(挿絵に限定) 2024年現在
うさおは50年以上も技術者として生活してきました。
(うん、長いね)
とは言え、ゼネコンの新入社員の時は技術開発室に勤務したので、現場に出ることもありましたが、ほとんどが内勤でした。
半年後に技術研究所が創設され、今度は研究員となりました。
年2回程の学会論文の投稿や、研究所報、社内技術発表会への原稿作成と忙しくなります。研究テーマは年に、3テーマくらいに携わっていましたから、実験の準備や結果のまとめなどで忙しく、後輩が入ってくるまでは連日、終電目指して駅まで駆けていました。(ブラック企業だなあ)
そんな忙しい中でも社内報などに、挿絵を描いていました。ついにはそれが嵩じて、技術論文にまで挿絵を入れて投稿する始末。
社内報に載せた研究室のメンバー(自分は右下)
当時の上の人は良く黙っていましたね。
第二の会社も2022年の3月に退社しました。なので、最近はこんな名刺を使っています。
さて、どんな挿絵を今まで描いてきたのか、並べて見ようと思います。
1)「ポケコン・パソコンによる型枠支保工の構造計算」
理工図書 、1989年4月10日、山本俊彦,窪倉隆(共著)
これは会社の先輩の山本氏が、今度、自分の研究を本にしたいので、読み易くするため、挿絵を描いてほしいと頼まれたもの。氏はその後、工学博士を取得し、大同工業大学(現・大同大学)の教授になられました。
当時はパソコンが得意だったので、プログラミングのお手伝いかと思っていましたが、絵の方のお手伝いで、これはこれで大歓迎でした。
窪倉氏は真面目な人で、物静かなタイプの人です。深く考えるタイプの人で、うさおとは逆のタイプの人です。
そういう意味であまりゼネコン向きの人ではなかったような気がします。ともかく、うさおの挿絵が本になったのはこれが最初です。
※表紙も描かせていただきました。初めと終わりの数点の挿絵は、別の方が描かれたものです。途中からうさおに代わったのは、何か事情があったのかもしれません。
この当時勤めていた会社は、著作物と講演などに制限はありませんでしたが、講師報酬などは会社と折半でした。
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2)「スタジオの遮音-特に固体音の遮音例-」
音響技術、NO.69 1990年3月、羽染武則(共著)
この雑誌は、同じ研究分野の研究者が編集委員として参加し、技術誌を作っていました。「論文の中に挿絵を入れてみたいんだけど、どうだろう」と編集委員に持ち掛けると、良いんじゃないですかと二つ返事。柔軟性がありましたね。
大学の先生も当時としては革新的だと認めて頂けました。
しかし、その後、挿絵(漫画)付き論文を掲載する方は、なかなか現れず、それから20年ほど待つ必要がありました。あの編集委員の方も、後でえらく怒られたんじゃないかな。
題材は、当時手掛けていた多層階の映像スタジオの固体伝搬音の遮断がテーマでした。設備配管、電力線などの防振、他のスタジオ、MA(マルチ・オーディオ)などからの遮音と振動遮断でした。
特に映像スタジオはセットのバラシがあり、木材や単管を床に投げるため、異常な加振力が床に与えられました。
また、照明用の電力ケーブルに大電流が流されると、太いケーブルが蛇のように、のた打ち回ります。照明の熱も凄く、金属パネルや鉄骨が暖まるまでピーン、ピーンと鳴り出します。
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3)「ミチゲーション技術に関する調査研究報告書」
日本海洋開発建設協会他、1998年10月
どのような経緯で挿絵を描いて欲しいという依頼が来たのか憶えていません。海洋関係の本なので、日本土木工業協会の機関誌「建設業界」の「研究余滴」の挿絵を御覧になった方が推薦されたのかも知れません。
報告書の完成間近に、絵の依頼が来ましたので、誰かの「堅いねえ」の一言でお鉢が回ってきたのかも知れません。
一番力を入れた絵は、薄い別冊のほうにまとめられました。
「ミチゲーション(mitigation)」とは、「環境緩和」を意味します。
環境アセスメントでは、「環境保全のための措置」を求められますが、その時の「回避」、「最小化」、「代償」と呼ばれる技術のことです。 うさおも第二の会社で、環境アセスメントに携わることになりますが、その時にこの報告書の内容は、如何にアプローチすべきかの参考になりました。何でもやっておくものですね。
