デザインマンホール 第一集
横浜
デザインマンホール 浦島町車止め 亀が乗っている 2001年1月7日
鎌倉
デザインマンホール 鶴岡八幡宮参道 2002年10月14日
デザインマンホール 地味なマンホールの中央に笹竜胆の紋 2002年10月14日
横浜 神奈川区
秋も深まって街には枯れ葉の舞い散る季節になりました。いつものことですが、トマソン隊ってあまりたいしたテーマがないねえ。連続もののように見えて、その実あまり関連性がない。
どこから読んでもよいお手軽なもので、何処を切っても金太郎飴なのです。それにトマソン隊の知識は、知ってても得にはならないしね。
と前振りが長くてすいません、今回は写真の川越名物、「芋」がテーマです。
ライ隊員 薩摩芋のような丸々とした体形 2002年11月19日
こんな薩摩芋のような体型の犬は、そん所そこいらにはいません。秋の葉に想いをはせる「ライ隊員」です。そっと前に出した左手がいじらしいです。
その「ライ隊員」が興味を示したものが、これ!いわゆる紋所です。
場所は鎌倉、鶴岡八幡宮の参道です。マンホールに浮かび上がった紋は「笹竜胆」。源氏正嫡の紋です。
各々の家の家系を辿れば、「源平籐橘」の四姓に往きつくそうですな。鎌倉幕府を興した源頼朝に因んだ「源氏」の紋所がこれ。北条政子の紋所は少しひしゃげた三つ鱗。
私の家の家紋は、表紋が「剣方喰」、裏紋が「鷹の羽のぶっ違い」(赤穂浅野家の紋とは上下の重なりが逆)です。
ものの本によると、方喰紋は遠目で見ると葵の紋に見えるとかで、江戸時代は所謂「御止め紋」になっていたらしく、徳川氏の末にでもいなきゃ使うと罪になった紋です。そういえば松平氏の末の益田一族の紋は「方喰」なんだそうです。
三鱗 剣方喰 下り藤
だからといって、うさおが徳川家に繋がっていると思っちゃいけませんぜ。まったく関係がありません。
ご先祖が、「増田」と言う姓を「益田」に代えたんだそうですよ、幕末だか明治にね。その前は「津久井」だとか・・・おやおや・・・。
まっ、兎も角、うちは藤原氏の流れだそうで、それも蝦夷藤原らしいです。藤原の藤太秀郷のことね。平将門やムカデ退治で有名な武将ですが、とても強かったらしく恐れをなした朝廷が蝦夷人の彼に藤原姓を賜ったとか・・・元の名前を「田原藤太」と言い、北関東の豪族でした。藤原氏の家紋は藤だと思われていますが、あの公家さんの藤原氏は、九条・二条家以外は藤紋ではありません。家来だった武士団の藤原氏の末が、藤紋を用いています。藤原秀郷の一門は、佐藤・武藤・近藤・尾藤・首藤・後藤さんがそれ、藤原利仁の一門が斎藤・加藤・進藤になっています。
酒屋さん(丸七商店街前)の紋所は、笹竜胆に似た丸に笹紋 2002年10月14日
閑話休題。とまれ、鎌倉は笹竜胆のメッカ。この写真をご覧あれ。酒屋だか、蒲鉾屋だか、履物屋の壁にもペタンと・・・。でもなにか線の細い、貧相な笹竜胆だなあ。実は笹紋でした。
コリャ面白いというわけで、ちょいとこの手のものを集めて見ましょ。家紋じゃなく、マンホールね。
ご近所案内図 2002年11月25日
お馴染み、Cacco、うさおのご近所案内図です。
赤の破線がライ隊員のお散歩コースですが、そのついでにマンホールの蓋を激写、その数を調べてみました。 多い、多いですぅ。ざっと数えただけですけど下の表ほどありました。
蓋の種類 |
個数 |
みなとみらい |
6 |
空気弁 |
1 |
仕切弁 |
3 |
亀甲 |
15 |
雨水 |
2 |
消火栓 |
3 |
NTT |
1 |
小さい蓋 |
1 |
汚水 |
1 |
合計 |
33 |
蓋の名前は私が勝手に付けました。多寡が200mの間に、33 個もあるとは、驚きです。
さて私の知る範囲では、上水は地上から1.2m位の深さに、下水は2.5m位に埋まっています。最近では、上水は浅層埋設といって0.8m位の所に埋めるのが流行です。
