龍ノ口 寂光山龍口寺 2017年1月16日
片瀬海岸に龍ノ口と言う処があります。
辻説法をし幕府を糾弾していた日蓮上人がつかまり、斬首されようとした時に、一天俄かにかき曇り、雷鳴が轟くと武士の持った太刀に雷が落ち、太刀は粉々になり日蓮上人は一命を助かったという曰くのあるところです。一説には、雷ではなく浮遊する光の球だったとも言われています。
UFOでしょうか。
片瀬海岸、江の島は、鎌倉に思われがちですが、ここは藤沢です。龍ノ口には、大きなお寺さんがあります。
龍口寺は、かつての龍ノ口刑場跡に建立されたものです。
龍口寺 境内案内図 2017年1月16日 龍口寺Webより
日蓮上人の弟子の日法上人は、この地に寂光山龍口寺を立てました。
日蓮上人は、一生のうちに法難を四回受けています。また数々の奇跡も起こしています。うさおが子供の時に、長谷川一夫が主演で「日蓮上人」と言う映画を観ました。
その記憶が何だか鮮明に残っています。
※四大法難とは、「伊豆法難」、「小松原法難」、「龍口法難」、「佐渡法難」を言います。
この日は会社の仕事でこの近くまで来たので、ついでにこのお寺さんもお参りしました。二人して山門を眺めていると、「どこかの大学教授かい?」と声を掛けてくる叔父さん達が居ました。
そうなんです。この会社の同僚は、風貌も、雰囲気も、考え方も大学教授、そのものの人です。飄々としていて、木村草太教授
※
を歳取らせたような感じです。
※首都大学東京大学院法学系教授
一緒にいたうさおは、どう見えたんだろう。少し、知りたい。
龍口寺 2017年1月16日
大本堂
天保3年(1832)に建立されたもので、欅造り、銅版葺です。間口12間・奥行き15間の木造建築物です。中には入りませんでした、お賽銭は奉納してきました。
龍口寺 大本殿 2017年1月16日
龍口寺 大本殿正面 2017年1月16日
龍口寺 大本殿側面 2017年1月16日
龍口寺 大本殿奥 2017年1月16日
龍口寺 この日は七面天女例祭のようです 2017年1月16日
仏舎利塔
意外に最近の建造物で、昭和45年(1970)に建立されたものです。内に釈尊の御真骨を安置してあるとパンフレットにありました。龍口寺の裏手の山の頂上にあるのですが、ここが意外に坂がきつくて、一月なのに汗だくだくです。
しかし、この日は富士山、江ノ島、相模湾を眺めることが出来ました。圧巻です。
龍口寺 ストゥーパ(仏舎利塔) 2017年1月16日
龍口寺 仏舎利塔裏面 2017年1月16日
龍口寺 仏舎利塔由来 2017年1月16日
龍口寺 仏舎利塔までの山道を農業用モノレールで 2017年1月16日
龍口寺 仏舎利塔の急な山道 2017年1月16日
龍口寺 山頂からの富士山 2017年1月16日
御霊窟
この境内には、斬首される前に日蓮上人が一晩囚われていた土牢があります。洞窟の中には日蓮上人の銅像が祀られています。
この脇の崖には、この御霊窟以外にも、曰くありげな洞窟(軍事施設かと思いましたが、中には仏像があり違うようでした)や、恐ろし気な銅像が立っています。
龍口寺 御霊窟 2017年1月16日
龍口寺 御霊窟 覗いてみました 2017年1月16日
龍口寺 軍の地下壕か 2017年1月16日
龍口寺 地下壕ではなさそうだ 2017年1月16日
龍口寺 崖を削って仏像を安置 少し怖いものがある 2017年1月16日
龍口寺 これは納骨堂ですね 2017年1月16日
七面堂
江戸時代に身延七面山の七面大明神を勧請した時に、建てられたお堂です。七面大明神は七面天女とも呼ばれる女神さまで、日蓮宗では法華経の守護神です。七面天女は、吉祥天、弁才天だとも言われています。
龍口寺
七面堂
2017年1月16日
妙見堂
将軍吉宗の時代の享保5年(1720)に建立されました。大本堂同様に、欅造りの銅版葺です。妙見大菩薩が祀られています。
龍口寺 妙見堂 2017年1月16日
龍口寺 妙見堂の前に手水場がある 2017年1月16日
五重塔
幸田露伴の五重塔を思い浮かべさせる佇まいです。明治43年(1910)に建立されました。五重塔の最上階の垂木は放射状です。神奈川建築物百選の一つで、彫刻を一元安信が受け持ちました。
※
一元安信は藤沢の彫刻師で、一元流の彫刻は欅の彫刻を得意とした。相州の神社仏閣、山車や神輿の彫刻が多く残っているので、もしかするとやはり欅の彫刻を得意とした天保年間の藤沢の彫刻師、後藤忠蔵橘重武の流れを汲む人かもしれない。
龍口寺 五重塔 2017年1月16日
龍口寺 五重塔 2017年1月16日
龍口寺 五重塔の最上階だけ垂木が放射状だ 2017年1月16日
龍口寺 五重塔は山の中腹にあります 2017年1月16日
走水南町 山車欅彫刻 2016年4月16日
走水南町 山車欅彫刻 2016年4月16日
龍口刑場跡
日蓮上人が斬首されそうになったことで、有名な刑場跡です。
「日蓮上人龍口法難六百五十年記念碑」の碑があり、海軍中将佐藤鉄太郎書、花押が彫ってあります。
