特集・安保=について

 安保。それはあなたにとって一体何なのだろうか。

 安保。それを開いた時、あなたは一体どんな気持になるのだろうか?−脱糞したくなるだろうか?皇居に向って万歳するのだろうか?それともあっしにはかかわりあいのないこと≠ネのだろうか?

 安保。あんぽ。アンポ。日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約。

 A「今度、綾の鼓で安保の特集をやろうと思うんですよ」
 B「そんなことやめろよ」

 C「何で安保なんかやろうと思ったの」
 A 「SFファンジンはただSFのことだけを取りあつかえばいいのか?僕はネ、別に暴力革命がどうだとか、デモに行こうとか、そんなことを言いたいんじゃないんだ.ただこれをきっかけとして考えて欲しいんだよ。安保だけじゃなく、それ以外のことも、自分の頭で。外から入っで来る情報だけじゃ駄目なんだ。そんなものには少しの価値しかない。自分の頭で自分の問題として考えて欲しいんだよ」

 僕のこの充実は、また同時に僕の生の拡張である。そしてまた同時に、人類の生の拡充である。僕は僕の生の活動の中に、人類の生の活動を見る。
  またかくのごときもっとも有効なる生の活動方向をとっているものは、ただに僕一人ではない。真に自己を自覚し、また自己との関係を自覚した人々は、今日なおはなはだ少数ながらも、しかもすでに断乎たる歩みをこの道に進めている。盲目者の外は何人も見適すことのできない、将来社会の大勢を形づくりつつある。
  事実の上に立脚するという、日本のこの頃の文芸が、なぜ社会の根本事実たる、しかも今日その絶頂に達したる、かの征服のことに触れないのか。近代の生の悩みの根本に触れないのか。さらに一歩進んで、なぜそれに対するこの反逆の事実に触れないのか。この新しき生、新しさ社会の創造に触れないのか。確実なる社会的知識の根底の上に築かれた、徹底せる憎悪美と反逆美との創造的文芸が現われないのか。
  僕は生の要求するところに従って、この意味の傾向的の文芸を要求する、科学を要求する、哲学を要求する。(大杉 栄)

 安保特集は失敗に帰した。これは偏に編集者の責任である。ここに慎しんでお詫びするとともに頁をさいてくれた鼓諸兄姉にはお礼申し上げる。ただ失敗に終ったことが四号編集人一同残念である。 (文責、浦)


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