見事な煉瓦積み 2017年12月2日
愛岐トンネル群 手前の駅ホームからの道が旧軌道跡です 2017年12月2日