編 集 後 記

 ようやく発行までこぎつけたようだ。
 事実、これほど発行が遅れたツヅミは他にはない。そして、これほどツヅミの会自体に問題を投げかけた綾の鼓もないだろう。
 この綾の鼓六号は、旧∴サの鼓が発行する最後のツヅミだ。ぼくらは創刊号からこの六号まで続いて来た編集方針!作品の出来不出来はすべて作者自身に帰する、つまり投稿作品はすべて掲載する方針ーに別れを告げる。この方針も、ちゃんとした批評活動が伴っていればそれ相当の効果も出たろう。だが、ぼくらは批評活動をおろそかにして、作者と読者間を一方通行にしてしまい、その上、雑誌発行のパターン化という現象さえまねいてしまった。ぼくらのツヅミに対する熱意が次第に消えていくのも当然かもしれない。
 ぼくらはこの号で、今までの編集方針を清算する。そして、次号から新しい編集者グループの手によってツヅミが発行されて行くだろう。その後記に、このようなナキゴトが記されてない事を祈っている。
      昭和四十八年七月十三日(金) 飯田 勉


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