飢餓惑星(石原藤夫に) 夢枕 獏
惑星救済コンサルタント社の強力な受信装置が、宇宙のどこからとも知れぬ、未知の電波を受信した。さっそくコンピューターにかけてみると、それは次のようなものであった。
「ワレワレとんふり星ハ、現在非常ナ食糧不足デ絶滅寸前デアル。コノ電波を受信セシ未知ノ星ノ住人ヨ、ワレワレヲ助ケテホシイ。ワレワレとんふり星ノ位置ハ………………」
早々に、コンサルタント社の有能社員、シノとヒオダは、満載したカンヅメをのせた大形宇宙船で、とんふり星めざしてとびたっていった。
やがて、受信装置がとらえたとんふり星からの電波は、次のようなものであった。
「未知ノ星ノ住人ヨ、感謝スル。タクサンノ円トウ形ノ金属ハヤクニタタナカツタガ、二匹ノカチクハタシカニ美味デアッタ。未知ノ星ノ住人ヨ、感謝スル…………」