給水塔その後 2016年7月28日、2014年1月26日
逸見の浄水場で駒沢給水塔風景資産保存会の新庄副代表さんと渡辺幹事さんにお会いし、是非会員にさせて下さいと頼み込みました。そのくだりは、134.逸見浄水場汐入米ヶ浜に詳細を述べてあります。
新庄さんのお話では、最近は東京オリンピックに合わせた国内でのテロが想定されるため、水道施設の見学会は全国的に取りやめになっているそうです。そりゃそうですよね、何か毒物を水道施設に入れられたら、私たちはひとたまりもありません。逸見の浄水場の見学会も、私たちの見学会の後は当分開催されないようです。
新庄さんからは、せっかく会員になったのに中に入れる配水塔の見学会は無くなったとのご連絡で、何も見れないのでは可哀相だから、どこかのお宅から見せてもらうようにしてみましょうと、ご親切にも言っていただきました。
caccoがウィルス性の夏風邪をひき、これが意外に長引き3週間に及ぶ寝たり起きたりの状態でした。もう大丈夫であろうと7月28日に見学をお願いしたのですが、やはり、本調子ではなかったようなのに、大張り切りで翌日からどっと疲れが出て、休んでしまいました。
給水所その後 給水塔までの最短ルート 2016年7月28日
会誌「そうとうvol.9」より
ともかく、当日の見学の様子です。
私たちは2001年に駒沢給水塔を、地元のMさんに案内してもらいました。2.水道の項です。
そのあまりに古びた佇まいに感動を受け、2014年1月にも何か変化は無いかと見に行ったことがあります。駒沢給水塔は以前のままのようでしたが、和田堀給水所は大規模な工事を行っておりました。
駒沢給水塔は、地元の詳しい方の案内が無かったので、2014年は自分たちの感性で見て回りましたが、あまり塔に近づいたので、逆に給水塔の全容がよく判りませんでした。
今回は保存会の新庄さんのご案内で回るので、期待感、満々です。
桜新町の駅のラチにいると、見覚えのある新庄さんがやってこられました。当日は炎天下で、外は結構な暑さでした。
給水塔その後 桜新町の駅 2016年7月28日
給水塔その後 桜新町駅のラチ前でぼーと立つうさお 2016年7月28日
桜神宮の前を通り、「さくらウェルガーデン」(セイジョウいわい)の前に、駒沢給水塔風景資産保存会の看板がありました。その目の前の斜めの道が水道道で、彼方にあの塔が見えています。
給水塔その後 さくらウェルガーデンの前の看板 2016年7月28日
給水塔その後 裏に保存会の給水塔由来の看板が 2016年7月28日
給水塔その後 この道を進んでいくと給水塔にたどり着く 2016年7月28日
正式には「東京都水道局駒沢給水所配水塔」というと言うのが正しいのだそうですが、地元の方は愛着を込めて「給水塔」と呼ばれているとかを以前に聞いたような気がします。。
おお、心躍るなあ。正門にたどり着きます。土木遺産のプレートやら、世田谷区地域風景遺産やらの多くの碑、銘板がありました。
給水塔その後 塔の設計者 中島鋭治博士 2016年7月28日
残念ながら、中にあるという池と記念碑は見ることが出来ませんでした。駒沢給水塔も東北大地震の後、災害時の都民の水を確保するために、大きな貯水池に改造する工事が行われるのだそうで、工事で閉鎖する前に一度、内部の見学会が開かれるのではと、極秘情報を教えていただきました。何をさておいても行きたいな。
給水塔その後 給水所正門 2016年7月28日
給水塔その後 給水所平面図 2016年7月28日駒沢給水所見学会2015年10月1日資料より
給水塔その後 土木遺産銘板 2016年7月28日
給水塔その後 用地杭のような石碑 2016年7月28日
給水塔その後 左第二ポンプ所 中配水池 右第一ポンプ所 奥第一号給水塔 2016年7月28日
給水塔その後 世田谷区地域風景資産 2016年7月28日
給水塔その後 門柱の扁額 2016年7月28日
給水塔その後 新庄さん 2016年7月28日
西側に移動しますと、脇の門があってそこから二つの塔が良く見えます。ここで記念撮影。
給水塔その後 延々と続く土手 2016年7月28日
給水塔その後 何やら銘板がある 2016年7月28日
給水塔その後 渋谷町水道の歴史遺産 2016年7月28日
給水塔その後 二つの塔がこんな感じで撮影できる 2016年7月28日
給水塔その後 記念撮影をパチリ 2016年7月28日
このお宅は、保存会の会員の方なのだそうですが、昔の地名を復刻して塀に貼ってあります。「東京府荏原郡駒澤村大字弦巻向山一三六番ノ十」
何か、こだわれるものがあって良いなあ。何も持っていないなあ。
給水塔その後 ここの方も保存会の会員でね 2016年7月28日
給水塔その後 東京府荏原郡駒澤村大字弦巻向山一三六番ノ十の地番が 2016年7月28日