この蓋は雨水流入管の桝にあるものです。ちょいと見は、スパイダーマンを髣髴とさせるものがあります。このバージョン以外に「雨水」と書いたものがあります。
これは川の近くや家の前の幹線道路に点在しています。数は多くありません。上の表で「雨水」と書いてあるものがそうです。
デザインマンホール 雨水流入管 幹線の1 2002年11月25日
次は、最も数が多かった「亀甲」です。ハニカム模様がとっても亀さんです。これは下水のマンホールのようです。しかし、こんなデザインって一体誰が考えるのでしょうね。
デザインマンホール 亀甲紋 幹線の2 2002年11月25日
歩道際の下水枡にも「横浜市」のマークが・・。結構凝っているじゃないか。
こんな町でも。ちょいと感激です。
先ほどの「雨水」は、川に流れ込みますが、下水は本管を通って汚水処理場に行きます。地面の下は穴だらけのような気もするなあ。
デザインマンホール 側溝 横浜市のマーク 2002年11月25日
さて次は圧巻、派手な消火栓マンホールです。ご覧の代物で何の説明も要りませんが、ひとつだけ、「防火水槽」のものがあります。これがなんとパン屋さんの前の歩道にあります。この歩道に下に大きな水槽があるのでしょうか?しかも、いつそんなことをしたんでしょうね。
デザインマンホール 消火栓 2002年11月25日
デザインマンホール 消火栓 2002年11月25日
この「防火水槽」にだけ厳しくも立派な消防局のマークが入っています。真ん中にある「40」って数字はさて、何を意味しているのかな。昭和40年に作ったってことかな?
河川は国土交通省、消防は総務省、上下水道は地方自治体、神奈川県、横浜市の管轄です。工事をする人は、この辺の切り分けが大変でしょうね。
デザインマンホール 防火水槽 2002年11月25日
さて次は、「空気弁、仕切り弁」と名付けた蓋です。ここより南のほうに3kmほど行くと、海岸ぺたに「日本鋼管」やら「旭硝子」やら「東芝」などの工場があります。
ここに送られる「工業用水」のものらしいです。昔、夜通し家の前で工事をしていたのでよく覚えています。
この蓋には七宝焼きのような青い噴水マークが付いています。の割りに、何か男らしさを感じさせる無骨さがあります。
デザインマンホール 空気弁 2002年11月25日
この文様は何でしょう。「川」って云う字かな?「水」かもしれない。水の流れかな?これも横浜市のものだと言うことは判るが、所轄はどこになるんだろう。いろいろなお役所の鬩ぎ合いが目に見えるようですね。
デザインマンホール 仕切弁 2002年11月25日
そしてこれは、この中でとってもお気に入りの「みなとみらい」の蓋です。
なんだかよく判りませんが、ノスタルジックな感じがします。この蓋は「亀甲」に続いて数が多いのですが、家の前の県道の大通りにしか見当たりません。それでもこの数です。入江町の方まで探せばもっとあるでしょう。しかも最近、埋け込まれたようで、周りのアスファルトが新しいのでそう思います。用途はさっぱり判りません。
デザインマンホール ベイブリッジ 2002年11月25日
デザインマンホール 工業用水 2002年11月25日
水道関係はこれだけあると事足りてますしねえ。道路管理用の通信線のものかもしれないなあ。いや、何が埋まっていてもいいんですけどね。 最近は水道だけでなく、電力線、ガス管、通信線と埋まっているものは多岐にわたりますものね。しかし、この絵柄はどう見ても、こりゃあベイ・ブリッジですぜ、あの三径間連続トラス斜張橋(いわゆる吊橋ね)のあれです。ちなみにベイ・ブリッジには、風による揺れ防止に振り子が付いていて、パッシブな制振(慣性力を利用して揺れないようにすること)しているとのことです。大黒埠頭のパーキングエリアにその模型があります。
