観艦式(2009年10月23日)

 Caccoは一人で横浜の大桟橋に出かけました。何ゆえ?
 うさおの会社の社長さんが自衛隊の観艦式の招待状を呉れたのです。だがうさおは、その日に休みが取れず、代わりにCaccoが超、嬉しそうに出かけたのでした。この日の夜のTVニュースでもこの情景は放映され、うさおとしては羨ましいの一言です。
 元々うさおは心情的右翼であり、Caccoは左翼的リベラリストなので、戦争反対のCaccoは行かないと言うのかと思った。あにはからんや、帰ってきて開口一番「やはり軍艦って凄いわよねえ!」ってのたもうった。
 「キィーッ!悔しいっ!」
 さてCaccoは朝早くに起きて、大桟橋に繋泊しているイージス護衛艦「こんごう」に乗りに行きました。


観艦式 旭日旗掲揚 (2009年10月23日)

観艦式 大桟橋に向かいます (2009年10月23日)

観艦式 乗船する軍艦はこれ (2009年10月23日)

観艦式 イージス艦 こんごう (2009年10月23日)

観艦式 大桟橋から (2009年10月23日)

 大桟橋に軍艦が泊まっているのは何か異質な感じがするが、うさおが幼かった時には、この埠頭にも軍艦が泊まっていた記憶がある。今でも、大桟橋から瑞穂埠頭を見ると、米国籍の巡洋艦やら、戦艦が遠望できるので軍艦に慣れていない訳ではないが、あまりにも平和ボケした頭では異質に感じるのだ。

 北朝鮮が如何のこうのとか、今そこにある危機が…と言葉で言っても危機感は余り伝わってこない。そこに10階建てのビルの大きさで軍艦があると、日本が現在、軍事的脅威に晒されているのではと感じちゃうね。
 世界でも有数の戦闘配備を誇っている日本は、アメリカに守ってもらわなくとも自衛出来るのではと思っちゃう。(現実的には戦闘経験が無いに等しい自衛隊は、装備とは裏腹に戦闘能力は相当低いと思いますが)


観艦式 そろそろ出船です (2009年10月23日)

観艦式 乗り込んでみました。 (2009年10月23日)

 さて船に乗り込んだCacco隊員は、物珍しげにうろうろ辺りを見渡します。甲板から映画などでお馴染みの戦艦の通路(防水扉で仕切られている)や機関室などを見て回ります。ここでの勤務は潜水艦の中の様で閉塞感があります。やはり外が見えたほうが戦闘が起った時には恐くないよなあ。
 まるで海兵隊員のように重装備のCacco隊員。お得意の自分撮りの一枚。鏡のあるところに行くと直ぐこれですから・・・。
 水筒が手榴弾のように見えるところが味噌なんだなあ。上がトイレにある鏡で写したもの。下が床屋さんの鏡で写したもの。


観艦式 艦内の様子 廊下 (2009年10月23日)

観艦式 まったり寛いでいる人もいます (2009年10月23日)

観艦式 この艦は三菱重工製です (2009年10月23日)

観艦式 ここを潜れないと艦内の移動は無理 (2009年10月23日)

観艦式 中央監視室 (2009年10月23日)

観艦式 制御盤 (2009年10月23日)

観艦式 トイレの鏡で 海兵隊の様な重装備 (2009年10月23日)

観艦式 床屋さんもあります (2009年10月23日)

 いよいよ出航です。上のレーダーは高速移動体をきっちり捕獲できる優れもので、イージス艦の肝でもあります。例えば北朝鮮からの弾道ミサイルもこのレーダーで捉え、地対空ミサイルの連射で撃墜します。
確か開発は三菱重工でフェーズド・アレイ・レーダーと呼ばれるパッシブ・レーダーです。左の四角い蓋が並んでいるのは、そのミサイルの格納管で前方に29基、後方に61基で全90基が備えられています。


観艦式 ベイブリッジを潜り (2009年10月23日)

観艦式 天気も良く旭日旗がはためく (2009年10月23日)

観艦式 レーダー塔 (2009年10月23日)

観艦式 ミサイル発射器MK41 VLS (2009年10月23日)