どうやら、新庄さんは、10月1日に行う給水塔の見学会の下見を兼ねて、ロケーションを探っているらしい。世界的なテロの影響で給水所に入れないなら、外からでも皆さんが満足できるベスト・ロケーションを提供したいとい気持ちの表れのようです。
このお宅の近くのアパートにお邪魔して、2階、3階から配水塔を望むと、なんでこんな景色が撮れるんだろうと言うベストアングルで写真の撮ることが出来ます。ここに御住みの方は、毎日見れてうらやましいなあ。それにしても新庄さんの顔の広さはすごいなあ。
給水塔その後 何と全容がはっきりと見えるのだ 2016年7月28日
給水塔その後 双塔と言われる由縁 2016年7月28日
給水塔その後 銅板葺の屋根 2016年7月28日
給水塔その後 グローブ球 2016年7月28日
給水塔その後 柱頭(キャピタルのデザイン) 2016年7月28日
給水塔その後 塔への唯一の入り口が屋上のここ 2016年7月28日
給水塔その後 狸が住んでると言う給水所の敷地 2016年7月28日
給水塔その後 やっぱり記念撮影撮っちゃうよね 2016年7月28日
給水塔その後 構造物の名称 2016年7月28日 会誌「そうとうvol.8」より
この会誌「そうとうvol.8」を見ていたら、柱頭のデザインを説明している章に、「ウィーン楽友協会大ホール」の写真が出ていました。熱烈なクラシックのファンがいらっしゃるのですね。世界中で最も美しい響きを持つホールとして有名な所です。ウィーン・フィルの本拠地と言う方が有名かも。このムジークフェラインス・ザールはシュー・ボックスと呼ばれる、矩形のホールで回廊を支えている女神像が、微妙な音の反射を醸し出し素晴らしい響きを付けていると言われています。
ウィーン楽友協会大ホール:ムジークフェラインス・ザール 1987年4月ごろ
中川清氏撮影
そう言えば、この近くに女優の江波杏子さんがお住まいで、夜中にこの配水塔の敷地内に住む狸の一家(7匹)に悩まされたことがあったのだとか。狸はイヌ科なので、確かにキャンキャン鳴いたのかもしれません。(狸はポンポコとは鳴きません。念のため)江波さんは水道局に文句を言いましたが、局員から(いや、新庄さんからかな?)狸は何代も前の江戸時代から住んでいるので、既得権は狸にあると言われ、それもそうだと納得したそうです。そう言いきった方もエスプリが効いているけど、それに納得した江波さんも洒落っ気がありますねえ。面白い話を聞きました。
後ろの方に回ると、塀の内側に逸見の浄水場で見たベンチュリー・メーターの小屋が見えます。ベンチュリーは科学者の名前なんですよ、新庄さんが教えてくれました。おお・・・水道の知識や歴史がすごい、。
そういえば、住宅建築の方でも給水・排水の調整にオリフィス管やベンチュリー管を用いているなあ。余談ですが、水道のコックを急にひねると、水圧が高い場合にウォーターハンマーといって、水道管が振動してガンガンガンという音がします。途中にオリフィスを入れて水圧を調整してやるとこの音が消えます。
給水塔その後 東側に回ってきました 2016年7月28日
給水塔その後 ベンチュリー・メーター室が見えています 2016年7月28日
10月の見学会に、ここの塀にA3サイズの写真を50枚張るのだとか張り切っておられました。
「あそこに銘板が見えますね」と新庄さんの指差す先に、「滾々不盡」の銘板が塔の中段にありました。「読めますか」の問いに、鼻息も荒く読めますとも、と胸を張って、「えんえんふじんかな」と得意げに言うと、すまなそうな顔で「こんこんとしてつきずです。もう一つの塔には清冽如鑑(せいれつかがみのごとし)とあるんですよ。」と教えてくれました。時の内務大臣の水野錬太郎氏が書かれたものなのだそうです。暑さからくる汗とは違う汗をかいちゃいました。
給水塔その後 こんこんと読むのだよ 狸の住処だけどね 2016年7月28日
給水塔その後 矢印の所に銘板が附いています 2016年7月28日
保存会の会員の方が、上下に映る二重の塔を発見されたのだそうです。その場所に連れて行っていただきました。なるほど、こうゆうことだったのですか。
土止め擁壁に杭を打って、地上に出ている杭頭に御影石風テラゾーで覆い、よく磨き上げられたところに写り込んでいたんですね。これは、三脚を据えて陽の加減とか、いろいろ考慮して撮影しないと、美しくは撮れませんね。
それにしてもこのことに気が付かれた方に脱帽です。
給水塔その後 雨の日の方が綺麗に写りそう 2016年7月28日
ここから、三軒茶屋のキャロットタワーが見えます。ここも渋谷に向かって敷設した水道道なのだそうです。
給水塔その後 坂はずーと下がっています 彼方にキャロット・タワーが見えます 2016年7月28日
近くの弦巻区民センターにお伺いしました。ここには駒沢配水塔の屋上にあるグローブ球が飾ってあるとのことです。グローブ球は完成当時はガラス球だったようですが、老朽化してので、今はポリカーボネイト製のグローブ球になっているのだそうです。塔の上の球が50㎝、渡り廊下の所が25㎝だそうです。