この本の原稿を渡され、描いて欲しい絵を専門用語で示されました。 原稿をじっくり読まないと理解できません。おかげさまで、門前の小僧程度にはミチゲーションを知ることが出来ました。まあ、実践が伴っていませんけどね。
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4)建設業界 日本土木工業協会 研究余滴
多分、1990年くらいから2005年くらいまでかなあ
この雑誌に挿絵を投稿する切っ掛けは、あまりよく憶えていませんが、10年以上続けていたように思います。涼しくなったらバックナンバーを出して調べてみたいと思います。
実証大深度地下空間の実験は、1989年から始まりました。土木の世界では有名な田村嘉子先生と当時の「建設業界」の編集部長だった景方さんが、技術研究所の実証大深度地下空間を見学しに来られました。研究企画課のうさおと常田所長が案内をしました。「どぼじょの会」で活躍されている渡辺弘子さんを加えて会食を持ちました。その席で景方さんから所長に「研究余滴」の原稿依頼があったのかと思っています。その時から挿絵を担当することになったと思う。(違うかな)
景方さんにはうさおを気に入って頂き、工学の判る絵師だと持ち上げてくれました。田村先生とはその後も親しくさせて頂き、ちょくちょくご自宅でお手製の夕食をご馳走になっています。先生のパソコンのシステム復旧をよく頼まれていました。
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5)技術開発による建設費縮減への取り組み 上下
日本土木工業協会 2002年10月25日、2002年11月25日
これも景方さんからいただいた仕事で、日本土木工業協会の「建設費縮減による特別委員会」に挿絵のスタッフとして参画し、各WGから提案されたコスト縮減案を判り易いように絵にすることと、文字表現を一般の人が判り易いようにするという依頼でした。
絵の方はおおむね大した直しも無く進められました。執筆原稿は論文のように堅い文調でした。適度に柔らかく直したのですが、大学の先生やゼネコンの研究者が多く、表現にこだわりが多く、景方さんと協議し文章の訂正は誤字脱字にとどめました。
「研究余滴」もケント紙にインクの手書き原稿でした。今度は色を入れるというので、手書き原稿をスキャンして、電子データに彩色するのはどうかと提案しましたが、編集制作会社が色も手塗りの方が味わいが出るのでそうすることになりました。色の違いを指摘されたときには、線画から書き直しです。上下巻合わせて、104~105枚の挿絵の数になりました。
そういえば田村先生に、うさおは大器晩成のタイプだといわれましたが、人生の晩も既に通り越しましたが、未だ大成していません。どこで間違えたかなあ。
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6)大地震から既存ビルをいかに救うか
郵政建築研究センター 1996年12月6日
これは本の表紙を描いて欲しいという事で、構造設計部の木村部長からお話が来ました。レトロフィットと言う既存の建物を、支持階で輪切りにし、上階を複数のジャッキで持ち上げながら、免振装置を間に入れる工法の事例集です。
この本の制作は郵政大臣官房施設部が指揮し、建築保全センターが編集・製本を行っていました。編集長は國安珣子さんだった思います。小柄な体形の割には、男らしくがははと笑う方で、お酒も強かったです。平河町辺りに事務所があったかなあ。
木村部長とは、技術開発室時代に同じフロアで働いていました。うさおはアルバイトととして1年も前から働いていましたので、他の新入社員とは異なり、既に社員の皆さんと顔見知りでした。
(ちゃんと入社試験を受けて入りましたよ。今で言うインターン制度のようなものでした。)
絵は見る人が見ると分かりますが、基礎部に免振装置が入っています。上階には斜材が入っており、水平力に対する補強が入っています。今まさに地震が発生しており、建物外では人が倒れ、木々が揺れ、車も撥ねています。しかし内部にいる人は、平気な顔をして作業を続けています。そう考えると、結構意味が込められた絵でしょう?
