読書リスト

005 がみちゃん

題 名  作者名  ひとくちコメント  評 価 

わらう
 伊右衛門

京極夏彦

せつないラブストーリー。 恐くないお岩さん。

 ☆☆☆☆
白夜行 東野圭吾 ※総力特集  ☆☆
北壁の死闘 ボブ・ラングレー そこにいるような臨場感、リアリティー。ラストがいい。  ☆☆☆☆☆
 ホワイト アウト  真保裕一  ハラハラドキドキ。でも後の方そんなのアリって感じ。でもラストはほっとする。  ☆☆☆☆
受精 帚木蓬生

亡くなった人を想う事での現実逃避。 亡くなった人の子供を産むことが全てではない。だまされちゃいけないという話。

 
空夜 帚木蓬生

この人は恋愛小説は無理。色気がない。閉鎖的な田舎の話。一応柴田錬三郎賞受賞。

 
マサの事件簿 宮部みゆき 動物、子供、女の探偵は話が甘くなっていかんと思っている私。  ☆☆
クリムゾンの迷宮 貴志祐介 この手の話、好きです。どんなSFよりSFぽかった。バングル・バングルの地形まで見えてきそうな妙にリアルな感じを受けた。貴志氏にしては最後まで納得できる面白さだった。ヘビとか虫とか、異形とか書かせたら天下一品だと思う。誰でもいい、「天使の囀り」を読んで感想を聞かせて下さい。  ☆☆☆☆

004 ちかちゃん

題 名  作者名  ひとくちコメント  評 価 
白夜行 東野圭吾 ※総力特集  ☆☆
十三番目の人格(ペルソナ)−ISOLA− 貴志祐介  「黒い家」より迫力があってとっても面白かった。
 主人公は相手の感情を読み取ることができるエンパスという能力を持っている女の人。エンパスであるために日常への苦悩を抱えながらもその能力とうまくつきあっている。その主人公が解離性同一性障害(多重人格)の女の子と出会い、やがて十三番目の人格と戦うことになる。臨死体験、体外離脱へと話は進み、心理学(ユングの人間の機能の四つの分類など面白かった。)や、それぞれの人格の名前が持つ語源など興味深かった。
最後はある程度予測はつき、おさまる所におさまったいう感じだったけど、一気に読ませてくれて楽しめた。
OMAKE 女の子が「ノルウェイの森」を読んで感想をいう場面が少しだけでてくるよ。あみちゃん。
 ☆☆☆☆
ボーダーライン 真保裕一  アメリカを舞台にした小説だからという訳じゃなく、出だしは特に翻訳本を読んでいる気になってくる。
 天使のような笑顔で握手をするように人を殺して行く男を追いながら、恋人の失踪に思いを巡らす主人公の探偵。ハードボイルドというより親子関係を中心に夫婦や友人関係を書いた人間模様の小説という感じ。
 殺人者の父親がその子供を殺しにいこうとする時、たき火を囲んでの探偵との会話が印象的。「ボーダーライン」という題名も国境線という意味の他に探偵として、父親としてのボーダーライン(正義、復讐)という意味も含まれていると思う。
 ☆☆☆
クリムゾンの迷宮 貴志祐介  自分の決まりで一夜読みを禁じ手にしているんだけど破ってしまった。という位面白い訳じゃなく、あまりにも突飛な話の展開に、どうしても結末を読まずにいられなかった。  ☆☆☆

002 かよこちゃん

題 名  作者名  ひとくちコメント  評 価 
仄暗い水の底から 鈴木光司 ※PICKUP1  ☆☆☆☆
返事はいらない 宮部みゆき 短編集・軽い読後感。  ☆☆☆
淋しい狩人 宮部みゆき ほのぼのミステリー。  ☆☆☆