 このミサイル発射機はMk41と呼ばれ、スタンダードミサイルによる対空多目標対処や、潜水艦に対する迅速な垂直発射アスロックの発射などが出来ます。イージスシステムは基本的に対空戦闘システムで弾道弾ミサイルの防御を主としていますが、潜水艦にも強いです。潜水艦と言うと小沢さとるの「青の6号」と言う漫画を思い出します。あれもずいぶん兵器マニアの漫画だったと思います。


観艦式 RGM-84 艦船発射型ハープーン (2009年10月23日)

上の写真の筒状のものはハープンミサイル発射管(多分ね)です。


観艦式 イージス艦の面目躍如 (2009年10月23日)

 これが最もイージス艦ぽいアングル。前方にあるのはオート・メラーラ製127mm単装砲で、この管制用に射撃指揮装置FCS-2-21を艦橋上部に装備しています。艦橋に貼り付けられた六角形のものはフェーズド・アレイ・レーダー、360度死角無しという優れものだ。最大探知距離は500kmに及び、200以上の目標を追尾できる。また、レーダーのエネルギーを集中させてスキャンすると、なんと1000km以上の最大探知距離を実現できるのだそうな。 いやあ、凄すぎるなあ。ミサイル防衛作戦時に使用されるよ。これ以外にも3連装短魚雷発射管を装備している筈だが撮り落としたのかも知れない。


観艦式 護衛艦あぶくま (2009年10月23日)

観艦式 護衛艦あぶくま (2009年10月23日)

護衛艦「あぶくま」が併走しています。あちらにも沢山の見物客が・・・。何だかボートピープルの難民のようだ。
 イージス艦「こんごう」は過剰装備と言われておりますが、「こんごう」を見ちゃうと、「あぶくま」が貧装備のように見えちゃう。決してそうではないのですが、写真から見て取れるように、76mm62口径単装速射砲 は積んでいますし、 3連装短魚雷発射管、ハープンミサイル発射管、74式アスロックSUM8連装発射機があるのが判りますね。
軍艦は前から見るほうがりりしいのかも。軍艦はあんなに背丈が大きいのになぜ安定しているのだろう。ヨットみたいな造りではないし、とっても疑問ですよね。


観艦式 乗艦券 (2009年10月23日)

 それでこれが観艦式の乗艦券。毎年行っているのかと思いましたが、天皇在位20年を記念してとあるので、平成21年度だけのプレミアムなのかもしれない。
 そうこうしているうちにヘリ部隊が到着、いやが上にも観客のボルテージは上がる一方だ。(講釈師みたいに見てきたかのようにうさおは書きますね)


観艦式 ヘリ編隊 (2009年10月23日)

 いよいよ模擬戦闘モードに入り、ミサイルの発射の時間が近づいてきている。凄い、どきどきしたとはCaccoの弁。戦争には反対かもしれないがヘリコプターの爆音には迫力があり、自分の中にある戦闘意識が高揚するようだったとのこと。人間は局面に立たされると憂国の志士に変貌するのかもしれない。国破れて英雄出ずだ。


観艦式 LCAC輸送艦「おおすみ」 (2009年10月23日)

 Caccoが何だかよくわからない戦闘艦と言ったが、ホバークラフトです、これは・・・。LCAC(エアークッション艇)は輸送艦「おおすみ」にいつも積まれているものだ。


観艦式 P3Cオライオン哨戒機 (2009年10月23日)

P3Cオライオン哨戒機だ。大韓航空機をソ連の戦闘機が撃墜した時に、三沢の米軍基地にあるレーダーサイト(通称象の檻)に情報を送っていたのはこの機である。自衛隊ではこの機に司令の機能を持たせているし、対潜哨戒機として潜水艦に爆雷投下も出来るのだ。
 最近ではソマリアの海賊退治に出かけたのが有名だ。


観艦式 護衛艦さわかぜ (2009年10月23日)

観艦式 着弾! (2009年10月23日)