7)一級建築士試験 図解問題解説集 Ⅰ~Ⅳ
市谷出版社 1999年10月25日
これも木村部長や元結正次郎さん、杢千秋さんたちと、一級建築士の受験本を書こうと、市谷出版社に話を持ち掛けたものです。
うさおは学科Ⅰ建築計画を担当し、執筆代表者としてまえがきを書いています。
元結さんは東京工業大学で工学博士を取得し、ゼネコンを退職後、東京工業大学の建築構造の教授になられています。
木村部長のいち押しで、全刊(Ⅰ建築計画、Ⅱ建築法規、Ⅲ建築構造、Ⅳ建築施工)に理解しやすいイラストを入れることになりました。絵はうさおの独断場です。ふふふ・・・。
何が素晴らしかったかと言うと、市谷出版社で出版打ち合わせをする度に、豪華なお弁当とお車代を頂けることでした。「今半」とかで美味しかったです。
お弁当付きはバブリーに聞こえますが、この時にもうバブル崩壊の兆しが来ており、本が出版された1年後に会社の人員削減の波に揉まれて、うさおは早期退職を余儀なくされています。
でも、「建設業界」とこの本のおかげで、うさおが絵を描くことが社内外に知られていきます。
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8)一級建築士講座テキスト Ⅳ建築施工
総合資格 技報堂 2003年度版
前述の一級建築士試験の教本つくりの時に、技術研究所の宮崎さんが「施工」を担当されており、その後、総合資格で講師を務められていました。この年に施工の教本を刷新することになり、宮崎先輩が絵が描ける奴がいると総合資格に推薦してくれた模様です。総合資格の担当者がうさおの会社に来ると聞いて、講師の依頼かなと思いましたが、絵の依頼でした。勘違いですべってばかりです。 建設会社にいた経験があり、一級建築士を持つ絵描きで、素人だから格安に仕事をするので、好都合だったのでしょう。
担当者は修正すべき絵だけを描き直してくださいという事なので、今までの人の絵に極力似せて欲しいという注文でした。全体の1/5位です。
似せた絵を描いていましたが、どうにも描きづらかったので、途中からどんどん個性を出してしまいました。やってはいけないことをしてしまいました。ゴーストライターに徹しないといけなかったのに、担当者の顔を潰すような所業に出たのです。
本の後付けにも、執筆者の名前は出ていません。
この1冊は何とか出版されましたが、次の仕事はもちろん来ませんでした。
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9)環境を守るための取り組み
建設コンサルタンツ協会 2009年4月1日
第二の就職先は建設コンサルタントでした。いわゆる土木の設計会社です。建築関係トントントンのうさおが、土木関係の会社に行くのは、奇異に映りますよね。鉄道関係の研究をしていたうさおは、その延長線の鉄道関係の会社で働きたいと思っていました。早期退職を機に、北村技術本部長にお願いして、鉄道の設計コンサル会社を紹介していただきました。
さて、建設コンサルタンツ協会は、土木系のコンサルタンツ会社の集まりです。土木系の国家資格に技術士がありますが、この協会では独自にRCCMと言う技術資格を設けています。この協会では、色々な技術の展望や国に対する提案をしてきました。いくつかの委員会やWGを設け、活動しています。
うさおも幾つかの委員会、WGに入っていました。企画委員会、白書委員会、人材啓発委員会、社会資本整備のありかた検討WG、日本土木史編纂委員会などです。
