Tomy jr.
リアル爺ぃは老人を演じるか?
「そういえば初体験、済んだ?」「まだ」「噓つけ!」って、これは男子高校生の会話ではなく還暦を過ぎたジジイ同士の会話です。イイ歳こいたオッサンの“初体験”というのは?
電車やバスで「どうぞ」と席を譲られる体験のことです。ま、どんな体験にも最初があるはずで、初めて席を譲られるのが還暦前後というのが標準的(スタンダート)なようです。
車内でたまに見かけるのは、譲られた途端に狼狽えて「いえ、結構です」とも言えず拒絶する人が居ますが、それは
もしかしたら、その人にとって初体験だったのかも知れません。かくいう私は未体験だと言うとカミさんは「何言ってんの!こないだ譲られたじゃない」「いやいや、そんなことないよ」というやりとりを何度かしました。
公共機関で席を譲られるのは「見るからにお年寄り」か「立っているのが辛そうに見える」からで、
見た目が若そうで溌溂としていればそんな体験はしないはずですからね。確かに還暦をとっくに過ぎた私も白髪のせいでグレイヘアになったとはいえ、自分の中では「まだまだそんな、席を譲られるなんてトンデモナイ」という気持ちが強いのです。
【波平 (フジテレビWebより)、渡辺課長 (amazonより)】
現在、日本人の平均寿命*は男女とも80代で企業には65歳までの雇用義務があります。でも平均寿命がまだ還暦前後だった頃の定年は55歳でしたから、今の60代は昔の40代くらいでしょう。
サザエさんの父(波平)の設定年齢は54歳、黒澤映画「生きる」の主人公で定年間近の渡辺課長は52~53歳との事ですが、今なら彼等は間違いなく席を譲られますよね。
「人は見た目と逆」というのが私の持論で、例えば
愛想の悪い奴に悪人はいません。だって悪事を働こうとしている奴は必ず人前で愛想良く振る舞って善人を装うはずですから。同様に
若い時はオトナに見せようと背伸びをしますが、トシを取ると逆に自分を若く見せようとするものです。恐らく自分の足りない部分を補おうとする心理からでしょう。
私より年長の知人から60歳以降の年齢によって呼び方が違うという話を聞きました。
60歳からは「シニア」、65歳から「高齢者」、70歳になると「お年寄り」、75歳過ぎると「老人」だそうです。ご自分は77歳なので「老人」になったとおっしゃる。会社の定年や(前期・後期)高齢者などは定義があるとしても、そんな呼び方の違いが本当にあるのでしょうか。
調べてみると
映画の「シニア割引」の対象年齢は確かに殆どの映画館が60歳以上です。また
「高齢者」は65歳以上と国連が定義していて統計資料や自治体の高齢者施策の対象年齢は「65歳以上」です。但し、それ以降は様々で、70歳以上が対象の自治体の交通機関パスは「シルバーパス」と呼ぶし、「老人ホーム」も75歳以上でなくても入居できるようです。
【左からプール利用券、高齢者無料入浴デー利用者証、高齢者対象講座名札】
私は地元自治体の高齢者サービスをことごとく利用しています。
60歳以上は屋内温水プールをいつでも (通常400円のところ) 無料で利用できますし、
区内の銭湯で「高齢者無料入浴デー」として第1第3日曜が(通常520円のところ)無料です。また
65歳以上対象のヨガ教室や文化講座も受講していて、3年後の「
東京都シルバーパス」取得が待ち遠しいです。
【shufuseより】
昔は「シルバーシート」と称していた席が今は「優先席 Priority Seat」となっています。これは「お年寄り」のみならず「怪我や障害や病気で身体が不自由な人」や「妊婦」「小さな子供を抱えている人」等も対象だからでしょう。リアル爺ぃとしては、優先席が空いている場合は出来るだけ通常の席に座らずに老人っぽい様子で座っています。(2023.8.3)
*平均寿命:2022年(令和4年)は男81.05歳、女87.09歳(厚労省より)だが、1950年(昭和25年)は男58.00歳、女61.50歳。(内閣府より)