FISH  OR DIE

奥田民生

3年ほど前に月カドに連載されていたエッセーをまとめたもの。 桜井君との対談がお目当てだったんだけどなかなか面白かった。桜井君も結構登場してくるしね。

 ☆☆☆
ループ 鈴木光司 ※PICKUP2  ☆☆☆☆
白夜行 東野圭吾 ※総力特集  ☆☆☆☆
 聖なるヴィジョン  J・レッド フィールド  「聖なる予言」のノンフィクション版。「白夜行」のような暗い小説をよんだ後には気持ちが楽になる。とにかく「白夜行」とのバランスが絶妙だった。  ☆☆☆☆
着想の技術 筒井康隆 「着想の技術」とはつまり「僕を走らせてくれ〜♪es」って感じなのね。作者の見た夢の分析、解説が面白かった。  ☆☆☆
生きがいの本質 飯田史彦

副題、私達はなぜ生きているのか? 時空を越えた体験談、考え方、新しい価値観。読みやすく面白かった。

 ☆☆☆☆
 秘密  東野圭吾  心と体が入れ替わってしまう事による悲しみが伝わってこない。共感出来ない  ☆☆
 ねじまき鳥 クロニクル  村上春樹  ※PICKUP3  ☆☆☆☆☆
 ノルウェイの森  村上春樹  ※PICKUP4  ☆☆☆☆☆

※PICKUP1 「仄暗い水の底から」鈴木光司 水にまつわる短編連作。
〈海に沈む森〉最終話。この話によってプロローグとエピローグが結ばれる仕掛け。
作者自身の男として、父親としての理想像が描かれているのだと思う。
〈孤島〉主人公の友人のキャラは「リング」「らせん」の高山竜司だなあ、とどうしても思ってしまう。そのあくの強い性格は、作者のもう一つの顔なんじゃないかなあ。男らしい男に憧れる反動というか、、、。でたらめな話にも思えるが、妙に好きなんだな、この話。
〈ウォーターカラー〉 演劇人の話。意外性があって面白い。人間関係のもつれ系と思わせておいて、、、。某ミュージシャン好きの私としては創作に携わる人達の感情移入の度合みたいなところがとても面白かった。他5編(くらいかな?)

※PICKUP2 「ループ」 鈴木光司  
 生命の神秘、神の存在等に対する作者の考えをわかりやすく面白く読ませる。
「リング」「らせん」と少し離れた感じがあるのは、SF色が強いからか。作者あとがきによれば、小説を書くことはひたすら祈りつづける作業であり、頭上に浮遊する物語を腕力で引き寄せるという。この「腕力で」というあたりや主人公がとてもヒロイックなところなどは鈴木光司らしいなあと思う。科学では割り切れない存在を信じるであろう彼が何故そんなに腕力や強さにこだわるのかちょっと不思議な感じがする。
 「ループ」の主人公とダブらせれば、主人公は父親から生命の不思議を学び、また体を鍛える事を学び、神の担い手としての自分の役割を果たして行くのだけれど。
 鈴木光司の本を簡単に表現すると、生命、家族、体力がキーワードみたいな気がするのだが、どうだろう?

※PICKUP3 「ねじまき鳥クロニクル」 村上春樹
 あみちゃん超推薦本。とても面白かった。
 特別の人間だけに聞こえるねじまき鳥の声に導かれ、主人公の受け入れていた世界が奇妙に変容して行く。入り組んだ人間関係(奇妙で素敵な登場人物達)は、ひとつづつのエピソードにみえながら、関連し、時空を越えた結びつきへと発展して行く。
 あみちゃん曰く、「読み手に委ねられた小説」。全てが何かの象徴のように語られ、そこに読み手の妄想が入り込む隙間があるのではないかと思うし、読み手の心理状態、状況などによって、惹きつけられる場面、共感する箇所も変化して行くように感じる。長く、繰り返し読める小説のひとつであると思う。
 そして、ある日ぽっかり「答え」が出るのかもね。