 いよいよ護衛艦「はたかぜ」、「さわかぜ」のミサイル発射が始まった。
 彼方の海面に水飛沫が上がる、と同時に乗船客からも歓声が上がる。
「すご~い!」「ドキドキする!」
 自衛隊が本気で戦闘態勢に入ったら結構強い軍隊なんじゃないだろうか。
 日本にはまだ自衛隊による戒厳令が引かれたことは無いが、他国と同様実弾を使用されたら結構死人が出るだろうな。ギリシャの治安維持軍と暴徒の戦いを他人事のように見ているが、これはこれで明日はわが身かもしれないよ、至近距離で銃弾を撃たれる、そんな場面が目に浮かぶぞ。


観艦式 護衛艦さわかぜ (2009年10月23日)

 護衛艦「ゆうばり」もミサイルを発射した。
 この辺りの艦は予算が乏しい時のもので、軍艦としては小さいとか、鋼板が薄いとか、とにかく批判が多い。
 この観艦式が終わった後、2009年10月27日(火曜日)19時56分に関門海峡において護衛艦「くらま」が韓国の貨物船と衝突しました。「くらま」の船首が、コンテナ船に突き刺さった格好で両船とも破損しましたが、民間のコンテナ船のほうが軍艦より強かったのです。
 これは何故かと言いますと、艦の装甲が無いからで装甲防御がされていないためです。これは知りませんでした。戦闘になったら勝てるのか、日本!


観艦式 護衛艦あしがら (2009年10月23日)

観艦式 護衛艦まきなみ (2009年10月23日)

 上は護衛艦「あしがら」です。どの艦にも人が鈴なりに乗っていて、なんだかとても軍事用の艦艇とは思えない。
下は護衛艦「まきなみ」と潜水艦「わかしお」のツーショットだ。
有事のときでもこんなに接近して作戦行動を起こすことは無いと思われるので貴重な一枚だ。むっ、それほどでもないか・・・。


観艦式 潜水艦浮上 (2009年10月23日)

観艦式 護衛艦ひゅうが (2009年10月23日)

 上が何だか可愛い潜水艦の潜水演習、ちゃぽんって感じ。
 下は新型のヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」だ。日本は航空母艦を持たないので、ヘリコプターの母艦を作ったのかもしれない。時の国務副長官のリチャード・アーミテージは「空母などの攻撃的な軍備を日本が持てば、北東アジアには劇的な変化をもたらし、日本が一度でもその攻撃能力を増やせば、日本への脅威はそれだけ増す。」と言いました。日本はそんなに恐い国なのか?また、日本の国防予算の不足から建造は何年も見送られてきた経緯もあり、事業仕分けをやられると軍事費なんかはつらいなあ。


観艦式 ミサイル艦おおすみ (2009年10月23日)

 ミサイル艇「おおすみ」からのミサイルの発射だ。ミサイルの軌跡の通りの白煙が上がっている。
 この観艦式は陸海空の自衛隊が3年に一度の割合で持ち回りで行っているものだそうで、今年は海上自衛隊が行いました。


観艦式 護衛艦あぶくま、あしがら (2009年10月23日)

 今回の観艦式の旗艦は護衛艦「くらま」だった。その「くらま」が直後、海難事故を起こしてしまうので、何をか言わんやである。自衛艦たちが弱っちく見えちゃうじゃないか。
 一般的にはこの観艦式の参加は公募によるものと、今回のように招待のものがあり、公募は400倍以上の倍率と聞いています。本当、今回はラッキーでした。こんな機会は中々回ってこないね。
 右の写真で、前方が護衛艦「あぶくま」、後方が「あしがら」だ。イージス艦は世界でもお金持ちの国しか持てないし、アメリカが認めた国しか持てない。1隻あたりの建造費は約1220億円で、「こんごう」型のイージス艦を日本は4隻持っており、4個護衛隊群に1隻ずつ配備されています。更にイージス艦2隻を建造中で、5年以内にイージス艦を6隻保有することになります。
 ただイージス艦は空母とともに行動することで威力を発揮しますので、空母が必要です。そこに搭載する戦闘機が三菱F2(ファントムもどき)では心もとない。F22ステルス機が欲しいところです。


観艦式 終了 (2009年10月23日)

 とか何とか言っちゃってる間に、観艦式は終わり、これで終わりだよって喇叭の吹奏がありました。