社会資本整備のありかた検討WGで、環境を守るための取り組みパンフレットの挿絵を書きました。見開き4ページをテーマ別に3葉づつ描きました。3年か5年ほど、連続で書いています。
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10)都市鉄道利便増進事業費補助制度の創設
国土交通省HP 2005年
鉄道の利便性を図るために、短絡線構想や新しい複合駅のあり方の絵をお得意さんから頼まれました。趣味で挿絵を描いている奴がいるんですよと、うちの会社の誰かが言ったんですね。漫画っぽい絵しか描けませんよって、一応お断りをしましたがそれでもよいという事になりました。
芋虫のような電車や、ガラス張りの駅ビルなど、稚拙な絵でしたが、描かせていただきました。
素人が趣味で絵を描いているので、基本、原稿料は無しで、著作権も誰が使っても良いように、フリーにしています。
まあ兎も角、可愛らしく書けました。面白い仕事でした。
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11)集合住宅の遮音性能と住まい方に関する技術解説
日本建設業連合会 編集委員所属会社内部資料 2015年3月
ゼネコン各社の技術研究所の音響を研究されている方が集まって、集合住宅の住まい方の技術解説本を出そうと計画されていました。それぞれの研究者は日本建設業連合会の委員に属していましたので、会社を超えた横断的な議論を重ねていました。
一般の人に読んでもらうには、とっつきやすいように挿絵がある方が良いねと言う意見が出ました。多分、安藤さんだと思います。
そして、うさおに白羽の矢が刺さります。原稿料の代わりに、委員会の後の懇親会の会費を払っていただきました。
ご馳走様でした。
この頃、うさおは建設コンサルタントの会社にいましたが、それでも知り合いは憶えていてくれるんですね。
残念ながら当時の時節に合わず、協会としては本を出せないことになりました。そこで、委員の方々の会社の内部資料として、この本を用いることにしました。ですので、一般の方で読まれた方はほとんどいないと思います。
12)集合住宅の騒音防止設計入門
学芸出版社 NPO建築音響共同研究機構 2017年9月15日
これもゼネコン各社の研究者OBが集まって、集合住宅の騒音問題の啓蒙パンフレットを作る活動をしていました。
前出の安藤さんに誘われて、このNPOに挿絵師として参加することになりました。
パンフレット作成の討議を重ねる中で、音響に関する錚々たるメンバーが集まっており、挿絵師も参加したので、いっそのこと啓蒙本を作ろうじゃないかと方針転換。
それに名著「建築と音のトラブル」の著者4人の内、3人がNPOのメンバーにいます。
その時点から、本の内容を建築設計技術者向けに作り込んでいきます。学術書ではないので、難しい計算式は極力控えて、図やグラフで設計時、施工時の注意や理解を促すものです。以前描いた本より、描く絵の量が増えて、ほくほくしているうさおがいます。メンバーの方々は、表紙もうさおの絵で行こうと、出版社に交渉しますが、カバーデザイナーも決まっているし、売れる本を作りたいときっぱりと断られます。とほほ・・・。(古いな、表現が)
素人の趣味芸なので、それ以上は突っ込めませんでしたが、出版日が決まっていて、ずいぶん追い込まれた記憶があります。
NPO建築音響共同研究機構 http://andow-k.com/npo/index.html
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13)あなたの家は大丈夫?