※PICKUP4 「ノルウェイの森」 村上春樹
 とにかく主人公である「僕」がとってもいい。
 自分の立ち位置をきちんと持ち、自分の中の感情を、自分にも他者にもきちんと伝える。「僕」は「ねじクロ」の「僕」に繋がるし、「ねじクロ」全体とも見事にリンクする。
 そして作者本人の姿と重なる。「僕」の恋人は「あなたといると悪いものも暗いものも私を誘わない」と言う。それは「僕」の正直さが他人にそういう言葉を言わせるのだと思う。
 緑のお父さんもレイコさんも寮の友人達にもそれは伝わり、鏡の作用のように「僕」に係った人達を本来の自分に戻して行くのではないかと思う。そういう浄化されて行く感覚を「僕」はまわりの人に与えるのではないだろうか。「僕」は一日の始まりに「きちんと生きて行こう」とネジを巻く。
 それは私にも「毎日きちんと生きて行こう」そんなふうに謙虚に思わせてくれる。
 「ねじクロ」とともに素晴らしい作品だと思う。どうやら2冊読んだだけで野井戸にはまったみたい!おすすめします!

003 あみちゃん

題 名  作者名  ひとくちコメント  評 価 
長いお別れ

レイモンド・ チャンドラー

全編に哀愁漂う「黄金期のアメリカ映画」的小説。ラストシーンの会話がいい。  ☆☆☆
夜のくもざる 村上春樹

超短編小説。再読。 ひたすらシュールなものから、実話風のものまで。楽しめる。

 ☆☆☆☆

プールサイド小景・静物

庄野潤三

短編集。
「プール〜」は日常や平凡ってほんとはあやういものかもと思わせる。
「静物」は淡々とした筆致で静かな日常を描く。退屈でもあるし、静かで心地よくもある、そういうこの小説のあり方そのものが日常というものを表しているように思える。でも、この一見平穏な日常にさす影は、平穏な日常の裏にものすごく深い、暗い闇が潜んでいることを示している。「静物」という小説も考えるほどに深みにはまる小説。
個人的には「舞踏」がいちばんすきだった。

 ☆☆☆
青春論、恋愛論 坂口安吾

エッセイ。
安吾は小説もだいすきだけど、鋭い語り口のエッセイもやっぱりおもしろい!
この文章が書かれてからゆうに50年は経ってるのに全然古びたところがなくて、そのまま今の時代にも通用する。 目からウロコの1冊。

 ☆☆☆☆

バビロンに 帰る

フィッツジェラルド 村上春樹編訳

短編集+エッセイ。
フィッツジェラルドは村上春樹の敬愛する作家。村上春樹のルーツもここにあるんだということがわかる。

 ☆☆☆☆
何がどうして ナンシー関

テレビ批評&CM批評。
キムタクの歌の能力を冷静に判断できる あなたなら笑えるはず。

 ☆☆☆

人魚の嘆き・ 魔術師

谷崎潤一郎

どちらも幻想的なおとなのための童話といった感じ。「人魚〜」は人魚の瞳の描写がとても印象的だった。どちらも文章、言葉のすみずみまでが魅惑的で、幻想的で、妖しくて、そしてなにより美しい。 谷崎を読んだのは久しぶり。「人魚の嘆き」というタイトルに惹かれて買ったこの本は、今までに読んだ谷崎とはずいぶん色合いが違っていて、驚いたけどとてもよかった。

 ☆☆☆☆
広告批評 雑誌

村上春樹のロングインタビューを掲載。
なかなか読みごたえのある記事だったので、雑誌だけど載せたかったのです。

 ☆☆☆☆

一人の男が飛行機から 飛び降りる

バリー・ユアグロー
柴田元幸訳

全部で149本の超短編集。これは「柴田元幸訳」で買った。訳者の柴田元幸によれば“「たのしい悪夢」の世界”。 シュールで、ブラックで、わけがわからないけどなんかおもしろい。

 ☆☆☆☆
レキシントンの幽霊 村上春樹 全7編の短編集。何かのきっかけで損なわれてしまったものと、それを受け入れなければならないという哀しみと痛み。  ☆☆☆☆

オンリー・ミー 私だけを

三谷幸喜 「古畑任三郎」「振り返れば奴がいる」etcの脚本家三谷幸喜のエッセイ。何度読み返してもかなりの大爆笑もの。  ☆☆☆☆
白夜行 東野圭吾 ※総力特集  ☆☆☆☆
 佐藤君と 柴田君  佐藤良明 柴田元幸  佐藤君と柴田君、ふたりの東大教授の エッセイ。すきだなぁ、柴田元幸。  ☆☆☆
   村上春樹  「蛍・納屋・その他の短編」に収められて いる、「ノルウェイの森」の原形となった 短編小説。近くにあるはずなのに目に見えないもの、 手の届かないもの、伝わらない言葉、抗え ない流れ。欠落感、喪失感が伝わってくる。  ☆☆☆☆
 クリムゾンの 迷宮  貴志佑介  わけのわからないパワーがある。最後の対決がちょっと迫力に欠けるのが惜しいな。  ☆☆☆

