柳瀬博一
平凡社新書
うさお
ニシさんの甥御さんで東京工業大学リベラルアーツ研究教育院の教授の柳瀬博一さんがいます。
都市に生息するカワセミに焦点を当て、人間と居住する野生動物について愛情をもって観察され、その研究成果を本にまとめています。
カワセミと言えば綺麗な水系に生息すると思っていました。それが東京という自然とは縁遠い汚れた地域でも逞しく生きていることを、この本から知らされます。さすが学者さんで豊富な実証と写真と生息地域の流域データを提示し、面白い考察を展開されています。
なかなか語り口も柔らかく、しかも古畑任三郎のような推理スタイルで解き明かすと宣言されているので、大変読みやすいです。
東京にもカワニナが生息しているそうで、蛍の幼虫はそれを餌にしています。以前に新幹線の環境アセスの中で、カワニナの個体数と分布の調査がありました。カワニナは清流でしか生息できないと言われていたので、東京の環境汚染もだいぶ改善されてきているのかもしれません。
カワニナとホタル
それしにしてもカワセミは綺麗な鳥です。国立に住む研究者さんが飛来してくる鳥の写真に凝っていました。国立は緑の多いところで池もあり餌が豊富なのでいろいろな種類の鳥が来ます。その中でもカワセミは宝石並みに貴重な被写体なんだとか。今までのカメラでは飽き足らず、他の研究者メンバーに相談してSONYのミラーレス・カメラを買いました。本体とズームレンズとで50万円します。3ヶ月以上も迷っていましたがついに購入しました。それほどカワセミは人を虜にする鳥なんです。
近所の川に鴨や海鵜が季節になると泳いでいます。大量のボラの子供も淡水域に遡上してきます。そうなると亀が泳いでいたり、白鷺も来てドブ川が賑やかになります。
海鵜 2022年2月5日
亀 2008年5月17日
白鷺 2022年2月5日
川の縁に桜の木や銀杏の木があるので、セキレイやメジロもやってきます。アオサギが家の前の貨物別線のシェルターの屋根を歩いていたことがあります。
青鷺 2022年2月5日
一度だけカワセミを見た気がします。あれはカワセミ?色はそっくり?でもここはドブ川だし?
でもあれはカワセミでしょう。柳瀬さんの本を読ませてもらって、こんなに汚染されているところでも来る可能性があることを教えられました。
またあるときは正体のわからない鳥も来ていました。
この川は台風の時に氾濫し、緊急に鋼矢板を打ち込んだ剃刀堤防ですが、数十年も経つので色々な処に汚泥が堆積し草木が生えビオトープ的環境改善が出来つつあるのかもしれません。
剃刀堤防 2024年4月5日