ひらつか防災まちづくりの会 2020年8月
技術研究所時代の仲間の西岡氏が水環境コンサルを起業し、会社を大きく育てた後、代表取締役から退かれました。
余生を地元平塚の役に立ちたいと、「ひらつか防災まちづくりの会」に参画し、自身の知識、人脈を用いて、自然災害に対する防災の啓蒙本を作り、市民の意識を高めようと活動し始めます。
もちろん、うさおも挿絵師として参加を求められ、喜んで会員にさせてもらいました。
主たる著者は、中尾健兒氏、西岡哲氏、野崎篤氏、原囿信夫氏で、概論、地域特性、目指すものの3章構成で著わしたものです。地域特性を各地の個有特性に置き換えれば、全国にも展開できる内容になっています。
中尾氏は大手ゼネコンの技術研究所につとめ、工学博士を取得後は中央大学で講師を勤めています。「石が教えてくれたこと」というベストセラーを書きました。特筆すべきは野崎氏で、過去にブラタモリに出演し、氏の地質学の知識をTVで放映されました。
うさおにとって嬉しかったのは、絵が全ページ、カラーで掲載されることでした。
約1000部ほど作られ、今はほとんど在庫がありません。
ひらつか防災まちづくりの会 https://hira-bousai-machi.jimdofree.com/
絵のサンプルは本をクリックしてください。
14)集合住宅の音
NPO建築音響共同研究機構 2021年12月
集合住宅の啓蒙本を出版して、間もなくコロナ感染が始まります。これから、色々な処で講習会を開こうと思っていた矢先です。
大阪の建築士会主催で講習会を開いて以降、一度も一般市民への講習会を開いていません。
とは言っても、降りやまぬ雨は無いのだから、講習会のための準備を行っておこうと、本より先に作る筈だったパンフレットを作る事になりました。A3見開き1枚のパンフレットは、A4、12ページのしっかりとしたものになりました。good
job!
コロナウィルスがオミクロンになり、BA-5になりと変化し、ワクチンを打っても再度感染したりと悩ましい時代になってきました。そのような時代なので、集合住宅の騒音トラブルを回避させる工夫など、居住者への普及活動はめどが立ちません。困ったものです。現在は、講師の委員が過不足なく講習会で対応できるように、パワーポイントの説明の充実を図っています。以下を参照してください。
NPO建築音響共同研究機構 http://andow-k.com/npo/index.html
このパンフレットは、うさおの挿絵がカラーでふんだんに入っており、やった感の大きなパンフレットです。
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15)超高層建築物の環境振動問題と対策 濱本卓司
音響技術 2020年9月
濱本先生から、「音響技術」に建築物の環境振動設計に関わる最近の話題を紹介する記事を書くので、その挿絵を描いて欲しいという依頼がありました。即、OKです。
濱本先生は、軍艦島の日本初めての集合住宅の劣化研究をされている方で、本筋は環境振動がご専門です。
うさおたちは、軍艦島のような産業遺跡や軍事遺跡、廃墟が大好きです。先生の軍艦島の研究のお手伝いもしたかったんですが、これは残念ながら叶いませんでした。
さて、先生の論文は従来の環境振動の「 評価指針 」 のあり方を見直し、「評価」と「設計」を分離し、「評価」に関しては、 2018 年 11月に「建築物の振動に関する居住性能評価規準・同解説」を、「設計」に関しては、2020 年 6月に「居住性能確保のための環境振動設計の手引き」を出版しました 。この「評価」と「設計」の分離から 「設計の手引き」の出版に至るまでと、建築物の環境振動設計に関わる最近の話題を紹介されたものです。
学術的には堅いのですが、そこを何とか柔らかく表現されたいとのことでした。うさおが「音響技術」に挿絵を入れてから、丁度30年経ちました。感慨深いです。
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16)学校施設の音環境保全基準・設計指針
日本建築学会 2020年6月10日
技術研究所の音響研究室にいた井上さんからメールが来ました。「学校施設の音環境保全基準設計指針」の挿絵を描きませんかと言うお誘いです。勿論、一、二も無く引き受けます。
情報を共有するため、急遽、日本建築学会の「学校施設の音環境保全基準・設計指針改定刊行小委員会」のメンバーに入れてもらいました。もうほとんど文章原稿はでき上っています。