ちょっと一息・・・coffeebreak
今回はあみちゃんよりおすすめ
  ♪MY FAVORITE ALBUMです♪
  〜スガシカオの3rdアルバム「Sweet」〜
さらりと聴けるのに、
聴きこむほどに苦くて深い10曲。






006 うさお

 うさおは、定年退職後の過ごし方を考え、2週間に一遍、市立図書館に通い、6冊の本を借りることを自分に義務付けている。もう学術書を読むのはまっぴらだし、お小遣いも乏しいので町の書店に行き気儘に好きな本を買う事も、ここ数年していない。という事で、格段本の読み方に一家言があるわけでもなく、本の題名だけを頼りに本を借りてくる。そのため、何度か同じ本を借りてくる。(-_-;)

題 名  作者名  ひとくちコメント  評 価 
新入社員 江波戸哲夫 本来はサラリーマン小説であり青春小説のようであるが、面白くない。めりはりが無く作者の筆力が無さが際だつ本だ。
死体の食卓 岩川 隆

この人は後書きを読むと、純文学の方で有名な人らしいのだが、知らないなあ? 内容はスプラッタのオムニバス。段々下ネタ系に移行して行く、でも、う〜ん、あまり面白くないんだけどねえ。

北方 謙三 この人独特のシチュエーション。脱サラして私立探偵のまねごとを始めて、それで喧嘩も強い。解決は腕力と人生訓で。料理もこだわりをもち、作るのが上手いんだって! ☆☆
処刑遊戯 田中雅美

題名に惹かれたけど内容は下の下。変に粘着質なハードボイルド。エロチック・バイオレンスなんだけど陰湿系。女流作家が変にハードボイルドを書こうとするとこうなるという見本のような極め付けの一冊。 本屋で買ってたら怒るで!

ブロンドの処刑人 D.グリーンバーグ 昔ブスだった女性が30になって、誰もが振り向く美人に変身する。自分をあざ笑った嘗ての恋愛相手達に復讐して行く異常心理もの。設定はともかく筆力が有り面白い。 ☆☆☆
ルノアールを盗んだ女 久保田 滋

脱サラ証券マンが犯すピカレスクロマン。大薮春彦の亜流。一人で面白いだろ、上手いだろ言っている。 薬味にもならない恋愛も取り混ぜて…。変に臭い一冊。

死国 坂東真砂子 映画になった。四国は死国であると、古事記にも記述があるそうな。娘を依り魂にし、口寄せをしていた母が、死んだ娘をこの世に呼び戻す話。映画のシナリオを読んでいる様な、味気の無さが少し残る。筆力は十分あるのだが… ☆☆☆
殺人者 原田康子 健康に障害を持つ精神的に不良の?社長令嬢が別荘に療養に行き、隣家で起こった殺人事件の犯人の若い男を匿う物語。こんな変なシュチエーションでも、読める、読ませる。書かれた時代を感じさせない。 ☆☆☆☆
謎の団十郎 南原幹雄 初代の団十郎はなぜ不審の死を遂げたのか、歌舞伎界にうごめく謎を、戯作者や後代の団十郎が解き明かす。江戸の庶民の生活が、女性の生き様が活写されていて面白い。この人の親父さんも時代作家だそうだ。筆力はある。 ☆☆☆
服部半蔵 戸部新十郎 文章は硬く、文献の豊富さに整理しきれていない感触を与える所もあるけど、まあ面白く読ませる。小池一夫だったらどう書くのだろう。
 忍びの者とは違い、多少幻術的なものもそのまま取り入れている。果心居士や勾頭段蔵(飛び加藤)も。
☆☆
白夜行 東野圭吾 ※総力特集 ☆☆☆☆☆
秘密 東野圭吾 これも物語は17年の歳月に及ぶ。好きだね東野圭吾は。事故で娘と母の意識が入れ代わる(母は死ぬんだけどね)話。よくあるプロット。何について書きたかったのかテーマが三つくらいに散逸する。作者の気合いの入らない一冊。 ☆☆


