「コラム」 朝の口吻け

 朝。すばらしき、この日。又新しい、鮮やけき日が始まる。
 彼はテーブルにつきながら妻の顔を美しいと思って見つめた。それに気づいた彼女は 少し恥じらい、顔を赤らめて良人に言うのだった。
 「あなた、私の顔に何かついてて?」
 「いいや、君が余りに美しいからさ、見とれてしまったんだ」
 「朝から冗談がお上手だこと」
 「いいや、冗談なんかじゃない、本当さ、君はこの世で一番美しい」
 「うれしいワ、あなたも、この世で一番すてきな、素晴らしい男性よ」

 そうして二人は、美しい彼女と、素晴らしい男性の彼は、朝の口吻けをかわすのだった。そう、二人、狼男と蛇女は


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