主査の福地さんとは、三十年ほど前に色々、音響ホールに関して教えて頂いた記憶があります。
井上さんが入社されてきたときには、うさおは研究企画課に異動になり、その後、本社の技術企画課に異動になりましたので、業務ではあまりお付き合いが出来ませんでした。
しかし、優秀な方で工学博士を取得後、現在、技術研究所の所長さんをされています。前の所長さんとは、研究企画課で一緒に仕事をさせてもらいました
挿絵としては、前設計指針では著作権フリーの絵を用いたらしく、見知った絵が貼られていました。今は著作権の問題があるらしく、似たような絵で描いて欲しいという注文です。
以前とはテイストを変えずに描くのは難しいので、何となくうさお風の癖の強い絵になってしまいます。
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17)建築物における環境振動の設計に関わる現状 濱本卓司
騒音制御 2020年10月
これも前出の濱本先生から依頼されたものです。日本騒音制御工学会がbimonthlyで、年6冊発刊している「騒音制御」に寄稿されました。特集「建築物における環境振動の設計に関わる現状」の総論で、大胆にも挿絵を入れています。
日本騒音制御工学会は、色々お世話になった母校の小西睦夫先生も発起人の一人となり、立ち上げた学会です。先生には転職時の相談にものって頂きました。
うさおも幾つか論文投稿を行っていますが、さすがに学会誌なので漫画を入れる勇気はありませんでした。
(「騒音制御」の編集委員だった時に編集後記に挿絵を入れた時はありましたが)
「知覚する振動」と「体感する振動」の項に風呂とゴキブリを、「振動伝搬経路」と「振動伝搬特性」の項では飛脚を、「設計のための振動計測」と「評価のための振動計測」の項では医者と患者を描きました。学術誌の冒頭の論文に挿絵が入るのは画期的です。
この時には、会社の顧問を承っていたので、時間に余裕がありじっくり取り組まさせて頂きました。しかしながら、それで絵がうまくなるかと言うとそうではないのが残念です。
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18)地下トンネルの世界から
共同文化社 2020年11月21日
絵と言うのは70%が天賦の才によるものです、20%が技術の習得の度合で、10%が自分の絵に対する思い入れです。「うさお」は絵の思い入れの10%しか無い事になるが、下手の横好きでも好いじゃないですか。「絵を描かせてください」というアッピールしていると、なら描かせてみようかと言う人が、必ず現れてきます。
この本は土木設計に長年携わってきた二人の設計者が、若い設計者に向けて、頑張れと声援を送り、多くの先達たちの思いを紐解いていきます。途中、途中に鉄道トンネルの駅のホームから撮った、構造物のもつ美しさを示し、土木の楽しさを感じてもらいます。この本には、うさおの漫画チックな絵は見当たりません。真面目なタッチの絵だけです。
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19)建設ねじれっ話
建設実務 清文社 1993年12月~1995年4月かなあ
うさおの初めての4コマ漫画です。建設マンのあるある話を、面白おかしく描こうというものです。簡単に出来ると思い込んでいたのですが、あるあるネタは数話で尽きてしまいました。
友人や他のゼネコンの人に聞きまくりますが、そのままでは面白くありません。困りました。一般的なオフィースで起こる話を入れて水増しします。それにキャラクターにあまり魅力を感じられません。困った。
余談ですが、同期入社の人が現場で転倒して、鉄筋に刺されて死亡しました。最も低い位置からの落下事故で笑えません。このネタはシビアすぎましたが、啓蒙として書きました。
表紙に麗々しく「まんが建設業 ねじれっ話」と表記されています。目次にも挿絵入りで紹介されています。力を入れていますね。
当時の原稿は吹き出しに「台詞」の紙を張り付ける、漫画原稿の従来通りのものです。この原稿は返却されましたが、他社に提出した原稿は返却されませんでした。
今見ると、懐かしいではなく、どこか恥ずかしいです。
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20)アンテナショップ・サラダ街道名産品マップ
スリーアップ・オフィース 2018年4月21日
塩尻出身の三上さんから、三軒茶屋にアンテナショップを開きたいので、名産品マップを描いて欲しいというオーダーが来ました。
