日本初の金目川サイクリングロード

                         ニシサン

 うさお氏に何か投稿するように言われ、以前金目川水系流域ネットワークのせせらぎ通信原に書いた、平塚の金目川サイクリングロードについて寄稿します。サイクリングをされる方は、機会があれば走ってみてください。
 
 金目川水系流域ネットワークでは毎年3月に、金目川の河口部に近い花水川の土手の清掃活動を続けてきています。金目川の河口部を花水川とよんでいます。ただし2020年からはコロナウィルス流行の影響で中止しました。
 金目川右岸には人と自転車がようやくすれ違えるほどの小道が下流から上流に向かって続いていて、清掃作業の時にもウォーキングやランニングをする人、サイクリングする人をよく見かけます。

 この小道が日本で初めて整備されたサイクリングロードであることを、最近NHKBSの「にっぽん縦断・こころ旅」(平塚)を見て知りました。この道が開通したのは、1967年の10月10日の体育の日だそうです。日本初といわれると、この小道に愛着がわいてきて、サイクリングしてみようという気になるから不思議です。

 平塚ラスカも、日本国有鉄道が出資した駅ビルとしては日本初(1973年)ということで、変なところで平塚を誇らしく思ったりもします。
 サイクリングコースは、国道134号線の花水川橋のたもとを起点に、右岸を吾妻橋まで上流に向かい、そこを右折し鈴川の大畑橋まで進み(この間は連絡路)、鈴川の右岸を下って、下之宮橋を右折し、金目川の新霞橋に出て、出発点に戻るPの字を書くようなコースです。
 13,150mの平坦なコースなので、子供から高齢者まで川の様子や田園風景を楽しみながら気楽に走破できます。 
 このサイクリングコースで特筆すべきことの一つは、3月下旬の桜のシーズンです。土手に植えられた桜が、小道を覆いかぶさるような花のトンネルとなり、桜吹雪の中をゆっくりと通り抜けるのは実に気持ちの良いものです。桜のシーズンでなくても、緑のトンネルも気持ちよく走れます
 土手や河原にはセイヨウカラシナも咲いていて、桜のピンクとセイヨウカラシナのイエローが春のあたたかな光の中で映えています。お母さんとお子さんが花を摘む姿も春ののどかな風景となっています。当然散歩やランニングでも良いです。
 晴れた日には、富士山や丹沢の山並みも美しく、地元にもこんなによいところがあったと再発見できます。
 最近全国各地で、台風や梅雨前線の停滞などによる豪雨で、川の氾濫が多発するようになってきています。金目川でも豪雨により堤防の破損や越流が生じています。そのためか、下流部での堤防の拡幅や河床の浚渫が進んできています。昨年河川清掃した時にはあった河畔林の伐採が進み、きれいに整地されつつあります。
 花水川を愛し、土手の清掃を一人で始めた府川さんは語っています。「私は何度も長年にわたりチャリで走りまわって、豊かな自然と川原に生い茂る夏草を、土手の雑木を、金目川の流れを注視してきました。課題はその都度、県平塚土木事務所に連絡して、すでに河床の整備や土手の木の伐採は実施されています。土手にはオニグルミがあり「秋の風物詩」、野イバラが5月の薫風に香りを、そして、ミツバチがよってきています。コガネムシとの出会い、ナナホシテントウムシとの出会いと、アユが群れている姿は一見に値します。
 桜が丘幼稚園の近くの河原に、通称柳の小島と呼ばれる大きな柳が茂っているのが見えます。「近く柳の木を伐採する」と書かれた告示看板が掛けられています。この柳は詩にも歌われる中国杭州市の西湖に生えているサイコホソバヤナギの系統のようです。残せるものなら残していきたいですね。
 自然環境を保全しながら、どうやって自然災害を防ぐか?または受け入れるのか?むつかしい問題ですが、皆で考えていかなければなりません。
 金目川ではよく注意して川を眺めていると、清流の宝石と呼ばれるカワセミに出会えます。金目川では四季を通して様々な野鳥と出会え、その数は30種類以上になると佐藤道夫さんは「金目川水系で出会った野鳥たち」に記録しています。親子のセキレイやササゴイがボラを取ったこんな光景に出会えるかもしれません。
 ぜひ天気の良い日に、金目川サイクリングロードに行き新たな出会いを発見してみてはいかがですか?
 
金目川水系流域ネットワークのホームページも覗いてみてください。


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