ネタバレ注意!
                                                       うさお&Cacco

 ゴジラは悪い子じゃないんだよ、可哀想な子なんだよ。「Saigottimo」さん風。

 
 https://cocolodol.co.jp/column/より

 2024年3月25日に「ゴジラ-1.0」を見に行きました。なんとその3日後(3月28日)に「Saigottimo」さんから「ゴジラは怪獣じゃないんですよ」のブログの案内が来ました。映画の内容は氏のブログをご参照ください。

 https://ameblo.jp/saigottimo/entry-12844884434.html

 何だかシンクロしているぞ。私たちも「IMAX」で見たぞ。Caccoは映画館で泣いていました。何か鼻をぐすぐすしていたので、花粉症かと思ったが泣いていました。
 Caccoがアカデミー賞の発表を毎年観ているので、「ゴジラ‐1.0」が賞を取ったのをみて、映画館で観てみたいとつぶやくと、早速行こうとなりました。


 映画「ゴジラ-1.0」ポスターより

 大東亜戦争の終戦直後の世情がよく描かれ、切なくも悲しい人間模様がゴジラ以上に泣かせます。うさおは銀座和光ビルや有楽町日劇の町並みが再現され泣きました。
うさおは心情的右翼なので、大東亜戦争と言います。一般の方は太平洋戦争と言いますね。

 家に帰ってから、改めてU-NEXTで「シン・ゴジラ」を見ました。二つの映画の違いを見てみました。「シン・ゴジラ」はいかにも庵野さんぽい香りがする映画で、「ゴジラ-1.0」はゴジラ君が暴れちゃうけど、敗戦直後の復興の物語です。Saigottimoさんが読み取ったとおりです。「シン・ゴジラ」がドライで「ゴジラ-1.0」がウェットです。

 さて、ビキニ環礁の水爆実験の影響で、小笠原諸島の大戸の島に生息していた古代生物「呉爾羅」が被爆にあい、体細胞が突然変異し体長15mから50mに巨大化します。生まれたくて生まれた訳ではありません。ねっ、可哀そうでしょ。


 https://otaku.mantan-web.jp/20231019_004/より

 「ゴジラ-1.0」はとても面白かったなあ。可愛いし、首をグルングルン振るところなんかワンコみたい、ライ隊員も首を振り回し歯を剥き出して威嚇してきましたね。
※ライ隊員:以前飼っていた茶色いやつ。柴ドリルが得意技。

 1954年に香山滋は東宝の田中友幸に請われて「G作品」の原案を考えました。「核の落とし子」、「人間が生み出した恐怖の象徴」となる怪物を作り出しました。
 初ゴジラを当時7歳だった「うさお」は、ビルのはるか上のゴジラの頭や、巨大な足だけが人々を踏み潰すシーンを見て口をぽかんと開けていました。「スゲ~え!」

 さて、うさお的には幾つかの点に興味を持ちました。


水爆 1952年11月1日の実験 

 ゴジラは1946年のビキニ環礁の水爆の影響で巨大化します。水爆は原爆の約1000倍の熱エネルギーを放射します。だとすると原爆の1000倍もの放射能が放射され、その被曝量も格段に違うと思われますが、原爆は核分裂による爆発なので放射能濃度は大きいのですが、水爆は核融合なので中性子線は出しますが放射能はほぼ出しません。ただし、起爆装置にTNT火薬では足らず小型核爆弾を用いるので放射能は放出されてしまいます。確かに1946年から1958年までに67回も実験を行っているので放射性物質の蓄積量はかなりのものになるでしょう。でも1946年の初めてゴジラが被爆したときは、1945年の広島、長崎の原爆投下と同程度だったのではないか?
 水爆実験の放射能被爆でゴジラは焼き尽くされて、細胞が変化し巨大化したそうですが、跡形もなく焼き尽くされちゃったんだよね???


長崎に投下された原爆 1945年8月9日

 敷島浩一と大石典子は、ゴジラが銀座を襲った時に、大量の放射能被爆をしてしまいます。画面を見ながらこれは大変なことになったなあと彼らを心配してました。第一、大石典子は爆風で飛んでっちゃいましたからね。安否を気遣ってました。後で助かって病院にいることが分かり、Caccoは安堵していました。「助かってよかったね。」



 さて、あの大量被爆した大石典子はこれからどうなるのでしょう。ゴジラは細胞再生して巨大化しました。この二人も細胞が突然変異し巨大化するのでしょうか?
 これからもこの二人はシリーズに出てきそうな感じです。それを予感させる何か意味ありげなシーンがあったような気がします。「ゴジラVS典子」ってのは、いささか嫌だな。



 次の疑問はゴジラを倒すのに用いられたフロンガスのことです。以前のエアコンの冷媒によく使われていました。人に影響を与えないし燃えない安全なガスとして開発されました。 しかし、フロンガスがオゾン層を破壊することが分かり、1996年には使用が禁止されます。映画だから煩いことを言わなくてもいいんだけど、今の時代、公害のもとになっている物質を建前上、使ってもいいのかなあ、代替フロンを使えばいいのに!1947年ではまだ開発されていなかったか。


フロンガスの使われ方 自動車 クーラー 冷蔵庫

 大東亜戦争の末期に、いろいろな戦略兵器が開発されました。映画の中に出てくる局地戦闘機「震電」もその一つです。わ~い、知ってる、知ってる。遊就館に展示されている「桜花」というロケット燃料を搭載した特攻機とか、伏龍、弐式大型飛行艇とかの幻の兵器ですね。
※桜花:実際に製作され実戦に用いられ、55名の特攻隊員の方が亡くなっています。


天井に吊るされている桜花 遊就館 2014年7月30日

弐式大型飛行艇

伏龍 遊就館 2014年7月30日

 1944年5月に迎撃用高高度戦闘機「震電」が開発されました。卵に羽を付けたような前翼式の戦闘機です。可愛い。エンジンは離昇出力2130馬力の三菱製「ハ四三」四二型を胴体中央部に搭載しているので、エンジンの振動や騒音はもろに操縦席に入り込んできます。最大時速740km/hで飛行可能だったそうです。1945年6月に初号機が完成して降り、その機体が映画の中では使われています。


震電 ラダー(方向舵)に小さな車輪がついている

 同じような前翼式航空機として、サーブ21とかXP-55などがありますが、可愛さで言ったら「震電」の勝ちですね。「Gu-Guガンモ」にそっくりな気がする。ぷっくらとしていて何とも可愛い。


サーブ21 スウェーデン

xp-55 米国

 ついでにU-NEXTでハリウッド版のGODZILLAも観てみました。CGがふんだんに使われていてリアルさは今までのゴジラ映画とは格段の差です。しかし外人の作るゴジラです。お国ぶりが全然違います。ゴジラはかろうじて原型を保っていますが、対戦する怪獣「MUTO」はまるで「エーリアン」のような生態です。イメージはサルヴァトール・ローザ描くところの「悪魔の使徒」に酷似しています。あちらの国の宗教観が反映されていますね。


MUTO キング・オブ・モンスターズ

悪魔の使徒 サルヴァトール・ローザ

 面白かったのは、巨大怪獣をターゲットにした秘密機関「モナーク」が、モスラを育てていたりとかしています。ゴジラが暴れたらモスラを対わせるためです。その機関のメンバーにチャン・ツィイーが出演しており、国際的スターがゴジラに出るんだ~と嬉しくなっちゃいました。(ゴジラ キング・オブ・モンスターズ)
※チャン・ツィイー:「初恋のきた道」、「グリーン・デスティニー」に出演