創刊記念講演紙上再録 「幻想小説とSF」
講師 皆川 正夫
記者 岡沢 真奈美
「この講演は、一九七一年二月二九日 SAL会館小ホールで「あやのつづみ」創刊を記念して行なわれた。当日はやや雨がちの肌寒い天気であったが、ホールは八分の入りで、まだ講師が若いのを考えれば、まずまずの成績であるといえよう。」
(まず、スピーカーが入力、講師の略歴を読みあげた。)
アナ「講師略歴
昭和二七年二月十八日福島生まれ
聖母幼稚園を経て
区立深沢小学校
区立深沢中学校を優等で卒業(笑)
都立菅山高校を並で卒業(大笑)
現在、早稲田予備校在学(可々大笑)
SFについては狂的であり、それ以外の趣味は広く、音楽、美術、文学、何でもこなす秀才(笑)であり、(場内より「早く講師を出せ」の声あり。騒然)
青山高校在学中は落語研究会々長を努めた。
SF作家で好きな作家
(「早く出ろ、前置きが長い。」)
好きな作家は、レイ・ブラックべリ(大笑)
レイ・ブラッドベリ、サミュエル、S・ディレーニィ、J・G・バラート、」
(シュプレヒコール、早く、・・・場内騒然・・・フレット、べス・・・オール。
・・・が・・・ヴォ・・・
突如として髪を振りみだした男がなにか叫びはじめた)
「(聞こえず)わけで、今日は皆川先生はいらっしゃれません」
(場内、騒然、何やら不平がとぎれとぎれに聞こえる。)
会場内の人の話
「いや、いくら受験勉強がいそがしいからといって、すっぽかすのはよくありません。言語道断です!」
評論家 生川 操氏の話
「まったくもってけしからん。許されない行為です」
評論家 赤夫好男氏の話
「いけないことです。え?ああ受験・・・それなら、わか少ます。是非勉強して、大学に入らねばなりません」
皆川正夫の行為は、充分、論議されるべきであろう。 (岡沢記)