フランツと章太郎に捧げる詩  顆 顔 

≪起の巻≫
 それが聞こえてきたのは、全ての家庭が一家団欒の時を過しているというようなそんな時だった。(とは言っても、宇宙人が戦いを挑んできたわけでも、テレパシーで伝えられたわけでもなかったんだ。つまりテレビジョンからいつもの感じで。ただそれだけ。)
『仮面ライダーがキミ達を待っている!! サァ12月吉日、ミツマルデパートへ仮面ライダーを見に行こう!
パパやママといっしょにネ! ショッカア達もいるよ!
 ショウとサイン会へ。サァ、レッツゴオ』
 
 ◎オトナ電話相談室にて
 
親A:アノオ、うちのボクチャンが、仮面ライダーショウを見に行きたいとせがむのですが、連れて行っても有名幼稚園の入試に落ちるなんてことはないでしょうか。怪獣評論家の無茶苦茶先生にぜひ…

無茶苦茶先生:アレはイイですよォ、絶対見に行きたいですネ。それに今回は今までとちがって(今までのは、ライダーとショッカァが手に手をとってサイン会と握手という感じだったですからねェ。あれはつまりませんでした。顆顔注)アノ本郷タケシが(ひどくまあ週刊誌的ですが)仮面ライダーに変身してみせるというじゃありませんか。絶対見るべきですよ。ボクチャも行こォーっと。それに有名幼稚園なんか入らなくったって……ボクみたいにマスコミに乗っちゃえばあとはネェ……
いや、まあそれはどうでも良いですが。
 では……
 
親A:いやはや、この寒いのに…しょうがないけどヒマつぶしにでも行くかあ。(実はこの人、見に行きたくなってしまったのであります。顆顔注)


≪承の巻≫
 12月吉日、その日はどんよりと朝から晴れ、やっぱり寒くて、もしかしたら光化学スモッグ注意報も出るんじゃなかろうか。しかし、ミツマルデパート前には、朝早くからカキ連及びそれらに連れられて来たちょっと憐れな親達が、今や遅Lと群を成していた。
 
≪転の巻≫
 サァーッ。本郷タケシ君の登城、いやもとへ、登場でエーす! いっしょに拍手でェー(途中歓声と拍手で聞こえず。いつの間にかライダーソングが流れ、ガキ達がそれに和している。) サィンはまだまだーそんな前に出ないでー (この司会者みたいな人、ひどく苛立っているんだけれど、ギャラのため一生懸命奥方のためがんばっているのです。) 
 ではみなさんお待ちかねェ!『へンシン』で本郷クケシ君が仮面ライダーに変身しまあすう! 静かに!−畜生! (畜妾ではありません。まあ雀の涙ほどのギャラじゃあ妾の方は無理でしょうねェ)
ガキ壱‥そりゃあライダーの中には人がいるなんてことぐらい知ってるよ。だけどオトナの夢、壊したくないモンネ!
本郷タケシ君:ライターいやライダーへンシン!(ここでいつものアノポーズ、エッ?知らないって、アンタ遅れてるどころじゃないですよ、日本人なら常識じゃあありませんか。顆顔注)

≪結の巻≫
すごく偉い人:どっどうしてくれるんです。ボッボクは怒っていますよ。ミッ、ミツマルデパートの28年の歴史に傷が。ああボクはママに何て言ったらいいんだ。どっどうしよう。オヨヨヨー(突然泣き出したのです。)

ガキ弐:アレレのレ!もしかしたらあれモスラっていうのかな?
無茶苦茶先生:私もアセリましたが……係のオヤジサンもマッ青でしたねェ。
知識人か氏:ひょっとするとアレは…フランツ先生の申し子では……ハア。
         完
参考文献及び物件
 たのしい幼稚園・冒険王・テレビマガジン。土曜日午後7時30分よりNETテレビ系における放送、角川の文庫本(これは不確) etc


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