を作った人

              開発者 剣持秀紀さん
                                 

 Vocaloidは今や世界的に注目の技術です。

 さて?Vocaloidは何者だ?うさおは説明しにくいので、WindowsのAI検索アプリCopilotに聞いてみよう。どんな答えをくれるかな?

「Vocaloidは、ヤマハが開発した歌声合成技術およびその応用ソフトウェアのことです。簡単に言うと、パソコンやスマートフォンに歌詞とメロディーを入力することで、人の声をベースにした歌声を合成することができます。
 Vocaloidの代表的なキャラクターには、初音ミク、鏡音リン・レン、Megpoidなどがあり、これらのキャラクターを使って多くの楽曲が制作されています。特に初音ミクは、アニメのような可愛いキャラクターと高い歌唱力で大ヒットし、Vocaloid文化の象徴となっています。
 Vocaloidは、音楽クリエイターにとっての革命的なツールであり、プロのシンガーを必要とせずに、自分の楽曲を簡単に制作・発表することができるようになりました。これにより、多くのヒット曲が生まれ、ボカロP(Vocaloidプロデューサー)と呼ばれるクリエイターたちが活躍しています。」


 おお、Wikipediaより断然詳しい、すごいんじゃ。

 うさおは騒音制御工学会という騒音・振動対策を研究課題とする学会に属しています。その研究誌「騒音制御」で「音のデザイン」-快音化の新たな試み- という何やら目新しいテーマが目に付いたのが2013年のことです。
 No.5 特集:「音のデザイン」その3-快音化の新たな試み- (2013.10)
 合成された歌声は心地良いか?-歌声合成技術 VOCALOID- 剱持秀紀
 初音ミクの名前は知っていましたが、Vocaloidは良く知りません。ヤマハはもともと、人工音源による電子楽器の技術を完成させています。キーボードを押すと、ピアノやギターの音源のデータベースから選択をして、音楽を演奏する技術です。その類のものかなと思っていました。
 この論文はその開発者の一人である剣持氏が書いています。

 2003年にはVocaloidの基本的な信号処理を完成させました。剣持氏が描いたブロック図を見てください。
 歌手ライブラリーの歌音データベースから、キーボードの入力情報からソースを選定するのは、電子楽器の音源生成の流れと同じです。問題は歌詞としての音源を並べただけでは、音楽の流れにならないことです。組み合わせた流れのピッチ(音の高さ:音程、 曲のテンポなど)やエンベロープ(時間波形の包絡線:音量の変化曲線)を曲想に合わせてスムーズに加工する技術が必要なんですね。※1、※2

 知らんけど・・・。
 あまり詳しくないので再度言います。詳しいことはWikipediaを参照された方が良いです。

 今のVocaloidは第6世代で、その音源に柴咲コウや小林幸子も入っているんだって。ふ~ん、全世界中に自分の声が流れるなんて夢のようだね。

 うさおはその当時、ヤマハの音響研究所の川上所長さんと懇意にさせてもらい、ピアノの製造工場の見学や日本武道館の音響機器の設置状況など見させてもらいました。日本武道館の時は周囲にリハ音源を流して調整していたので、会話がよく聞き取れませんでした。
 BCSの研究企画懇談会では、毎月異業種見学会を企画しており、うさおが幹事の時に浜松に赴き、ヤマハの音響研究所と浜松フォトニクスの開発部門を見学しました。
 うさおは一時期、騒音制御工学会の編集委員だったのですが、「騒音制御」で取り上げようとは思いませんでした。騒音対策がメインのテーマでしたからね。うさおが関われず残念でした。

 さて、剣持秀紀氏はデジタルハリウッド大学の福岡俊弘教授とVocaloidについて対談されています。
 福岡俊弘氏は『週刊アスキー』編集長を皮切りに、初音ミクの「千本桜」の10周年イベントもプロデューサーされました。※3、※4


 うさおはデジタルハリウッド大学の杉山知之学長さんが、日本大学理工学部の助手をされていた時に知り合いました。大変気さくな方で、いつもニコニコされており、技術的相談にものって頂きました。しばらくして渡米され、MITの客員研究員をされました。帰国後すぐにデジタルハリウッド大学を立ち上げ、コンピュータを用いた動画や映像効果、音響効果のデジタル技術の教育現場の魁になりました。
 デジタルハリウッドの名称は、ハリウッド映画界のデジタル・エフェクトを担いたいという処から付けられたと聞いています。決してキャバレーに行って楽しみたいという事ではありませんと笑っておられました。(今ではキャバレー・ハリウッドが無いので死語です)

 話が逸れちゃいましたが、ヤマハは楽器製造のアナログ音響から、デジタル音響にシフトして全世界を席巻したことが凄いと言いたかったのです。ピアノの製造は今でも世界一だそうです。

 余談ですが、低域の艶やかな響きを持つベーゼンドルファーはYAMAHAの傘下のピアノメーカーです。通常88鍵ですが、低域用に92鍵、97鍵をもちます。
 hayakawa邸小ホールの「出会いの午後」演奏会で用いられたベーゼンドルファー。


 
 同じく艶やかな低域を持っているKAWAIのshigeru・kawai modelも素晴らしいピアノで、カワイ表参道のコンサートサロンに置いてあります。元TBSの武川さんがここで不定期のピアノコンサート「音の個展」を行なっています。


参照文献
※1歌声合成について ―「初音ミク」を支える技術― ヤマハ株式会社 研究開発センター 音声グループ マネージャ 剣持 秀紀
※2歌声合成技術 VOCALOID ™ と新しい音楽 JAS Journal Vol.54 No.2(3 月号)
ヤマハ株式会社 事業開発部 yamaha+ 推進室 VOCALOID プロジェクト 剣持 秀紀
※3絵の参照:https://www.spacetimes.co.jp/senbonzakura/
※4ニコニコ生放送 剣持秀紀 × 福岡俊弘 特別対談 「ボーカロイドはなぜ世界に受け入れられたのか?」2012/12/21(金) 20:05開始(1時間28分) ※3