この蓋は、NTTの通信用のものじゃないでしょうか。中に光ファイバーなどのケーブルが仕込んだ洞道があるんですよ。きっと。
デザインマンホール NTT 2002年11月25日
これは、公園の中にあった街灯用の電力線用のマンホールです。落ち葉の中に埋もれて、ちょいと雰囲気ですね。
お互いに電力も電信も、地紋は和風で、着物の柄にでも使えそうな感じです。
デザインマンホール 電力用 2002年11月25日
そして最後はかわいらしい小物のマンホール蓋です。えへへ、マンホールの小紋のようなものですな。
一番右端のものが、横浜市のマークが付いているものの、用途が判らないもの。多分、汚水枡でしょうね。真ん中は一目瞭然、「おすい」です。そう書いてあります。さて、何かな。
水道の検針用のメータか、分岐水栓が入っていると推察します。
デザインマンホール 50粍横水 2002年11月25日
デザインマンホール 下水 2002年11月25日
デザインマンホール おすい 2002年11月25日
こんな狭い地域で、しかも道路2本の中でこんなにマンホールがあるなんて、今まで気が付きませんでした。と言うか、見逃しておりました。
ものの始まりは、家の前のマンホールの蓋が最近、車に踏まれるとターン、ターンと音がするようになったからです。五月蠅いなあと二階の窓から見てみると、あれっ、一杯あるじゃないか、蓋が・・・。
で、ライ隊員と調査に出かけたのでした。倅の看病をしに病院に行っていたCacco 隊員は、「それって面白そうだったのにぃ」と怒っておりました。
おまけ
はい、恒例のおまけのページです。本来のテーマからはずれて来ちゃったものを載せるページです。
鎌倉の「妙本寺」の雨水受けだか、天水桶だかにあった笹竜胆の紋所です。昔は寄進をした人の功徳を讃えて、このように家紋を入れたのでしょうね。
デザインマンホール 妙本寺 2002年10月14日
この近くの日蓮宗の本覚寺さんは、橘の紋所が目に付きました。鎌倉という場所柄、蒙古襲来を法力で退けた日蓮さんを信奉する鎌倉武士に橘家のものがいたのでしょう。
デザインマンホール 本覚寺 2002年10月14日
さて橘紋は、中井、橘、薬師寺、山崎、土田、岩下、野尻、福富、山脇さんが有名です。名流では、伊井、久世、黒田、松平さんですが、伊井家はもともと藤原氏、下がり藤の紋です。(下がり藤は内藤氏が有名※) 日蓮さんの家の井戸の周りに橘の木があったので、橘紋になったのだとか。
結局、家紋と家柄の関係は家系とは関係しないものが多いですね。
※江戸時代の手鞠歌です。以前にも書いたかもしれませんが、「牡丹に唐獅子、竹に虎、虎を踏まえた和十内、内藤様は下がり藤、富士見検校後ろ向き、剥き身、赤貝、ばか、柱、柱は二階の上と下・・・」と唄われております。
ご存じでしょうか、室町時代から戦国時代には、貧乏なお公家さんは家紋の切り売りをし、明治維新では、今まで名字、家紋が与えられなかった平民にも、自由に付けることができるようになりました。
大東亜戦争の後の闇市で名家の家系図が売られるようになり、混乱に乗じて財を成した者たちが、次は名声を求めて買い漁り、俄か名士が急増しました。
「わたしゃうさおって言うんだが、手頃な家系図、無いかね?」
「うさお・びんらでぃん氏のものならありますが・・・」
「いいねぇ、貰っておこう。幾らだい?」てな具合です。
同じく川越の喜多院の用水桶には、「丸に二つ引き両」紋があります。
真横や縦に一本から三本の線を引いたものを、引き両紋といいます。かつて将軍家の白幕(源氏)に遠慮して、二本ないし一本の線をその陣幕に引いたのが始まりだとか。引き両は雨の神、水龍を表したものと言われています。
源氏の一門である足利氏は「二つ引両」の紋を用いています。新田氏も足利尊氏に敗れて後、同紋を用います。川越は足利氏、新田氏の勢力が及んだ地と考えられますので、このような紋が残ったのでしょうね。