新庄さんが顔を出すと、センターの職員さんがグローブ球の照明を入れてくれます。おっ、綺麗じゃん。エアコンが涼しい、。炎天下の中、歩いてきた私たちは気息奄々、ここを出たくないと切実に思いました。
給水塔その後 本物のガラス製のグローブ球 薄い紫色の点燈 2016年7月28日
給水塔その後 グローブ球 説明 2016年7月28日
給水塔その後 ここは天国ですは・・そうでんなあ・・ 2016年7月28日
給水塔その後 この時に頂いた航空写真 2016年7月28日 水道局が撮られたもの
会員のマンションに行って見ましょうかと、さらなるお誘いをしていただきました。行きますとも。「イクス・コア桜新町」という新しそうなマンションです。オートロックがあるので、一般人は入れません。中村さんが案内してくれました。ここから見ると、配水塔を南側から見下ろす感じになります。渋谷、新宿の街が望める大変景色のよいロケーションです。
おっ、Mさんのビルも見えるぞ。このマンションも、配水塔を独り占めですね。
給水塔その後 マンションの屋上から 右端が中村さん 2016年7月28日
給水塔その後 渡り廊下が良く見えます 2016年7月28日
給水塔その後 Mさんのビルも見えます 2016年7月28日
給水塔その後 第二配水ポンプ室も良く見えます 2016年7月28日
同潤会
新庄さんのお宅は、同潤会の分譲地なのだそうです。wikipediaによれば、同潤会は、内務省によって大正13年に設立された財団法人で、関東大震災の義捐金をもとに設立され、東京と横浜において住宅供給を行ったとあります。同潤会アパートはマニアの間では、大変有名ですが、後年、分譲住宅の供給に専念し各地に造られました。新庄さんのお宅もそうなのですが、この世田谷の地域でかなり広い敷地でした。150坪といわれたかな。うらやましい限りです。GURIKO隊長も同潤会フリークです。
私たちも、同潤会、大好きです。特にcaccoとGURIKO隊長が大好きです。
敷地の広さもうらやましいですが、同潤会住宅に住んでいることもうらやましいです。
給水塔その後 このあたりが同潤会住宅のようです 2016年7月28日
給水塔その後 一度GURIKO隊長を連れて見学させて頂きたいものです 2016年7月28日
桜神宮
新庄さんはこのお宮さんも詳しかったです。芳村正秉禰宜がお祭りだけを行う神社でなく、御祭儀もしながら人々に対する布教をもできるように明治天皇より勅許を得て、教派神道十三派の一派を立てました。 「神習いの教」と言います。社殿は明治16年東京市神田に創建しましたが、大正8年に「西の方角へ直ちに移転せよ」との神託により世田谷に移転しました。
ご神体「御鏡」で、正秉の遍歴を示した掛け軸や、正秉と友人関係にあった歴史的人物(西郷隆盛、大久保利通等)の書を神宝とするそうです。
ここも新庄さんが声をかけると、可愛らしい巫女さんが出てきました。神宝を見せてほしいと頼み込むと、この神社の奥様が来られ親しげにどうぞと言われました。大変綺麗な方で、見とれちゃいました。
給水塔その後 桜神宮の入り口 野菜だかの物売りのおじさんがいた 2016年7月28日
給水塔その後 神習いの教の碑 2016年7月28日
給水塔その後 桜神宮の境内 2016年7月28日
給水塔その後 桜神宮の宝物 2016年7月28日
給水塔その後 桜神宮の講堂 2016年7月28日
給水塔その後 芳村正兼 辞世 2016年7月28日
給水塔その後 桜神宮の宝物 2016年7月28日
給水塔その後 桜神宮の宝物 2016年7月28日
給水塔その後 桜神宮の宝物 2016年7月28日
給水塔その後 桜神宮の宝物 2016年7月28日
給水塔その後 桜神宮の宝物 2016年7月28日
給水塔その後 桜神宮の宝物 2016年7月28日
和田堀給水所
和田堀は災害時のために、貯水量を増やす工事を行っていました。2014年1月の変化を記録として残しておきます。周囲をぐるっと回ってみました。2001年にお花見にはいれたことが夢のようです。ライ隊員は正門入口で待機でしたので寂しかったね。
給水塔その後 和田堀給水所 2014年1月26日
給水塔その後 和田堀給水所 2014年1月26日
給水塔その後 和田堀給水所 2014年1月26日
給水塔その後 和田堀給水所 2014年1月26日
給水塔その後 和田堀給水所 2014年1月26日
給水塔その後 和田堀給水所 2014年1月26日
給水塔その後 和田堀給水所 2014年1月26日
給水塔その後 和田堀給水所 2014年1月26日
給水塔その後 和田堀給水所 2014年1月26日
給水塔その後 和田堀給水所 2014年1月26日
給水塔その後 和田堀給水所 2014年1月26日