この当時はもっぱら線書きは浸けペンで、それをスキャナーで撮って、レタッチソフトで色を着けていました。
ですので絵はほとんどフリーハンドです。サラダ街道の道を綺麗な平行線で表現して欲しいという希望を出されたときには、どうしようかと思いました。悩んだ末に、wordの描画ツールで道を描き、手書き原稿とレタッチソフト上で合体しました。
その時に思ったのですが、スキャンしたデータは、細部が潰れてせっかくのペンタッチが生きてきません。
(いや、そんなに拘るほどのものでは無いのですが)
他の依頼者の絵も細部が潰れるのが気になり、高細精度のスキャナーを持ってないか聞きましたが、誰も持っていないし、気にもしていなくて、もっと粗くても十分だよと取り合ってもらえません。
まっ、そうだよね。それで名産品マップの原稿料で、タブレットを買いました。筆圧に合わせて、線の強弱が付き、ペンで書いたように見えます。ただ、ペンで描く時の紙との微妙な摩擦感が無く、つるつる滑るので、思った線が描けません。二つの意味で見事に滑りまくっていましたね。(下はマスコットのふれ坊)
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21)武道と建築 (未稿) 石田理永
中京大学 東京都市大学
筆者は柳生新陰流の師範の資格を持つ武道家であり、構造物の振動の大家でもある。長年の研究の成果から、武道と振動の原理が同一のものではないかと思い至ります。そんな振動工学を剣の奥義と照らし合わせながら解説を進めています。また氏は合気道の達人でもあります。
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22)環境振動環境振動の変化
日本建築学会 環境振動運営委員会 2019年10月
日本建築学会の環境工学本委員会の傘下に、環境振動運営委員会があり、環境振動の多様化・輻輳化・複雑化のイラスト例として、周辺環境の変化:時代の変化を漫画で示すことになりました。
歴代の委員長と幹事が集まって、イラストの構想を話し合いました。どんなアイテムをその中に入れるか、過去、現在、将来を示したい、色々な意見が出ました。
360度の周囲を見渡せる絵を入れたい、要求はさまざまでしたがなんかと書き上げました。何か学会のホームページに上げると、横に広がった可笑しな絵になってしまいました。見せる技術が足りませんでしたね。
詳しくは学会のホームページをご覧ください。
http://news-sv.aij.or.jp/kankyo/s17/AIJ_EVindex.html
この頃から絵が変化します。お団子に目鼻のような絵から、背景を少しリアルに描くようになりました。ざっくりした背景の方が絵に会うのですが、まあ、画力に乏しいので代々木公園のような感じでと言われると、代々木公園をお手本にして線を入れますが、細部の誤魔化し方がよく判りません。ああだろうか、こうだろうかと悩みながら、ちまちま描き入れる絵になっています。ああっ、面倒くさい。素人芸なんだしこれで我慢して貰おうっと・・・。
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23)老人が楽しく過ごせる町づくり (仮題) (未稿) 濱本卓司、舟岡努、木村年男、阿部寧
~ボイド空間と多孔質ファサードの創出~
世界一高齢化が進んだ日本のまちづくりは,老人が楽しく過ごせないようでは意味がない。しかし同時に,老人だけでなくすべての老若男女が楽しく過ごせるまちづくりであることも大切である。それを可能にするためのハードとソフトを,これまで建築とまちづくりに関わってきた4人の老人と1人の挿絵画家が議論しながら考えた。
路地、生活、外国人 老人が楽しく生きるには。
濱本卓司、舟岡努、木村年男、阿部寧等による町作りの考え方。
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24)「地球」(未稿)
交詢社 地球研究会機関紙
交詢社では幾つかの研究会を主催しています。そのうちの地球環境を考える研究会では、自然エネルギーからウクライナ戦争に至る諸問題を、月一回の割で講演会を行い討論の場としてます。銀座にある交詢社は古き良き時代の風格を有しています。
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25)塗床材の施工監理(仮称)(未稿) 横山裕 三上貴正 横井健 久保健治
