78号の書感(うさお)
 
 

表紙
 隅田川沿いの遊歩道は何度も行っていました。月島にもお好み焼きを食べに何度も行きましたが、内火艇は見逃していました。遊歩道の端にある霊岸島の水位観測所や量水標跡も行きたいと思っていました。よく水準と言う表記がありますが、あれはこの霊岸島の平均潮位を基にしています。

広島の四季② 
 毛利元就は後世に名を馳せた大大名で、知将の誉高い人です。広島にも何回か訪れていましたが、元就の墓は行ったことがありません。旧安佐郡に大学の友人の実家があり、学生時代に訪れたことがあります。お寺さんだったので広い本堂にぽつんと布団を敷いて寝た記憶があります。猪が夜でも徘徊すると聞いていました。何かの音がする度に、「猪?狸?襲ってきたらどうしよう」と震え上がったのは言うまでもありません。

海洋堂
 今の若い人がフィギュアに対して、深い憧憬を抱いていることを知ってはいますが、この精緻な作りを見て納得しました。学識ある60歳にもなるおっさん(ウクライナ視察団の団長)が、美少女のフィギュア作りに傾倒し、うさおにスマホの写真を見せてくるのを怪訝に思っていました。海洋堂の細かい造形を見てその趣味を笑えなくなりました。これだけ細かいと何か色を入れたくなるなあ。うさおにも出来るだろうか?今から細かい色塗りやパテ加工など職人の技を習得できるだろうか。

オーディオへの道「熱中編」
 音にこだわりのある人は、音への感性を求められます。う~む感性ね、言うは易く音を感性で読み解くのは難しい。感性ってものを人に説明するのは難しく、教え込むのは更に難しい。昔、学生さん達をビクタースタジオに連れていき、先輩ミキサーさんに音にむかう心得など説明いただきました。が、あまり感性論は伝わった様には見えなかったなあ。音楽家の感性、音響技術者の感性は似て異なります。
 たつおと氏の言うようにレコードのスクラッチノイズは気になります。このノイズが光カートリッジを用いるとものすごく減少します。うさおの豆知識でした。

幸せのメカニズム
 工学とは経験による帰納法的推論を重ねる学問です。幸せ感は人それぞれですので、数多くのデータを取っても一つの結論にたどり着くとは限りません。蓋然的にこういう結果が得られる筈だということに留まります。人間と工学の合体は、曖昧なもの同士の重なり合いです。超難しい。「どう解釈するか」のところに曖昧性を持たせないと、自分に対する救いがなくて、へこんじゃいますね。ああ、幸せになりたい。

今夜はシングルモルトウィスキーで!①,②
 お酒と半導体はきれいな水がふんだんにある所が選ばれます。②では蒸留/醸造所の景色も紹介されていますが、風光明媚な処ばかりです。酒が飲めないうさおでも、行ってみたい気にさせる処ばかりです。試飲を勧められるとうっかり飲んじゃうかもしれない。
 昔の技研の仲間で酒瓶のラベルを集めている人がいました。瓶を抱きかかえて風呂に入ると綺麗に剥がれるんだそうですよ。スコッチ・ウィスキーのラベルもとてもシックなので集めるのも面白いかも。

読書評 新宿鮫
 うさおはドンパチが大変好きです。知り合いもそれを知っていて好みの本を貸してくれます。どうして、うさおが高尚な本を好きでないのをみんな知っているんだろう。特に学術書は嫌いです。1ページを読んだ時点で目が泳ぎ、2ぺーじからは文章が頭に入ってきません。大事なところは付箋を付けて置かないと、忘れてしまって筋を辿れません。その点、新宿鮫は付箋を付けなくとも読めます。それに犯人は初めから分かっているので、後はドキドキしながら読むだけです。本の順番を間違えて読んだ時には、ちょいとショックでしたけれどね。

読書評 「三年長屋」考
 日出彦さんも小説の置かれた状況に興味を抱いている一人です。どの場所で、長屋のどこに住んでいるのかを、色々な文節、文脈から推理をして確定していきます。作者は自分の机の前に、当時の地図や長屋の見取り図を貼っていて、ストーリーを紡いでいるのだと思います。それを再現します。長屋の構造を頭に入れ、その絵図を再構築してみせるのもマニアックでとても楽しい作業です。

ハンバーガー帝国のヒミツ
 この映画のあらすじは実話だけに面白かった。レイ・クロックの半生は今まで知りませんでした。酷い人間だなあと思う反面、こういう奴がうまく立ち回るんだよなあと何故か納得してしまう。

スタンダードな日常から⑧~⑪
8)伊勢に出雲に京都に奈良に?
 ご夫婦揃って神社仏閣拝観旅行に行かれて羨ましい限りです。旅行はやはり何らかの目的があってするので、その時点、時点で見たいものが変わります。だから何回も同じ地に行くことも多々あります。「日本人として一度は行かなくてはならない場所」って?伊勢、出雲、奈良、京都、沖縄は分かりました。後は、神や仏が宿るところ?恐山とか?
9)寄席に行きませんか?(その1)
 大分昔、小さんと圓生が対立して圓生が弾かれたのを知っています。「派閥」ですね。この世界でもまだあるんですね。色物と言うと昔は太鼓持ち芸が入っていましたね。三味線都都逸(柳屋三木松とか)、人形振り(糸で吊るしたような所作)、大道芸もありましたね。
※三遊亭圓生の弟子が円楽でした。
10)成し遂げる事 < やり遂げる事?
 うさおは「小平奈緒」さんの意気込みが好きです。「do the best」と言ったのは森高千里さん、本当は「do my best」が正しいなんて野暮は言いません。どのような結果であってもベストを尽くす。これ重要です。
11)ジョブズは何の天才だったのか?
 うさおが若い時には展示会は浜松町あたりで行われていた記憶があります。世界貿易センタービルかなあ。パンフレットを集めるだけ集めて重い紙袋を背負って帰りました。その時にLisaを見た気がします。当時の金で700万円だったような。それでちょいとmacのファンになって、お供達からmacを借りました。友達が買い替える度にお下がりを借りていました。
炊飯器はマイコン焚きって書いてあるから、中にコンピュータが入っているのは知っていましたよ。 

大阪の名建築を巡ってみる
 小川香料大阪支店のステンドグラスは一見価値があります。生駒ビルヂングはスクラッチ・タイルが見ものです。日本綿業倶楽部は中に入ってレストランに行きたかったなあ、お茶でも良いよ。船場ビルディングはぜひ訪れて欲しい名建築です。ここに住んでいる人が羨ましい。天井の背が低いので今風じゃないけどね。杏雨書屋のある道修町通りには田辺三菱製薬の資料館があります。「くすりの道修町資料館」や大阪薬科大学発祥の地だとか薬屋さんの聖地でした。


2024年3月発行 (多分ね)
発行人 読書を楽しむ会
表紙 cacco
製作 M“s factory