横浜市長公邸 (2011年11月3日)


 横浜市長は野毛に公邸を持っています。以前、ゆうこ宗匠に俳句の添削をして頂くときに、野毛の私邸と書いてしまい「うさおさん」は優雅な処にお住まいで・・・と書かれてしまいました。
 すいません、横浜市長公邸、つまり、「野毛の市邸」と書きたかったのに、間違えてしまいした。ゆうこ宗匠も送られてくるDokugakuの郵便物を見て、明らかに住所が違うなってご存知の筈なのに、敢えて念押しされるので、え〜っ、冷や汗一斗でございました。


横浜市長公邸 地図(google) (2011年11月3日)

 さて、野毛の公邸は地図で見ると、京浜急行「日ノ出町」駅から、横浜市中央図書館に向かって坂を上り、左手に折れて野毛山動物園や、野毛山公園に向かう道の途中にあります。子供の時には市長さんが平沼さんだったので、「平沼御殿」って言われていたような気がする。歴代の市長さんは、皆ここに住んでいました。中田市長もこの二階に住んでいたそうです。
※平沼御殿は野毛の図書館の前で、別の場所でした。今でも野毛山交差点にその擁壁の石積みが残っていますが、お城の城壁のように緩やかな曲線を持った優雅な形をしています。


横浜市長公邸 航空写真(google) (2011年11月3日)

横浜市長公邸 旧平沼邸擁壁 亀甲積  現野毛山住宅 (2011年11月3日)

 現在の林文子市長は、このような贅沢な市長舎を嫌ったのでしょうか、青葉区の御自宅から市庁に通われていました。しかし、2011年3月11日の震災後、歩いて市庁に行けないことから、野毛の公邸に住むことを決められたとか。皮肉なことに、この公邸に住むには修理費千七百万円が必要で、市議会に出したところ、なんと市長はリコールの嵐に見舞われてしまいました。
 竣工は昭和2年のもので、野毛の京浜急行のトンネルの上(横浜市中区老松2番地:上の赤丸の辺り)に建てられています。
関内、伊勢佐木町、桜木町、加賀町(中華街)、元町を見渡せる絶好の立地条件です。


横浜市長公邸 中村鎮式コンクリートブロック造 (2011年11月3日)

 この建物の構造に特徴があります。中村鎮式鉄筋コンクリートブロックと言われるものが使われています。左の図にあるようなやや大きめのコンクリート・ブロックを積み上げ、中に鉄筋を配します。昭和の初期としては画期的だったと思います。
 この構造の利点として、組み合わせたブロックの遇角部や開口部にのみコンクリートを打設しており、ものすごく施工が早い、鉄筋量が少ない、空洞部を用いて電気配管や衛生配管を通すことができる、空洞部は空気層があるので断熱効果が得られ夏涼しく、冬温かいことなどが挙げられます。関東大震災の時にも、中村鎮式ブロックの家屋は残っていたそうです。
 ただし、逆に積石造に近いので東日本大震災のように長周期の地震には弱いでしょうし、空隙の部分が脆弱です。震度七の地震の時にはどうだろう。

 この設計は、横浜市建築課(坂本信太郎、鳥海他郎)の職員が担当しました。この二人が中村鎮博士に教えを請いに行き、施工したとのことです。
 もちろん、現在は市長が暮らしているので、一般には非公開ですよ。建物の外観はフランク・ロイド・ライトの作品に酷似していますが、市の職員さんが設計したんですからね。もともとは洋館と日本家屋からなる「市長住居」だったらしいのですが、日本家屋は取り壊し集会場にしちゃいました。
(パーティ会場かな。)


横浜市長公邸 野毛坂の石畳 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 市長邸の正門前 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 門から建物までのアプローチ (2011年11月3日)

横浜市長公邸 右手が集会場、左手が市長公邸 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 集会場 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 市長公邸 (2011年11月3日)