龍口寺 刑場跡の碑と日蓮上人龍口法難六百五十年記念碑 2017年1月16日
龍口寺 日蓮上人龍口法難六百五十年記念碑 2017年1月16日
龍口寺 刑場跡 2017年1月16日
大書院
うさおの深谷の本家も、立て直す以前の建屋は欅造りでした。欅は木質が緻密で長持ちします。本家の敷地の周囲には、欅の木が植えられていた記憶があります。この書院も欅造りです。明治初年に、信州松代の窪田家の蚕糸御殿を、昭和10年に移築したものです。
この三段の棟屋根が美しいです。
龍口寺 大書院 屋根が特徴的 2017年1月16日
龍口寺 鬼瓦も特注品だ 2017年1月16日
龍口寺 唐獅子です 2017年1月16日
龍口寺 やっぱりこの屋根が特徴的だなあ 圧し掛かってきそうだ 2017年1月16日
寂光殿
龍口寺 寂光殿 2017年1月16日
経八稲荷堂
龍口寺の檀家の島村家に安置されていた地元の八体の守護神の一つを祀ったものです。
龍口寺 八番目はお稲荷様だったんですね 2017年1月16日
龍口寺 神社の左手の墓は檀家島村采女のもの 2017年1月16日
鐘楼堂
昭和44年に、龍ノ口法難750年を記念して、中山法華経寺から移築されたものです。大晦日でもないのに、信者さんが堂に登り、鐘を衝いていました。「延寿の鐘」と名つけられています。
龍口寺 鐘楼堂 2017年1月16日
龍口寺 鐘楼の前に日蓮上人の御像がある 2017年1月16日
仁王門
昭和48年(1973)に、鉄筋コンクリート造り瓦葺です。仁王尊像は彫刻家 村岡久作氏の作とか。
龍口寺 仁王門 2017年1月16日
龍口寺 仁王像 吽形像だと思う 2017年1月16日
龍口寺 もう一対の仁王像 阿形像だと思う 2017年1月16日
山門
元治元年(1864)に建立された欅造り、銅版葺の門です。「龍口寺」、「寂光山」の扁額が掛かっています。門の欄間には彫刻が施されており、中国の故事を現しています。
龍口寺 仁王門から山門を見る 2017年1月16日
龍口寺 欄間の彫刻壱 2017年1月16日
龍口寺 欄間の彫刻弐 2017年1月16日
龍口寺 欄間の彫刻参 2017年1月16日
龍口寺 欄間の彫刻四 2017年1月16日
支倉常次・志津子之墓
支倉常長のご子孫でしょうか?
龍口寺 2017年1月16日
萬人歯骨塚
藤沢市の歯科医師会が、平成12年に整備したものです。もともと、この寺には歯骨塚があったそうですが、明治14年9月13日に、横浜の入歯師水野房吉氏が自らの歯科修業の結願を記念して、現存の「萬人歯骨塚」を再建したそうです。横浜の明治の歯科医師ならば、祖父の益田廣岱も知っていた人かもしれない。
萬人歯骨塚整備の辞(傍らの碑)
歯は人の生命を支えるかけがえのない存在である。健康で幸福な人生を送る人々のために、歯科医師は日夜努力を惜しまないが、病気や事故、あるいは宿命の老化により、生きながらにして大切な歯を失うことが多い。 永久歯は失えば再び戻らないのである。日蓮聖人は、存命中に数本の歯を失われた。この歯を自らの生命を支えてくれた分身として、感謝を込めて仏前に供え、 毎月礼拝された。生命こそ、何にもかえ難い財宝であるとする日蓮聖人ならではの歯骨供養である。のちに直弟たちは、これを「御肉牙」と称し、立派な容器に収めて後代に伝え生前の日蓮聖人と接しうるよすがとして供養会を開き、信仰のよろ所とした。いま、この「御肉牙」は大本山池上本門寺に伝存している。爾来、日蓮宗では、壇信徒の歯骨を小壺に容れて各本山寺院に収める信仰的習慣がうまれ、今日に至る。当山でも、古来歯骨塚が存在したと伝えられる。のち、明治十四年九月十三日、横浜の入歯師水野房吉氏が、自らの歯科修業(行学)の結願を記念して、現存の「萬人歯骨塚」を再建、毎年一回藤沢市歯科医師会が施主となり、いまも供養会が営まれている。再建から百有余年を経て、近年に至り、塚石の風化も著しく、周辺の荒廃も目立つようになった。茲に、藤沢市歯科医師会の協力を得て、その保存策を協議した結果、再整備の浄業を実施することに決定をみる。藤沢市歯科医師会の善業の功徳甚多なり。その資助の法功をここに 誌し、永く顕彰するものである。併せて、歯骨供養の信仰を通して、広く衆庶に歯の大切なることを喧伝し、歯科衛生・治療の知識・関心を高揚せんと欲すると 爾か言う。
(平成十二年十月八日 霊跡本山龍口寺第十四世 慈悲院日立 和南)
龍口寺 萬人歯骨塚 脇に萬人歯骨塚整備の辞の碑がある 2017年1月16日
誰の住まいか?
山頂から東の方向に古い民家が建っています。古色蒼然として、人の住んでいる雰囲気はありません。著名な文筆家の住まいだと言われてもおかしくありません。大変気になる家屋です。
龍口寺 見事なお庭がある 2017年1月16日
龍口寺 平屋だけど部屋数が多そうだ 2017年1月16日
龍口寺 破風にガラス窓があるので屋根裏部屋もありそうだ 2017年1月16日