白夜行

 (季刊SIGHT書籍評論より)

今季のベスト1である「白夜行」、これはもう旧来のミステリーではない。
事件は起きるものの犯人探しではないのだ。しかし、その完成度、技法の高さは他を圧している。「秘密」で昨年ブレイクした東野圭吾を信じて黙って読んで頂くしかない。今年話題になった某大作(DOKU−GAKU総務・注「永遠の仔」)と同じモチーフを使いながら、違う仕上がりになっているところに技巧派東野圭吾の真骨頂があるのだが、どちらを好むにせよ、もうこれらの作品はミステリーを飛び越えているといっていい。かぎりなく普通小説に接近しているのである。



004 ちかちゃん ☆☆
 「私の上に太陽はない。いつも夜だった。」
 雪穂とその雪穂の「太陽に代わるもの」であった亮司が、次々に起こす犯行と、その結末に読後感は重苦しかった。
 雪穂と亮司の心の動きが一切書かれていないのに淡々と計画し行われる犯行からも、最後の場面からも二人の孤独は十分伝わってくる。
 だから技巧派で完成度が高いと評価されるのも納得はいくけれど、こういうテーマの本は確かにもういいね、がみちゃん。

005 がみちゃん ☆☆
 少しでも児童虐待が入っているものは生理的に×。それにいくら自分が可哀想だからって他人をも不幸にしていいはずがなく、後味の思いっきり悪い本でした。
 でもああいう女は少なからず居て、私はどれだけ煮え湯を飲まされたことか…。  

006 うさお ☆☆☆☆☆
 時代感を取り込みながら、物語は進展して行く。犯人は最初から提示されているのだが、その犯人が成長して行く過程が、伝奇小説のよう。一種のピカレスクロマン。最近の高村薫や桐野夏生達にも、このような時代系譜を取り込んだものが多くなって来ている。それらと対比しながら読むと、やはりこれは情念の物語であると判る。

003 あみちゃん ☆☆☆☆☆
 雪穂と亮司の成長過程のエピソードの積み重ねに説得力があり、雪穂も亮司もああいうふうに生きるほかなかったのだ、という必然性が感じられる。

002 かよこちゃん ☆☆☆☆☆
 面白かった。ミステリーとして読めば、今枝、笹垣、篠塚の登場によって入り組んだ人間関係を解きほぐして行く中盤部分から一気に読ませる。二人の成長過程を出会った人たちの視点によって浮き彫りにして行く構成力は素晴らしい。
 また情念の物語として読めば、主人公二人が他人を排除しなければ自己の確立ができず、そういう思いこみの世界でしか生きられなかった哀しみは十分伝わってくる。 幼い頃受けた恐怖の体験は心に刻み込まれ、そこから生じる不安は防衛本能を生み、自らの世界を敵意に満ちた孤立したものにしてしまうのだろう。
 他人を支配するのではなく、人は支え合って生きていくのだということを教えてくれる人(或いは本でも映画でも歌でも)と出会えなかった事が、彼らにとってとても不幸な事だったのだと思う。出会っていてもそれらを拒絶して生きてしまったとも言えるが。せつなく悲しい物語だと思う。


※参考

東野圭吾「秘密」DOKU−GAKU採点表

ちかちゃん    ☆☆☆☆☆
がみちゃん    ☆☆☆☆
うさお      ☆☆
かよこちゃん   ☆☆ 

[総務より]
同じ東野圭吾作品であるのに、評価が逆転していて面白い。ちかちゃん、がみちゃんの評価が高い。東野圭吾はこの作品でブレイクしたと言われている。「秘密」はある家族に突然思っても見ない事が起こり、というお話で…トラウマ系ではないもんね。愛情の表現も本の好みも十人十色ということね。