 右側の薄焦茶色の建物が公邸で、右側のオレンジに見える建物が集会場です。
 『INVITATION to OPEN YOKOHAMA 2010』のイベント(2011年11月3日)の時にここが公開されました。
 意外と小ぢんまりとした佇まいで、一般庶民の住宅と大して変わりません。いや、庭の広さは尋常ではないか。
 確かに茶色の外装は温かみを感じ、あの当時の人たちが如何にライトに傾倒していたかが判ります。ライトと同様、スクラッチタイルと大谷石の組み合わせ、大谷石は最近の大気汚染の影響かやはり表面がぼろぼろになっていました。 


横浜市長公邸 庭園の一部 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 庭園の一部 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 庭園の一部 (2011年11月3日)

 デザインの基調は井桁のような模様が使われています。


横浜市長公邸 大矢石で井桁の文様を見せている (2011年11月3日)

横浜市長公邸 玄関 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 蹲か? (2011年11月3日)

 母屋に突き出たこの部分が、なんだか懐かしくてとっても良い雰囲気です。一般の家と同じような寸法かと思いましたが、やはり微妙に大きいぞ。
 寸法が900mmモジュールではなく、1000mmモジュールなのかも。
 何にしても三島由紀夫の小説に出てくるような豪邸、そんな感じだな。
 まっ、庶民のものじゃないね。
 Caccoは背が高いから、このように覗き込めちゃうよ。


横浜市長公邸 部屋の角と玄関灯 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 のびのびとした庇 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 ぐるりと回ってみます (2011年11月3日)

横浜市長公邸 覗き込むcacco こら!こら! (2011年11月3日)

 そこの角を回って、庭のほうに出てみました。するとそこはこんな感じの平屋造りのお家です。
 なるほど、バルコニーもあって、中々お洒落なつくりだ。天井高の高そうな、やはり外観も大きい建物だ。
 庭へのアプローチは素朴だけれど、中々良い感じです。でも自宅だと広々して落ち着かないな。


横浜市長公邸 このバルコニーはなかなかのものです (2011年11月3日)

横浜市長公邸 こんなタイルが敷いてあります (2011年11月3日)

横浜市長公邸 床下換気孔のデザインもレトロ (2011年11月3日)

横浜市長公邸 こんな外観です (2011年11月3日)

 庭はここでも園遊会が出来そうなくらい広い庭ですが、南側が急な斜面のせいで酔って足を踏み外すと、一気に日の出町の駅まで落ちゃうぞ。
 2階部分が居住空間がある処で、1階はダイニングや応接室が幾つかありました。
 手前側のガラスの部屋は、サンルームとテラス。う〜ん、この家はうらやましいな、市長選に出ちゃおうかなあ。


横浜市長公邸 庭園での園遊会 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 庭園での園遊会 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 庭園での園遊会 (2011年11月3日)

 庭の向こうに、横浜の街が見えます。ここで双眼鏡片手に一日中遊べるけど、毎日暮らしていると珍らしくも無くなって飽きちゃうのかもなあ。
 この公邸に毎日、車に乗って帰るのなら良いのだけれど、歩いて帰るには野毛の坂はきついかも知れない。御酒の好きな人は市長選に出ちゃだめだね。


横浜市長公邸 横濱の町が見えます (2011年11月3日)

横浜市長公邸 横濱の町が見えます (2011年11月3日)

 サンルームから食堂に入って見ると、見るからに口の悪い執事でも出てきそうな、長い食卓が現れる。うさおは呼ばれても末席だろうから、主人である市長の声は届かない。届かないから会話は成立しない。従って言いたい放題である。
 「市長様の目は節穴でございますか?」文子市長は言う。「何よ!馘よ!馘!くびっ・・・・」
 さて、幾つかのステンドグラスの絵が微妙に凝っていた。値段は高いのか?
 横浜と言うので、鴎の図柄かと思っていたが、何だか鴨っぽいなあ。「かもめ」から「め」を取っただけだから関係なくは無いけれど・・・