デザインマンホール 喜多院 2002年10月30日
三島
三島は繊維メーカーが揃っている處で有名ですが、もう一つの顔として繊維にだけに止まらない先端技術の粋を集めた繊維研究所があります。此処で有名なのは、なんと言っても白い繊維でしょう。何故か知りませんが、女性は白い水着が大好きだそうです。膨張色なんだけどね!特に白のハイレグ・ワンピースは夢だそうだが、此処で問題があります。
そう、白い水着は水に濡れると透けてしまうし、陽の当たり具合でも透けてしまう。特に赤外線フィルターを用いて写真を撮ると、水着が着ていないのと同然に見えてしまうという現象が有名です。
男性には至福の時だが、自分が見知っている女性では些か目のやり場に困ってしまう。そこで開発されたのが、繊維の断面の中に星形の繊維が入っている、二重構造の繊維だ。この構造により、より白く、透けない水着が完成された。原理は簡単そうに見えるが、今までの糸の太さの中に、星型を組み込む技術は糸屋の技ではなく、ハイテクの超マクロの技術が必要だ。
この延長線でどれだけ細い繊維が出来るかをトライしたのが、エクセーヌだ。よく、メガネ拭きに使われる高価な布だ。って、何かまた、論点が逸れちゃったけど、それがトマソン隊だからしょうがないね。三島ではあまり撮影できなかった。お客さんと一緒だったので、お客さんの目を盗みながらの撮影でしたね。
デザインマンホール 汚水 2003年1月7日
デザインマンホール 電電公社 2003年1月7日
デザインマンホール 制水弁 2003年1月7日
山手
フランス山の近くです。
デザインマンホール 道標 開港の道 2003年4月6日
鶴岡
鶴岡の町については別稿をご覧ください。
鶴岡は市というよりは、江戸、明治維新の街を彷彿とさせます。各家庭にこの文様が色々使われていて、家具や蔓幕、小物にも鶴岡の紋が着いているような気がします。
するってえと、こりゃあ、中々乙な感じじゃないですか?鶴に大宝館。うん、いかにも小藩って感じ。
ほかにはあまり凝ったものは発見できなかったよ。
桜か梅の紋に、鮫肌の地紋が続く。刀の拵えに似せたものかもしれないが、地味だよこれは。
デザインマンホール 大宝館 2003年6月22日
デザインマンホール 排水 2003年6月22日
デザインマンホール 珍しいバタフライ型 桜かな 2003年6月22日
デザインマンホール 路上消火栓 2003年6月22日
デザインマンホール 側溝蓋 鶴岡市のマーク 2003年6月22日
デザインマンホール 防火水槽 2003年6月22日
デザインマンホール すり減った蓋と路上消火栓別種 2003年6月22日
デザインマンホール 電電公社 2003年6月22日
愛知県梅坪
梅坪には、日照問題で行きました。愛知環状鉄道に乗りました。
梅坪は愛知県の一都市です。私の住んでいる町と同じくらいの規模ですが、まだ手付かずの土地が多いです。モチーフはどうやら向日葵らしい。(何で向日葵?)
実はあまり付近を歩けなかったので、良くは調べられませんでしたが、あまり種類がなさそうだった。
デザインマンホール 汚水 ヒマワリがモチーフ 2003年8月4日
デザインマンホール 制水弁 2003年8月4日
警察のマンホールは杉綾織だ。東京都の警察の文様は、目の回るような「くるくる」だったが、これは冬に合いそうなデザインだ。向日葵とは合わないけどね。
でも、梅坪の市のマークが無いなあ。ここまで見てくると日本の蓋は、シンボルマークと地紋に凝っているのが、よーく判る。
これを支えているのは鋳物師の技になるものであろうが、それを当たり前のものとして色々なデザインを作り出している当局もすごい。
デザインマンホール 警察? 2003年8月4日
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