工文社
建築資材の塗床の施工監理方法について、多くの事例で紹介したもの。委員会の技術標準として書かれた図版類を一般の工務店のレベルにブレイダウンさせ、施工者の理解を広める。特に漫画チックな挿絵でとっつきやすさを図る。
26)Ⅴ.環境振動設計の確立と課題
Ⅶ.広域高密度環境振動モニタリングによる振動源の特定 濱本卓司
建築技術 2023年09月
「環境振動を考える2023」と題した特集に、2つの項目を先生は執筆されました。で、イメージをイラストで示したいという濱本先生の思いを受けて、絵を2枚描きました。というか、今迄に描いた絵を少しリニューアルして作りました。
見た目、よく知っている人は、あの絵のパクリじゃんと判っちゃうなあ。白黒にするとまったく別の絵に見えるから不思議です。
「取り巻く環境振動」は昼と夜の違いで、対象とする振動源が異なる、そんな感じを絵に表したかったぞ。
「環境振動モニタリング」は特定の地図を参照して描いたのだけど、どこの地域だったのかまったく覚えていません。大丈夫か、うさお。
他の執筆者さん達も学会で存じ寄りの方々ばかり。皆さん現役で素晴らしいなあ。
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27)朝倉先生依頼 朝倉巧
東京理科大学
研究費を獲得するためには、学内でもプレゼンが必要とのこと。先生方も色々と大変なのですね。以前、騒音制御工学回の学会誌の編集委員をしたことがあります。その時に朝倉先生に無理を言って執筆して頂いたことがあります。
これはぜひともご協力させて頂き、うさおの絵をもっとバンバン出さなくっちゃあ。
先生の当初のイメージに沿ったどうか知りませんが、描かせていただきました。たいへん厚かましくて申し訳ありません。
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28)業務の紹介パンフレット
日本交通技術
2022年まで勤めていた会社から、部署の業務を自治体さんの担当者に説明するパンフレットの絵を頼まれました。
どうやら踏切の改修設計とか、調査業務のイメージらしい。
どうやってお施主さんに説明に行くのだろう。あまり、絵がバカバカしいとご担当の方が怒っちゃうかも。そんな事にならないように、少し真面目に取り組んでいますよ。
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29)奥能登の漁業復興のための浮体式漁港の提案 濱本卓司
日本建築学会 2024年度大会 8月29日(木)明治大学
濱本先生にお頼みされて奥能登地震で被害を受けた漁村の復興の一つの試みとして、浮体式漁港の提案をされたものです。
日本建築学会の海洋建築部門にこの試案が投げ掛けられました。陸で構築された浮体式人工地盤を、船で運んで元の漁港沖に設えるものです。村に繋がる道路が通行不能になっても、海から再構築することが出来ます。
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30)老人が楽しく過ごせる町づくり フォーラム 濱本卓司、舟岡努、木村年男、阿部寧
如学会NEWS 共用空間と柔らかい建物外観 2023年6月24日・8月26日・10月28日
ボイド空間研究会が主催する「老人が楽しく過ごせる町づくり」のフォーラムが東京都市大学二子玉川夢キャンパスで開催しました。3回のテーマに分け、「路地・寺社・商店街としてのまち空間」、「住みやすさ、社会とのつながり、思いやりを提供するまち」、「地域の違い、世代の違い、国際化にたいおうできるまち空間」を講演し、会場からの疑問にも討議を交わしました。
絵のサンプルは絵をクリックしてください。
31)自然災害に向き合う 西岡哲、中尾健兒
八朔会あゆみ 2021年5月31日
西岡哲氏は静岡出身の人です。八朔会は静岡県人会の融資の人の集まりで、美味しいものを食べ闊達なお喋りをする会です。
ひらつか防災まちづくりの会が作った「あなたの家は大丈夫」の本の紹介と、最近はどこの地にあっても災害の危機に見舞われる危険性があることの警鐘を鳴らしています。
いわゆる公助、自助、共助のあり方、心構えを本文から抜粋して示しています。マイタイムラインの作成手順は役に立ちます。
ここに載せた絵は、「あなたの家は大丈夫」で描いた絵をバージョンアップさせています。あの本の中を探しても、この絵はありませんよ。
絵のサンプルは絵をクリックしてください。