横浜市長公邸 サンルーム、一日中ここに居そうだな (2011年11月3日)

横浜市長公邸 談話室かな (2011年11月3日)

横浜市長公邸 ダイニングテーブルが長い (2011年11月3日)

横浜市長公邸 企業物のドラマに使えそう (2011年11月3日)

横浜市長公邸 鴨のステンドグラス (2011年11月3日)

横浜市長公邸 鴨のステンドグラス (2011年11月3日)

 上の図柄が山あいを飛ぶ鴨か、すると下の図柄は波間を飛ぶ鴨と言うことになるが、鴎?北斎風の波に西欧風のステンドグラスの細工が何だかちぐはぐな感じがする。色遣いも気になる。黄色を主体にした暖かい色合いにしたのだろうが少し気になる配色だ。
 しかし、凝っているのはステンドグラスだけではない。


横浜市長公邸 シャンデリア (2011年11月3日)

横浜市長公邸 レトロな照明器具 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 繊細なステンドグラス (2011年11月3日)

 このシャンデリアも昭和の初期を感じさせる。何かの花を表しているのだろう。
 シャンデリアも、この玄関ホールの照明もアール・ヌーヴォー調と言えばよいのか、昭和に作られたものとは言え大正を感じさせる造りだ。


横浜市長公邸 大桟橋? (2011年11月3日)

横浜市長公邸 ジャック (2011年11月3日)

横浜市長公邸 赤レンガ倉庫? (2011年11月3日)

横浜市長公邸 さあて?) (2011年11月3日)

飾られていた絵画の数々、でも作者は判りませんでした。 この二枚の絵画は、食堂の壁に掛けられていたもの。さすが横浜だけあって港の絵だ。左の絵は大桟橋と山下公園だと判るが、なんだかもっちゃりしているなあ。もっと写実でもよさそう。
 このジャック(横浜市開港記念会館)の絵は、結構好感が持てます。水彩画ですが、雰囲気があります。日本人形のほうはちょいと恐いです。


横浜市長公邸 ルソンの壺か (2011年11月3日)

 素性のよさそうなこの壷は、花活けなのか、傘立なのか、豪華なのだが少し野暮ったく感じるのは何故だろう。

 ここが昔の和室の処、今は改修されて集会室になっています。少し薄暗いけど外国のお客さんは結構喜ぶかも。


横浜市長公邸 集会室玄関 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 集会室ロビー (2011年11月3日)

横浜市長公邸 吉田先生の講演 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 集会室廊下 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 この建物の設計図 (2011年11月3日)

 家の中は意外に天井が低く感じます。この辺りが少し設計が古いと言うか、田舎臭いと言うか、野暮ったいと言うか、まあ、自分の家ならまったく気にならない、充分な高さです。
 広いからこそ、そう感じるのは分かっていますが、うん・・・羨ましいのかも。

 屋内でこの公邸の歴史と言うより、横浜市の歴史を説明されていたのは、横浜国立大学の吉田鋼市先生でした。

 さて、この公邸にはいささかチープな美術品(と言うか、骨董品?)が陳列されていました。この棚は多分寄贈品と思しきものが、うさおの家のようにごった混ぜに飾られていました。もっと広々と飾らないと本当に貧相に見えちゃいます。その幾つかを紹介しておきますね。


横浜市長公邸 展示ケース (2011年11月3日)

横浜市長公邸 金色の船 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 展示棚 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 市松人形 (2011年11月3日)

横浜市長公邸 何とかドール (2011年11月3日)

 何やら判らない中国の船の模型。比較的新しそうだ。

 兎も角、めったに見れないものを見ることができました。
 

横浜市長公邸 玄関からアプローチを見る (2011年11月3日)

横浜市長公邸 玄関からアプローチを見る (2011年11月3日)

横浜市長公邸 医師のオブジェ (2011年11月3日)